【ペタリンジャヤ】 首都圏で水道運営を行うアイル・セランゴールは、水道料金の見直しについて、国家水道委員会(SPAN)と協議したと明らかにした。

アバス・アブドラ最高経営責任者(CEO)代理は持続可能性報告書発表会で、昨年は24億5,000万リンギの収入があったものの、運営コストや老朽化した設備の整備費用を賄うには不十分で、収入不足が長期的な運営に影響を与えるため、17年間据え置いてきた家庭向け水道料金の値上げを検討したいと述べた。水道規制当局であるSPANと協議の上、年内に値上げの決定がなされる見込みだとし、政府からの補助金などもないため、持続可能な用水供給のために3年に1度の頻度で段階的な値上げを行いたいとしている。

アイル・セランゴールは、昨年8月に産業向け水道料金を、1立方メートルあたり2.07リンギから2.62リンギまで値上げした。一方、家庭向け料金は1立方メートルあたり57センのまま維持されている。

■年内に無収水率(NRW、漏水や盗水の割合を示す指標)を0.26%削減へ■
アイル・セランゴールは声明で、NRWを2022年の27.76%から2023年には27.5%まで0.26%削減することを目指していると述べた。NRW削減プログラムの実施、NRW評価調査、スマートメーター2,393台の設置などを通じ、NRW削減目標に向けて引き続き取り組んでいくとしている。総額1億1,300万リンギ相当の配管交換工事を年内に開始し、来年9月に完工する予定。NRWは2018年の31.7%から2019年には29.7%、2020年には28.6%、2021年には27.93%に減少している。また、平均貯水率は12.02%で、2030年には17.7%まで上昇する見込みだ。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、7月4日)