マレーシアはLNG輸出国5位を維持=国際ガス連合

【クアラルンプール】 国際ガス連合(IGU)が12日に発表した「2023年世界液化天然ガス(LNG)年次報告書」によると、マレーシアは2022年もLNG輸出国第5位の地位を維持した。

報告書によると、昨年のマレーシアのLNG輸出量は2,730万トンとなり、2021年の2,490万トンから増加し、全世界のLNG取引量の7%を占めた。1ー4位は豪州、米国、カタール、ロシアの順となった。

アジア太平洋地域が引き続きLNGの最大の市場となっており、2022年の総輸出量は1億3,660万トン、輸入量は1億6,090万トン。9,790万トンが域内取引で占められた。

IGUのリー・ヤラン会長は、柔軟で信頼性が高く、効率的なエネルギーとしてLNGを否定できない価値が世界に証明されたと言明。エネルギー転換を継続していくためには、柔軟なエネルギーが必要との見解と示した。

またマレーシア・ガス協会(MGA)のアブドル・アジズ会長は、これまで天然ガスはエネルギー安全保障を確保し、経済発展を推進しており、今後も数十年にわたり天然ガスが中核エネルギーであり続けると予想。6月に開催された「エネルギー・アジア会議」でアンワル・イブラヒム首相が述べたように、マレーシアでは引き続き、天然ガスが低炭素経済への移行に向けたエネルギーミックスの実現において、重要な役割を果たすと予想しているとした。
(エッジ、7月13日)

中国のチョコレート菓子「唇動」、ウェルスパイアが独占販売へ

【クアラルンプール】 ウェルスパイア・ホールディングスの食品輸出入子会社ウェルスパイア・グローバル・トレーディングは、中国の食品企業である唇動食品との間で、マレーシア、シンガポール、タイにおける唇動製品の独占販売代理店契約を締結した。
ウェルスパイアが13日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、契約期間は2023年7月13日から2026年7月12日まで。販売対象製品は、唇動のチョコレート・コーティング・ケーキ製品および3つのフレーバー(チョコレート、ミルク、ストロベリー・ラズベリー)ケーキなどとなる。
ウェルスパイアは今年1月、ブルサ・マレーシアのACE市場に上場。75.01%子会社バイ・リー・エンタープライズが、2月には中国洽洽食品とタイにおける販売代理店補足契約を更新し、3月には、香港企業のHHインターナショナル・エンタープライズとの間でも同じくタイにおけるスナック製品の販売契約を締結した。ウェルスパイア・グループの今年第1四半期(1ー3月)の売上高は3,405万リンギ、純利益は90万リンギだった。
(エッジ、ビジネス・トゥデー、7月13日)

日・マレーシアの外相がインドネシアで会談、両国関係強化へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の一連の外相会議に出席するためインドネシアを訪問中の林芳正外務相は12日、マレーシアのザンブリー・アブドル・カディル外務相と現地で会談を行った。

林大臣は冒頭、本年が「日ASEAN友好協力50周年」に当たることについて言及し、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、マレーシアとの連携を更に強化していきたい旨、また12日の北朝鮮によるICBM級ミサイルの発射を非難する旨を述べた。これに対し、ザンブリー大臣は、長年の協力によって育まれてきた日本との強固なパートナーシップを一層強化していきたいと述べた。

林大臣はまた、東方政策の新たな展開の推進に向け、一層緊密に連携していきたいとし、「アジア・ゼロエミッション共同体」構想における協力を含むエネルギー・気候変動分野や経済安全保障を含む安全保障分野、筑波大学のマレーシア分校設立といった様々な分野での二国間協力を推進していきたい旨を述べた。ザンブリー大臣は、筑波大学の分校設立を含め、幅広い分野で両国間の協力を一層促進していきたいと述べた。

両大臣は、ウクライナ情勢、東シナ海・南シナ海情勢、核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応といった地域情勢についても意見交換を行い、こうした諸課題に対し引き続き連携していくことを確認した。

 

TKインターナショナル、会計システムに「マルチブック」を採用

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日系TKインターナショナルは13日、グローバル企業向けクラウド型会計・企業資源計画(ERP)サービス「マルチブック」と業務委託(BPO)サービス「海外クラウド経理部」を提供するマルチブック(本社・東京都品川区)と販売代理店契約を締結し、TKインターナショナルの会計システムとして「マルチブック」を採用すると発表した。

今回、TKインターナショナルが、自社会計システムとして、マレーシア法令にも対応した「マルチブック」を採用することで会計記帳やレポーティング業務を効率化し、経営の見える化、スピード化を実現することができるようになった。また併せて、日系マレーシア企業に対し、「マルチブック」の販売、導入、運用等の関連サービスを提供し、更にTKインターナショナルが提供する「マレーシア進出ワンストップサービス」に「マルチブック」を活用した経理業務のアウトソーシングサービス「海外クラウド経理部」を追加ラインナップする。これにより、マレーシア進出企業における販促マーケティングから経理業務等のバックオフィスまで、現地で必要な一連の業務をワンストップで提供することが可能となるという。

「マルチブック」は、12言語、複数帳簿に対応し、各言語・通貨での会計業務や為替の換算が可能で、複数拠点を本社で一元管理することができる。製造・商社・飲食・建設など多業種にわたり、上場企業から非上場企業まで、31カ国で400社への導入実績があるという。

有料テレビのアストロ、3億リンギをローカルコンテンツに投資

【クアラルンプール】 有料テレビ放送のアストロ・マレーシア・ホールディングスは、2024年度(2023年2月ー2024年1月)に3億リンギ以上をローカルコンテンツに投資すると明らかにした

ユアン・スミス最高経営責任者(CEO)は国営「ベルナマ通信」の取材に対し、2023年度には前年度比11%増の3億800万リンギをローカルコンテンツに投資し、1万300時間分のコンテンツを制作したと言明。アストロでは、主要ローカル番組、スポーツのライブ中継、世界的な人気番組、ブロードバンド接続をひとつにまとめたリーズナブルなサービスを提供することに重点を置いており、視聴者の多様な嗜好に応えられるように動画配信サービスも3種類用意していると述べた。

スミスCEOは、同社の独自の制作能力により、マレーシア人の興味を惹く、マレーシアならではのコンテンツ提供に全力を注いでおり、マクロ経済の逆風が家計や企業に影響を与えているが、変わらず顧客に価値や体験を提供していくとした。
スミスCEOによると、顧客の約25%がストリーミング動画配信とブロードバンド接続がセットになった新サービスを選んでおり、その結果、今年度第1四半期のユーザー1人当たりの月間平均売上高は、前年同期比1.3リンギ増の98.7リンギとなった。また、2022年3月にサービスを開始したブロードバンド接続サービス「アストロ・ファイバー」は、2023年の顧客数が前年比28%増加し、引き続き好調が続いているとした。

アストロは2023年2月、マレーシア・フットボールリーグ(MFL)と提携契約を締結し、2023ー2025年の3年間、マレーシア・リーグを放送すると発表。MFLのチャリティー・シールド(スルタン・ハジ・アフマド・シャー杯)、スーパーリーグ、FAカップ、マレーシア・カップにより構成されるマレーシア・リーグの公式放送局となっている。
(ザ・サン、7月14日)