【ペタリンジャヤ】 スマートフォンやノートパソコンなどの消費者向けハイテク商品の売り上げは、世界的な金利上昇とインフレ圧力により減速しており、スマートフォン最大手の米アップルも直近3四半期連続で売り上げが減少しているが、売上の大半をアップルに依存している国内企業は、堅調を維持している。
ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に上場している半導体関連企業のイナリ・アマートロンの株価は直近1カ月で約11%、ユニセム(M)は約6%、MMSベンチャーズは約14%それぞれ上昇し、ブルサのテクノロジー・インデックスも過去3カ月で7%強の上昇を記録した。
独立系投資運用会社であるフォートレス・キャピタル・アセット・マネジメントのトーマス・ヨン最高経営責任者(CEO)は英字紙「ザ・スター」の取材に対し、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げがピークに達するという予想や来年予想される半導体市場の回復が、ブルサ上場ハイテク企業への強い関心を呼んでいると述べた。一方、マレーシアの現在のテクノロジー企業は主に装置メーカーが占めており、進行中の電気自動車(EV)への投資が半導体技術部門に波及し始めるまでにはまだ時間がかかるとしている。
ヨンCEOはまた、米中貿易摩擦がマレーシア企業に好影響を与える可能性があると指摘。米国企業は、中国製の試験・検査装置を中国以外の国のものに置き換えようとし、米国製の機械を使用している中国企業も同様のことを試みているとした。その上で、地元企業は、シンガポールなどの近隣諸国の企業との競合に打ち勝ち、自社製品を有力な選択肢として売り込んでいく必要があると述べた。
(ザ・スター、8月14日)