【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 中央銀行バンク・ネガラ・マレーシア(BNM)のアブドル・ラシード総裁は、マレーシアが特定の貿易相手国や産業に大きく依存していないことから、中国の経済成長減速に起因するリスクにも耐えられるとの見解を示した。
18日に2023年第2四半期(4ー6月)の国内総生産(GDP)成長率を発表したラシード総裁は、中国はマレーシアにとり第2位の貿易相手国であるが、貿易総額に占める割合はわずか13.6%程度だと指摘。中国の経済活動再開は世界経済を支え続けているものの、過去数カ月間の成長が減速しているのは認識しているとした上で、マレーシア経済は生産商品や貿易相手国を多様化しており、中国の経済成長減速の影響を緩和することが可能だと述べた。
またラシード総裁は、マレーシアの輸出減速の原因が世界的なテクノロジーサイクルの低迷と一次産品価格の下落による製造品の低迷にあるとした上で、今年の世界経済については主にコスト圧力の上昇や高金利、商品価格の低下に伴い成長が鈍化していると指摘。成長は長期的に平均を下回ることが予想されるが、完全な不況に陥るとはないとの予想を示した。
(ベルナマ通信、ボルネオポスト、8月18日)