KLIAセントラルでのマレーシア航空のチェックインを再開

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 クアラルンプール(KL)の「KLセントラル」とクアラルンプール新国際空港(KLIA)を結ぶ高速鉄道KLIAエクスプレスを運営するエクスプレス・レール・リンク(ERL)は、9月1日よりKLセントラル駅で、マレーシア航空(MAS)利用者のチェックインおよび受託手荷物の搬送サービスを再開する

チェックイン・カウンターは、KLセントラル駅構内のKLIAエクスプレス出発ロビーにあり、受託手荷物のX線検査を受けてから、チェックイン・カウンターで手続きを行うことができる。手続きは空港と同様で、チェックイン後に搭乗券を受け取る。

オンラインでチェックインを済ませている場合は、受託手荷物をカウンターで預けるだけで、自動的に手荷物はKLIAへ運ばれる。当面はMASのみが対象となるが、他の航空会社の手続きも可能になる見通しだ。

ERLは、同サービスの手続き再開を記念して今年12月31日まで、KLセントラルでチェックインをした顧客に、ERLのチケット購入に使用できる10リンギのクーポンを贈呈する。

フォレストシティ計画にカンフル剤、政府が金融特区を創設

【ジョホール州イスカンダル・プテリ】 政府はジョホール州の人工島プロジェクト「フォレスト・シティ」に金融特区を設ける。同シティに投資を呼び込み、経済活動の起爆剤とする考えだ。

来年度予算案について各州政府から意見、要望を聞くためのもので、財務省と州政府関係者との会合で、アンワル・イブラヒム首相が発表した。

フォレスト・シティは中国の一帯一路構想のもとで提案されたプロジェクトで、ジョホール海峡を埋め立て造成した4つの人工島(面積は合計30平方キロ)でコンドミニアム、学校、オフィスビル、ショッピングモールなどを総合的に開発する。
経営難にある中国の不動産開発大手の碧桂園と、ジョホール州政府と州のスルタンを後ろ盾とするエスプラネード・ダンガ88の合弁事業。

アンワル氏は、熟練労働者に対する特別所得税率(15%)や数次ビザなど、イスカンダル・マレーシアに与えている優遇措置をフォレスト・シティにも与えると述べた。

そうした措置によりビジネス経費は低くなり、隣接するシンガポールの経費が高いことを考慮すれば、投資をさらに呼び込めるという。
(ベルナマ通信、フリー・マレーシア・トゥデー、8月25日)

投資開発庁、製造業の主要証明書3種をデジタル化

【クアラルンプール】 マレーシア投資開発庁(MIDA)は28日、製造業における主要証明書3種をデジタル化したと発表した。

対象となったのは、▽製造許可証▽石油開発法に基づく許可証(PDA許可証)▽パイオニアステータス証明書ーー。マレーシア投資ポータル(https://investmalaysia.mida.gov.my)で申請が可能。 投資貿易産業省(MITI)トラストマーク(製造許可証、PDA許可証)とMIDAトラストマーク(パイオニアステータス証明書)を統合しデジタル証明書に埋め込んでおり、「1997年電子署名法」および「1998年電子署名規則」の規定に従い、文書のセキュリティを強化している。安全なQRコードも組み込まれ、検証ツールでスキャンすることで証明書の真正性を保証する検証手段も提供する。

テンク・ザフルル投資貿易産業相は、製造業証明書のデジタル化は、公共サービスの近代化、再考、再構築に向けた重要な一歩であり、投資家により包括的で、シームレスで、個別化されたサービスを提供できるようになるとコメント。MITIは、今後もMIDAを通じて、説明責任、透明性、サイバーセキュリティの向上を目指し、マレーシアの域内デジタルハブとしての位置づけの強化を図ると述べた。

MIDAのアルハム・アブドル最高責任者は、デジタル化により処理時間を短縮し、認可プロセスを改善すると同時に、将来のニーズを見据えたデジタルトランスフォーメーション(DX)目標も達成できると述べた。MIDAは今後も革新的であり続け、ビジネスを支援していくとしている。
(エッジ、8月28日、MIDA発表資料)

日本産輸入海水魚は冷凍イワシとサバのみ=漁業局

【クアラルンプール】 マレーシア漁業局は28日、国内消費用として現在日本から輸入されている海水魚は冷凍のイワシとサバの2種類だけで、活魚の輸入に関してはコイなどの淡水観賞魚のみで、海水魚は輸入していないとの声明を発表した。

同声明は福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が24日に開始されたことをうけたもので、漁業局は、漁業開発局、マレーシア検疫検査サービス局(Maqis)、保健省と協力し、市場に出回る水産物に汚染物質がないことを保証すると言明。その上ですべての日本産水産物の輸入業者に対し、法律を順守し、各輸入品に日本当局による衛生証明書が添付されていることを確認するよう注意を喚起した。

活魚の輸入については、漁業局は輸入業者がすべてMaqisに輸入許可を申請し、漁業局が指定する輸入許可条件を順守しなければならないと述べた

国民の懸念に配慮してマレーシア保健省は23日、日本からの輸入食品のうちリスクが高いと考えられるものに対し、入国地点で放射性物質に関するレベル4(監視)の検査を行うと発表。科学技術革新省は25日、サバ州沖合にガンマ線スペクトル水監視システムを1カ所設置したことを明らかにした。
(ザ・スター、8月29日、ベルナマ、8月28日)

国家エネルギー移行ロードマップ第2期を発表、融資枠を設定へ

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は29日、国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)第2期を発表。融資枠である国家エネルギー移行ファシリティ(NETF)を設定し、20億リンギを割り当てると明らかにした。

アンワル首相は、エネルギー移行における最重要課題は資金調達であり、2023ー2050年に少なくとも1.2兆リンギの投資が必要であると言明。今後10年間だけでも、公共交通機関の拡大、送電網インフラの強化、人的資本の再教育などに600億ー900億リンギが必要だとし、エネルギー移行プロジェクトに資金を供給するNETFに20億リンギを割り当てることを決定したと述べた。

NETFは政府の資金投入と民間融資との混合を目的としたもので、政府投入資金の3ー4倍の資金を調達することを目指す。投資対象分野は、電気自動車(EV)バリューチェーン、水素、炭素回収・利用・貯蔵(CCUS)技術などとなる。

アンワル首相はまた、NETR第2期では、NETRの進捗状況を監視する国家エネルギー評議会を発足し、余剰電力の収益化を可能にする再生可能エネルギー取引所を2024年までに設立すると言明。ソーラーパネル、EV充電設備、バッテリー・エネルギー貯蔵など、クリーンエネルギーへの移行は、サプライチェーン全体に大きなビジネスチャンスがあるとした上でエネルギー移行は投資機会の拡大や経済の再構築にもつながるとし、NETRは、マレーシアがエネルギー移行の域内リーダーを目指す上での方針を明確にするものだとした。

ラフィジ・ラムリ経済相は、アンワル首相の発表を受け、第1回国家エネルギー評議会を10月に開催するとし、同評議会ではアンワル首相が議長を、経済省が事務局を務めると述べた。会合では、NETRの実現に向け、ハイレベルの戦略的方向性や政策を定め、各作業委員会が進捗状況の報告を行うとしている。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、8月29日)