ニシンとフードパンダ、食品配送での電動バイク利用を促進

【クアラルンプール】 調理器具メーカーのニ・シン・グループの完全子会社ニ・シンEVテック(NH EVテック)は2日、食品配送サービスのフードパンダを運営するデリバリー・ヒーロー・マレーシア(フードパンダ・マレーシア)との間で、1日付けで業務提携契約を締結したと発表した。

NH EVテックが国内販売を担当する、中国東莞市台鈴車業(TAILG)製電動二輪車(EVバイク)「イーバイソン」の利用を促進する。NH EVテックはフードパンダに「イーバイソン・ボールド」を無償で2台提供し、フードパンダの配送ドライバー数万人に対し、EVバイク購入時の割引を提供する。

NH EVテックのクー・チーコン社長は、業務提携は両社にとり、環境・社会・企業統治(ESG)推進を後押しするもので、気候変動対策では、志を同じくする企業やコングロマリットと協力するのが早道だとコメント。政府も、ICE(内燃機関)バイクからEVバイクへの移行を支援しており、税制優遇措置や充電インフラの設置も進んでいるとした。

フードパンダ・マレーシアのサヤンタン・ダス最高経営責任者(CEO)は、食品配送サービスをより持続可能で環境に優しいものにしたいとし、今回の提携により、ドライバーにEVバイク利用のインセンティブを提供でき、政府目標の「2040年までに150万台のEV導入」やICE車からの脱却にも貢献できると述べた。フードパンダでは、持続可能性への取り組みとして、配達にバイクを必要としない徒歩配送プログラムも導入している。
(エッジ、8月2日)

マジュ高速道路、3日からオープン決済の試験実施

【クアラルンプール】 アレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、クアラルンプール(KL)とKL新国際空港(KLIA)を結ぶマジュ高速道路(MEX)のプトラジャヤ料金所で3日から、6車線でオープン決済システムの試験を実施すると発表した。クレジットカードおよびデビットカードが使用できるようになる。

2日にプトラジャヤ料金所を視察したナンタ大臣は、オープン決済の試験は、今年9月までに高速道路12路線でオープン決済システムを段階的に導入するという公共事業省の取り組みに沿って実施されるとし、ドライバーはクレジットカードやデビットカードのほか、タッチ・アンド・ゴー(TNG)やスマートタグ、無線周波数識別 (RFID) もこれまで通り継続して使用できるとした。

オープン決済が利用可能になるのは、MEXの他、▽バタワース・クリム高速道路(BKE)▽SPRINT高速道路▽シャアラム高速道路(KESAS)▽ダマンサラープチョン高速道(LDP)▽SMARTトンネル▽ドゥターウル・クラン高速道路(DUKE)▽ペナン大橋(JPP)▽スンガイ・ベシ高速道路(BESRAYA)▽新パンタイ高速道路(NPE)▽アンパンークアラルンプール高架道路(AKLEH)▽ガスリー回廊高速道路(GCE)ーー の11路線で、31カ所の料金所、81車線でオープン決済が利用できるようになるという。
(エッジ、ポールタン、ザ・バイブス、8月2日)

KLセントラル駅を大規模改修へ、閣議決定

【プトラジャヤ】 アンソニー・ローク運輸相は2日、クアラルンプール(KL)のターミナル駅であるKLセントラル駅の大規模改修に関する運輸省の提案が閣議決定されたと発表した。

ローク運輸相は、KLセントラル駅の現在の受け入れ能力は約10万人だが、1日の乗降客数は20万人に達し満員状態となっているため、大規模改修が必要だと言明。改修費用は10億リンギ以上と見積もられているが、政府系建設会社マレーシアン・リソーシーズ・コープ (MRCB)が全額負担するため、政府の費用負担はないとしている。MRCBは駅の上階にコンドミニアムなどを建設することで工事費用を賄うという。

ローク運輸相は、改修工事が開始しても、KLセントラル駅に乗り入れている、首都圏軽便鉄道(LRT)やマレー鉄道(KTM)、高速電車(ETS)などの運行には影響を及ぼさないとし、KLセントラル駅は、多くの路線が乗り入れているだけでなく、クアラルンプール新国際空港(KLIA)行きの高速鉄道KLIA線の始発駅でもあるため、国内で最重要な駅だと強調した。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月3日、フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、エッジ、8月2日)

JCB、2社と提携でマレーシアでのクレジットカード利用拡大へ

【クアラルンプール】 クレジットカードのジェーシービー(JCB、本社・東京都港区)の子会社JCBインターナショナル(JCBI、本社・東京都港区)は、 ホンリョン・バンク(HLB)およびフィンテック(革新的金融技術)のソフト・スペースとの間で提携契約を締結した。JCBカードのマレーシアでの利用拡大を目指す。

3社は共同声明で、2023年の経済回復の中で観光業の回復が著しく、外国人観光客数は1,610万人、観光収入は108億9,000万米ドル(492億リンギ)に上ると見込まれており、その中でも日本からの観光客は入国者数、消費額の上位10カ国にランクインすると言明。そのため、HLBなどのクレジットカード加盟店契約会社と協力してJCBカードの利用拡大を図ると述べた。

JCBIの金子佳喜 代表取締役社長は、HLBとの提携は、マレーシアにおけるJCB利用網拡大にとり大きな前進だとコメント。日本からだけでなく、1,000万人以上のJCBカード会員を擁する東南アジア諸国連合(ASEAN)地域からマレーシアを訪れる観光客にもより良いサービスを提供できるようになったとし、今後もソフト・スペースとの協業を通じて、ASEAN地域全体への展開を強化していくと述べた。

HLBの個人金融サービス担当責任者であるアンドリュー・ジョン氏は、日本からの観光客や駐在員がマレーシアに押し寄せる中、JCBカードが利用できるようになれば、カード会員にとって利便性が向上するだけでなく、現地企業にとっても観光客を取り込み、ビジネスを成長させる新たな機会を創出でき、キャッシュレス化および加盟店の売上増加を支援することができると述べた。

JCBは、2022年1月にソフト・スペースと資本業務提携。ソフト・スペースに約500万米ドルを出資するとともにマレーシアでのJCBカード発行および加盟店獲得業務に関するライセンスを付与している。
(ザ・サン、8月3日、フィンテック・ニュース・マレーシア、デジタル・ニュース・アジア、8月2日)

日本金属マレーシア、鋼帯切断機新設で品質向上やBCP強化

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】  日本金属(本社・東京都港区)は2日、マレーシアの現地法人である日本金属(マレーシア)(本社・ジョホール州)が7月11日に、6月に新設したステンレス鋼帯切断機の稼働式を開催したと発表した。稼働式には日本金属の取締役社長である下川康志氏をはじめ、関係者約20人が参列した。

今回導入した切断機は、東南アジア諸国やインドへの拡販と品質向上、さらには同じくグループ会社である日本金属(タイ)との事業継続計画(BCP)体制強化を目的としたもの。既存の切断1号機、切断2号機の生産可能板厚をカバーし、原料の大単重化にも対応する。また、切断3号機は高精度コラムクランプ方式C型フローティングシート対応式やベクトルモーター速度制御を採用しており、既存の切断機と比べ品質が向上するほか、2軸フリクション巻取式により生産性・歩留も向上することが見込まれている。

日本金属は、電動化の進展の地域差による2024年末から2025年立ち上げのインジェクタ(ガソリン車の燃料噴射部品)用途材の受注を獲得しており、東南アジアへの集約が進むガソリン車向け内燃機関部品の拡販を目指す。また、工場自動化の流れを受け、中国・米国向けのエアシリンダーで需要が増えており、当社材のシェアアップを推進していく。そのほか、医療関連やCASE(コネクティッド・自動化・シェアリング・電動化)関連、半導体関連などの新事業アイテムの獲得にも注力していく方針だ。

道路交通局、四輪・二輪車の最新リコール情報を公表

【クアラルンプール】 道路交通局(JPJ)は、最新の四輪車および二輪車のリコール情報を発表した。対象は四輪車が、メルセデス・ベンツ、起亜自動車、フォード、二輪車がホンダとヤマハとなっている。JPJは今年4月、初めてリコールに関する調査結果を公表しており、今回で2回目の発表となった。


 メルセデス・ベンツのリコール対象モデルは、▽2021ー2022年に生産されたCクラス「C200 206」(51台)と「C300 206」(28台)▽2022年に生産されたCLAクラス「118」(11台)▽2018ー2022年に生産されたGクラス「463」(128台)▽2018ー2020年に生産されたGLE/GLSクラス「167」(36台)ーー。


起亜自動車は、2015ー2020年に生産された「ソレント」(UM)818台と、2015ー2021年に生産された「スポーテージ」(QL)313台。フォードは2021年、2022年式の「レンジャー」と「エベレスト」計7,338台が対象となっている。


二輪車はホンダが2022年7ー10月に生産された「CBF250NAP」32台、ヤマハが2022年9月 2023年3月に生産された「R25」1,165台、「MT25」1,240台となっている。


JPJは、リコールに関する連絡をしたのにも関わらず、一部の車両所有者と連絡が取れないとの報告を受けているとして、確実に連絡が取れるように認定サービスセンターやJPJに情報を更新するよう呼びかけた。
(ポールタン、8月1日)

スーパーのマイディン、全国15店舗にソーラーパネル設置へ

【ペタリンジャヤ】 スーパーマーケット「マイディン」を運営するマイディン・モハメド・ホールディングスは、全国15店舗へのソーラー・パネル設置を検討していると明らかにした。電力会社テナガ・ナショナル(TNB)の太陽光発電部門GSPARXの協力を受け、2025年までに設置を完了する予定。

環境への配慮および社会的責任や環境・社会・企業統治(ESG)の推進を目的とした同社の「マイディン・プリハティン・#フォー・フューチャー」プログラムの一環。

1日に開催された、同プログラムの立ち上げ式典に臨席したニック・ナズミ環境天然資源気候変動相は、マイディンの取り組みを称賛。持続可能な未来の実現に向けた重要な一歩であるとし、より良い未来と市場競争力を両立させるマイディンのESGを重視した取り組みが、他組織の模範になることを願っていると述べた。

マイディンのアミール・アリ・マイディン社長は、ソーラーパネル設置は「2030年までにエネルギー消費量と炭素排出量を15%削減する」という同社の目標達成に貢献するとし、マイディンではプラスチック使用量を減らすことで「2030年までに廃棄物量50%削減」も目指していると述べた。
(ザ・スター、8月2日)

サイパーク、再生エネ事業でセランゴールFCと提携

【クアラルンプール】 再生可能エネルギー(RE)のサイパーク・リソーシズは、プロサッカークラブであるセランゴールFCの投資部門、RGFCベンチャーズと合弁で特別目的会社を設立すると発表した。合弁会社の資本金や設立日時、会社名などは明らかにされていない。

サイパークがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、合弁会社にはサイパークが80%、RGFCが20%出資する。サイパークはRGFCと、先に発表された「国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)」に沿って、セランゴール州内でのRE発電所の開発、ネットメータリング(NEM、太陽光発電と消費電力を相殺する仕組み)を通じた太陽光エネルギー住宅事業などの事業機会を探るための事業探求覚書(MOBE)を締結した。

両社はまた、セランゴール州内の環境・社会・企業統治(ESG)関連のエンジニアリング調達・建設の機会を模索し、太陽光発電所、廃棄物発電所、住宅用RE設備などのプロジェクトの実施を共同で行う意向だ。
RGFCにとっては、セランゴールFCがサッカー以外の収入を得ることで財政の持続可能化を図るメリットがある。
(ザ・スター、8月2日、エッジ、8月1日、サイパーク発表資料)

独ボッシュ、ペナンに半導体のテストセンターを開所

 【ペナン=マレーシアBIZナビ】 独系ロバート・ボッシュは、半導体とセンサーのテストを行うバックエンドサイトをペナン州バトゥ・カワン工業団地に開設した。投資額は6,500万ユーロ(3億2,320万リンギ)。さらに今後10年半をかけて段階的に2億8,500万ユーロ(14億リンギ)を追加投資する計画だ。
テストセンターの床面積は1.8万平方フィートで、主に半導体の最終テストを実施する。同社は現在、半導体の最終テストを、ドイツのロイトリンゲン、中国の蘇州、ハンガリーで行っており、同センターはボッシュにとり東南アジアで最初のテスト施設となる。2030年代半ばまでに最大で400人分の雇用創出が見込まれている。

ボッシュは、ペナンにはサプライヤーや半導体企業があり、半導体のエコシステムがあること、半導体に関する高レベルの知識を持った熟練労働者がいること、ビジネスパートナーや顧客との距離が近く配送時間を短縮できることなどから投資先にペナンを選んだ。

 1日に開催された開所式に参加したペナン州のチョウ・コンヨウ首相によると、ボッシュはこれまでにペナンで、自動車エレクトロニクス、電動工具、自動車のステアリングの生産施設を開設しており、今回開所したテストセンターは、4カ所目の施設となった。

電子請求書システムを来年上半期に導入=内国歳入庁

【クアラルンプール】 内国歳入庁(IRB、LHDN)は1日、電子請求書システムを来年上半期に導入すると発表した。IRBは今年5月、「来年6月から年間売上高1億リンギ以上の企業に対して、電子請求書の導入を義務化する」と発表していた。
IRBのモハマド・ニゾム・サイリ最高責任者(CEO)は、電子請求書は、税制を合理化し、透明性の促進や正確なコンプライアンス・リスク評価を行うためのものだとし、経済統計には現れないシャドーエコノミーによる歳入漏れにも対処できるようになると述べた。

モハマド・ニゾムCEOはまた、IRBでは税務の確実性を高めるため、「税務コーポレートガバナンス・プログラム(TCG)」を導入したとし、TCGは、法人税のコンプライアンス強化に向け、税務行政と納税者の双方が、オープンかつ誠実な方法で協力する場として機能すると述べた。今年6月から約1年間実施中の「特別自主開示プログラム2.0(SVDP 2.0)」については、納税者が自発的に所得を報告できるもので、徴税額の増加よりも、新規納税者の所得申告促進に重点を置いており、納税者が国家に対する納税義務を果たし、何世代にもわたる持続可能な社会を支えることが期待されるとした

モハド・ニゾムCEOは、世界経済の先行きが不透明な中、経済の持続可能性は、国内経済が回復し、回復力を保ち、成長するための重要な柱の一つであり、歳入が持続可能でなかったら、国を危機から脱却させることは不可能に近く、特に現在の不安定な環境下では、政府が経済成長と国家発展を税収に依存している以上、税金の必要性はいくら強調しても足りないと述べた。
(ザ・サン電子版、ベルナマ通信、8月1日)