星ストアハブ、セルフストレージ施設を8カ所オープンへ

【クアラルンプール】 シンガポールのセルフストレージ・サービス大手のストアハブは、向こう2年間でセルフストレージ施設をマレーシアに8カ所オープンする計画だ。

24日にはマレーシアで4カ所目となるセルフストレージ施設「ストアハブ・オールド・クラン・ロード」をクアラルンプール(KL)のプチョンにオープンした。これによりマレーシアにおけるストレージユニット数は1,000ユニットを超え、総床面積は8万5,000平方フィートに達している。

デビット・チン最高投資責任者によると、首都圏クランバレー、ペナン州、ジョホール州南部を含む地域での開設を計画している。ストアハブが提供するストレージの広さは10ー400平方フィート以上で、月額料金は95.50リンギからとなっている。

同社グループは、事業拡大の一環として、マレーシアのセルフストレージ企業であるフレキシ・ストレージの過半数株を取得し、フレキシ・ストレージの施設を「ストアハブ・ストレージ・マレーシア」に変更している。

ストアハブはシンガポールで18カ所の施設を運営しており、日本や豪州、中国、香港、韓国、タイなどの15都市に進出している。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月25日、ベルナマ通信、8月24日)

議員航空機事故死のパハン州補選、10月7日に投開票

【プトラジャヤ】 選挙委員会(EC)は24日、先の航空機事故でジョハリ・ハルン議員が死去したパハン州議会ペランガイ選挙区の補欠選挙の日程を発表。公示日を9月23日、期日前投票日を10月3日、投開票日を10月7日とすると明らかにした。

ジョハリ議員(享年53)は8月17日、乗っていた小型ジェット機がセランゴール州シャアラムのエルミナウェスト・タウンシップの道路に墜落して、他の乗客乗員7人と走行中の自動車、オートバイの運転者2人と共に死亡した。事故原因についてはまだ明らかになっていない。

2022年11月に行われた州議会選挙では4人の争いとなったが、国民戦線(BN)所属のジョハリ氏が得票率57.71%で、与党連合・希望同盟(PH)及び野党連合・国民同盟(PN)候補らを破って当選していた。ジョハリ氏は同州地方自治・住宅・環境・グリーン技術委員会の議長(国政の閣僚に相当)を務めていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月25日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、8月24日)

日本工営、KLで交通課題解決に向けたMaaS実証事業を実施へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ID&Eホールディングス(本社・東京都千代田区)傘下の日本工営(本社・東京都千代田区)は、「日ASEAN(東南アジア諸国連合)におけるアジアDX促進事業第4回公募」(事務局・日本貿易振興機構)で、自社事業が採択されたと発表した。

鉄道システムのエンジニアリング・コンサルタントである、グループ企業ASAPモビリティ(本社・セランゴール州シャアラム)を協働先とし、「クアラルンプールにおける端末交通と公共交通との統合による MaaS実証事業」を2023年9月から2024年8月に実施する。

公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアが推進する「公共交通の統合による利便性向上」を最終的な目標とし、オンデマンド交通の統合による効果を検証するほか、公共交通の統合に向けたデータ連携基盤(MaaSプラットフォーム)の要件を検討する。具体的には、▽オンデマンド交通と既存公共交通とを統合したデジタル乗車券の発行▽公共交通に加え、オンデマンド交通を追加したルート検索サービスの提供▽公共交通の利用実態等のデータを集約した運行最適化ダッシュボードの構築ーーを行う。

日本工営では、これまでにもインドネシアやシンガポールなどの地域において、MaaS技術を取り入れた交通課題への新事業の検討・提案を行ってきており、本実証で得た知見を活用することで公共交通機関の利用者を拡大するソリューション提供を実現し、クアラルンプールにおける交通渋滞の緩和をはじめとする交通課題解決を目指す方針だ。

コンビニ最大手のセブンイレブン、生鮮食料品を充実

【ペタリンジャヤ】 コンビニエンスストア最大手のセブン・イレブン・マレーシアは、提供する生鮮食料品を充実させるため、フランチャイザーのセブン・イレブン・インターナショナル(7IN)と戦略的提携を結ぶと発表した。セブン・イレブン・マレーシアはベルジャヤ・コーポレーションが所有しており、7INから地域独占販売権を与えられ店舗を展開している。

セブン・イレブン・マレーシアは7INから技術・知見の供与を受け、生鮮食料品の生産、配送拠点となる施設を建設する。

セブン・イレブン・マレーシアはまた、日本のフジフーズ(本社・千葉市)とも提携し、革新的な機器の導入、品質の改善、新商品開発のための研究・開発の強化、環境への負荷軽減などで協力を得る。

フジフーズは食品加工会社で、セブン・イレブンに納入するおにぎり、サンドイッチ、弁当などを製造している。

新施設は11月に稼働の予定で、セブン・イレブン・マレーシアは新商品を年内にも投入する。

セブン・イレブン・マレーシアのタン・ウーミン共同最高経営責任者は「最善と思われる業務慣行を取り入れ、生産業務を最適化する」と述べた。
(ザ・サン、8月25日)

三井不動産、マレーシアで物流施設事業に参画

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三井不動産(本社・東京都中央区) は24日、マレーシア三井不動産(本社・クアラルンプール)を通じて、現地物流会社であるPKTロジスティクス・グループと共同事業契約書を締結し、ケダ州クリムにおける物流施設事業「クリム・ロジスティクス・ハブ」への参画を決定したと発表した。

同事業はPKT社とマレーシア三井不動産との合弁会社クリム・ロジスティクス・ハブを通じて推進する。同事業は、三井不動産グループ初のマレーシアにおける物流施設事業となる。

「クリム・ロジスティクス・ハブ」は、2棟で構成され、延床面積は約3万6,000平方メートルとなる。第1期では平屋建て・鉄骨造の物流施設を1棟建設する。面積は約2万2,000平方メートルで、2023年9月の竣工を予定している。第2期は約1万4,000平方メートルで、2024年以降に着工する予定だ。

東南アジアにおける物流施設事業は、タイ・バンコク近郊における海外第1号物件に続き、マレーシアが2カ国目の事業展開となる。三井不動産はマレーシアにおいて、これまで分譲住宅事業、賃貸住宅事業および商業施設事業を推進しており、今後も更なる事業拡大を目指していく方針だ。

経営難にある碧桂園のジョホール開発事業、とん挫の可能性

【クアラルンプール】中国の不動産開発大手、碧桂園の経営難が報じられており、マレーシア子会社のカントリー・ガーデン・パシフィックビュー(CGPV)がジョホール州で手掛ける3件の住宅開発事業が途中挫折する可能性が出てきた。

碧桂園は8月6日に期限を迎えた約33億円相当の社債の利払いを履行できなかった。30日間の猶予期間内に支払わなければデフォルトになる。8月10日には1ー6月期の純損益が450億ー550億元(1元=20円)の赤字になる見通しも示した。

CGPVはフォーレスト・シティー、ダンガ・ベイなど3件の集合住宅を建設中だが、碧桂園は海外事業を処分する動きに出ており、シンガポールのテレビ局チャンネル・ニュース・アジアがジョホール州の不動産関係者の話として報じたところによると、建設が停止される可能性がある。

フォーレスト・シティーでは一部で入居が始まったが、ゴーストタウン化しており、住宅所有者によれば、住宅価値は70万リンギから40万リンギに下がった。ダガン・ベイの物件も売り出し時より50ー60%値下がりしたという。

ダガン・ベイでは住宅購入者の区分所有権登録が円滑に行われておらず、碧桂園が破たんした場合、購入者は所有者であることを示す証拠の提出という余分な手間が必要になりそうだ。
(マレー・メイル、8月23日)

イポーのイオンモールに爆破予告、38歳の男を逮捕

【イポー=マレーシアBIZナビ】 ペラ州にある「イオンモール・イオン・クレバン店」で23日午後、爆破予告電話を受けて従業員と顧客が一時避難する騒ぎがあった。同店は同日の残りの営業を中止したが、安全が確認されたとして翌24日午前10時から営業を再開した。

イオンモールの従業員が爆破予告の電話を受けたことから、23日午後4時50分ごろ警察に通報した。午後5時半に従業員と客に対して建物から避難するよう命令が出され、王立マレーシア警察(PDRM)ペラ州警察本部の爆弾処理班や消防レスキュー局による爆発物の捜索が行われた。結局、不審物は見つからず、同日午後10時半に避難命令は解除された。

警察はこれと並行して脅迫電話に関する捜査を進め、23日午後9時半に同州タセクに住む38歳の男を逮捕し、犯行時に使用したと思われる通信デバイスも押収した。有罪となった場合は7年の禁固刑が課せられるという。

日本から活魚の輸入はないと確認、処理水放出で=副農業相

【クアラルンプール】 チャン・フーンヒン副農業食糧安全相は24日、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が24日より開始されたことを受け、マレーシア漁業局は現在、日本から活魚を輸入していないことを確認したと述べた。

チャン氏は自身のフェイスブックで、日本からの輸入水産物の安全性を確保するため、農業食糧安全省は状況を積極的に監視していると説明。保健省や検疫検査サービス局(MAQIS)、漁業開発局などの関連機関と緊密に連携し、健康証明書のチェックや輸入後の放射能検査など、食品安全問題のレベルを注意深く監視しているとし、国民に冷静さを保つよう促した。

国際原子力機関(IAEA)や国連の原子力監視団は7月、処理水の海洋放出計画は国際基準を満たしており、人々や環境への潜在的な影響は無視できるレベルだとして承認している。
(マレー・メイル、8月24日)

日本からの一部輸入食品に厳しい検査措置、処理水放出受け

【クアラルンプール】 福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が24日より開始されることを受け、マレーシア保健省は23日、日本からの輸入食品のうちリスクが高いと考えられるものに対し、入国地点で放射性物質に関するレベル4(監視)の検査を行うと発表した。

ムハンマド・ラジ事務次官は、保健省のデータによると、2022年1月から2023年6月までの日本からの輸入品で最も多かったのは魚介類・水産加工品で、次いで果物、野菜、加工食品、飲料が続き、総額8億8,011万5,437リンギ相当にのぼったと述べた。保健省は消費者の懸念を考慮し、食品の安全性が保証されるよう、入国時や地元市場での監視を常に行っていくとしている。

ムハンマド・ラジ氏によると、2011年の福島第一原子力発電所事故後の2011年5月から2012年4月にも同省の食品安全品質課が日本からの輸入食品のモニタリングを実施。また、2019年にも特別モニタリングプログラムを実施し合計102検体を分析したが、全検体で規定値を超えていないことが確認されたという。

処理水の放出計画については、マレーシア中華大会堂総会(華総)のTC・ゴー会長が先ごろ、「安全基準に則っているとする日本政府の主張は疑わしい」として反対を表明した上で、華総として放出計画に反対する国際社会と連携するようマレーシア政府に要請すると述べていた。
(ザ・スター、8月24日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、8月23日)

サイムダービーがUMWの買収を計画、トヨタ事業を傘下に

【シンガポール】 多角経営のサイム・ダービーは24日、政府系ファンドのペルモダル・ナショナル(PNB)からUMWホールディングスの株式61.2%を買収し、UMW傘下のUMWトヨタ・モーターとダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)を傘下に収める計画を明らかにした。

サイム・ダービーは同日、PNBとの間で条件付き株式購入契約(SPA)を締結しており、11月の臨時総会で株主の同意を得る予定だ。2024年2月までの買収完了を目指す。買収額は35億7,000万リンギ。買収資金は銀行からの借入金と内部資金で賄う。買収条件が解除されれば、UMWの上場を廃止し、UMWの残余株38.8%の公開買い付け(GO)を行う考えだ。

サイム・ダービー・グループのジェフリ・サリム・デビッドソン最高経営責任者(CEO)によると、サイム・ダービーは、自動車事業子会社のサイム・ダービー・モーターズを通じて高級車ブランドのBMW、ロールスロイス、ポルシェを取り扱っており、買収が実現すれば取り扱い車種のポートフォリオが拡大し、同グループが国内シェアの60%を掌握することになる。UMWはすでに52%の国内シェアを獲得しており、買収によって55%に拡大すると期待されるという。

またサイム・ダービーの自動車事業の収益バランスはマレーシア、中国、豪州で現在15対37対35となっているが、これがUMW買収によって均等になるため、サイムは地政学的なリスク・ヘッジになると期待している。

ジェフリCEOは、買収完了後もPNBがサイム・ダービーの筆頭株主であるため、資本比率の観点からブミプトラ(マレー人と先住民の総称)の出資基準は維持されると指摘。さらにトヨタとプロドゥアのベンダーとサプライヤーのエコシステムも維持されると述べた。

これに先立ちロイターは、PNBがサイム・ダービー・モーターズとプロドゥアの合併について検討していると報道。両社の合併が実現すれば100億リンギ規模の巨大自動車メーカーが誕生すると伝えていた。

サイム・ダービー・モーターズは最近、中国・比亜迪汽車(BYD)の電気自動車(EV)販売独占契約を締結したほか、子会社であるイノコムが中国・奇瑞汽車(チェリー自動車)の現地組立を開始していた。
(ベルナマ通信、ロイター、ザ・スター、エッジ、8月24日)