購入品の炭素排出量を測定するクレカ、メイバンクが提供開始

【クアラルンプール】 銀行最大手のマラヤン・バンキング(メイバンク)は16日、利用者の二酸化炭素排出を測定するクレジットカード「マイインパクト」の提供を開始すると発表した。カードで購入した商品の二酸化炭素排出を商品の詳細データから計算する機能を盛り込んだカードで、東南アジア初だという。

カイルサレー・ラムリ社長は、環境保全に関心を持つ人の利用を想定しており、年内に2万枚の発行を計画していると述べた。

カード本体は食用に適さないトウモロコシを原料にしている。管理手数料はゼロで、延滞料金も課さない。顧客に持続可能性に対する意識を高めてもらうのがカード発行の狙い。

カード所持者は炭素排出を相殺するための森林再生イニシアチブに参加、または寄付を行うことができる。イニシアチブには、マレーシア緑化計画、インドネシア領カリマンタンにおける泥炭・森林保全計画が含まれる。

カイルサレー氏はまた、2020年以降、メイバンクが行った「持続可能な社会と地球を実現するための金融(サステナブルファイナンス)」の累積貸付額は400億リンギ近くになったと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、ザ・スター、8月17日)

タイのミルクティー店「チャトラムー」、年内に8店舗以上開設へ

【クアラルンプール】 スペイン発のフローズンヨーグルト専門店「ラオラオ」をマレーシアで展開するウッドペッカーズ・グループは、タイの老舗ミルクティー店「チャトラムー」を年内に国内で8ー10店舗オープンする計画を明らかにした。

ウッドペッカーズは、チャトラムーを運営するタイ企業チャ・タイ・インターナショナル・カンパニーとの間で、マレーシアにおける20年間の独占フランチャイズ契約を締結している。

ウッドペッカーズのブランドオペレーション・マネジャーであるリッキー・ジャンドラ氏は、年内に8ー10店舗、来年第1四半期にはさらに5店舗をオープンし、その後、四半期ごとに最大9店舗を開設することで、来年末には約40店舗にする計画で、店舗物件探しに着手していると述べた。マレーシアでも、チャトラムー向けに独自に生産されたタイの茶葉のみを使用し、タイと同じ味を出すとしている。

チャ・タイ・インターナショナルのスリスポーン・チャトゥロンカバニチ社長は、チャトラムーは1945年に創業したタイ紅茶の老舗であり、ウッドペッカーズがマレーシアに本格的なタイ紅茶をもたらし、ブランドを大きく成長させることを確信していると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、8月16日、マーケティング・インタラクティブ、8月15日)

ジャパンエキスポマレーシア2023、18-20日にKLで開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアで最大級のオールジャパンイベント「ジャパンエキスポマレーシア2023」が8月18ー20日の3日間、クアラルンプール郊外のショッピングモール「パビリオン・ブキジャリル」で開催される。

新型コロナウイルス「Covid-19」感染症拡大の影響を受け2021ー2022年の開催が休止されたため、3年ぶりの開催となる。第5回となる今回は、日本ASEAN(東南アジア諸国連合)友好協力50周年記念事業にも認定された。主催はタイで同様のイベントを運営するジーユークリエイティヴ。

櫻坂46、バリスティック・ボーイズ・フロム・エグザイル・トライブ、サイキック・フィーバー・フロム・エグザイル・トライブなどの日本のアーティストが来馬しライブを開催。その他、カルチャーパフォーマンス、食、旅行、アニメ、コスプレ、ヘルス・ウェルネス、教育など、幅広い分野のイベントをゾーンごとに実施し、岐阜県やグロービス経営大学院などもブースを出展する。18日のオープニングセレモニーには、在マレーシア日本大使館の髙橋克彦大使やマレーシア政府観光局(ツーリズム・マレーシア)のアンマル・アブドル・ガパー局長も出席する。

日本は地政学的問題でASEANとの関係をさらに強化=髙橋大使

【クアラルンプール】 在マレーシア日本大使館の髙橋克彦大使は、世界が直面している地政学的な問題に対処するため、日本は東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係をさらに強化していると述べた。

16日に開催された日ASEAN友好協力50周年に関するフォーラムの基調講演で髙橋大使は、ASEANのアジア太平洋・インド洋地域への関与の指針となる「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」は、域内での平和を維持し強化するために、他の全てのASEANパートナー国や日本の支援を受けて主流となるべきだと言明。日本はASEANの中心性を尊重し、今後もASEAN諸国との協力を継続していくと述べた。

マレーシアとの関係について、髙橋大使は、今後もルックイースト(東方)政策を継続し、両国により大きな利益を提供できるよう対象範囲を広げていきたいと表明。日本とマレーシアの関係は、もはや寄贈国と受贈国ではなく、お互いに補い合い、地球規模の問題に共に取り組む戦略的パートナーとなっていると言明。日本もマレーシアから学ぶ必要があり、特に多民族国家として社会的な安定を維持する点については学ぶことがあると述べた。

日本とマレーシアは2015年、両国関係を「戦略的パートナーシップ」に格上げした。昨年10月には「包括的戦略的パートナーシップ」に格上げすることを目指して、協力することで合意している。
(ベルナマ通信、8月16日)

MUFGバンク、サイムダービーに初のイスラムグリーン融資

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三菱UFJ銀行の現地法人MUFGバンク(マレーシア)は16日、サイム・ダービーの自動車販売・組立部門、サイム・ダービー・モーターズ(SDM)に対し、イスラム・グリーントレード融資を完了したと発表した。

MUFGバンクにとり初のイスラム・グリーントレード融資であり、SDMにとっても初のサステナブルファイナンス(持続可能な社会を構築するための金融)となる。SDMは総額5,000万米ドルの融資を受け、電気自動車(EV)やその部品、その他グリーン関連の運転資金に充てる。

SDMのアンドリュー・バシャム社長は、今回の融資は、持続可能なイノベーションやテクノロジーを推進することで持続可能な関係構築を目指すというSDMの取り組みを反映したもので、持続可能な未来の実現に向けた本質的な支援となると述べた。

MUFGのアジア太平洋地域環境・社会・企業統治(ESG)ファイナンス担当責任者であるコリン・チェン氏は、MUFGは、アジア全域で公正かつ公平な移行を実現するため、さまざまな分野で革新的なサステナブルファイナンス・ソリューションを開発することに重点を置いており、今回のSDMとの提携はこの取り組みを強化するものだと述べた。

サバ州BMWディーラー、州内初の公共EV充電施設を開設

【コタキナバル】 サバ州で唯一の独BMW車ディーラーであるリージャス・プレミアム・サバは、州内初となる公共電気自動車(EV)充電施設を開設したと発表した。

EV充電サービス「ジョムチャージ」の協力の下、コタキナバルのショッピングモール「T1ブンドゥサン」の地下駐車場に11キロワット(kW)のAC充電器2基を設置した。毎日24時間一般に開放され、標準料金は1時間あたり6リンギ。

BMWグループ・マレーシアのハンス・デ・ヴィッサー社長は、今回の充電施設の開設は、コタキナバルのBMW顧客やEV所有者の利便性向上に向けた第一歩だとし、サバ州でのEV普及を促進できると述べた。

リージャス・プレミアム・サバのタン・ヨーツウ社長は、サバ州で環境に配慮した選択が当たり前になることを目指しているとし、EV充電施設の開設は、EVの普及促進に加え、持続可能な交通手段を促進する政府の取り組みにも合致しているとコメント。今後もタワウなど、州内のあらゆる場所で利用しやすい充電インフラを提供し、より多くの人々が自信を持ってEVを所有できるようにしたいと述べた。

BMWグループ・マレーシアは、充電施設1,000カ所以上をネットワーク化しており、ジョムチャージとの提携で100カ所以上、ジェンタリとの提携で150カ所以上の充電施設が利用可能となっている。シェル・リチャージ・ウィズ・パークイージー、チャージアンドゴー、チャージシニ、ゴートゥーユー、フレキシパーキングなどとも新しく提携し、合計約160カ所の充電設備を利用できるようにした。
(ザ・サン、ポールタン、8月16日)

KLの不動産賃貸活動、第2四半期に回復=ナイトフランク

【クアラルンプール 】 不動産コンサルの英ナイト・フランク・マレーシアによると、クアラルンプール(KL)の不動産賃貸活動は、ポスト新型コロナの需要拡大を受けて今年第2四半期に回復した。

オフィス戦略・ソリューション部門のエグゼクティブディレクターであるテー・ヨンキエン氏によると、商業オフィス市場は力強く、ビジネス環境が安定を続ける中で、市場活動が活発化している。成長している企業が拡張の機会を模索しており、入居しているオフィス・スペースをより高品質なものにアップグレードするため、テナント市場を活用しており、問い合わせが増えている。また、環境・社会・企業統治(ESG)への取り組みを重視する動きが広がっていることもオフィスの質をアップグレードする動きにつながっており、物件所有者も要件を満たす物件を増やそうとポートフォリオを強化しているという。

財務省傘下の国家不動産情報センター(Napic)によると、オフィスの入居率は2021年の78.9%から2022年は78.5%にダウンした。民間のオフィスビルの入居率も72.3%から72.1%に低下。州・地域別では、ペナンが80.9%と高かったが、KLは72.1%、セランゴール州は67.3%、ジョホール州は59.1%となり、平均を下回った。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月15日)

マレーシア人訪日者数、7月も大幅増の1万7400人

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年7月の訪日者数統計(推計値)によると、マレーシアからの訪日者数は1万7,400人となり、前年同月比で10.8倍となったが、前月比では20.9%減となった。

JNTOによると、日本の水際規制緩和の影響等もあり、訪日外客数は大幅に増加した。また、2019年同月比ではマイナス24.2%となった。クアラルンプールー関西空港間の増便などもあり、日本への直行便数は前年同月に比べ回復傾向にある。
1ー7月では21万1,600人となり、前年同期比で33.3倍となったものの、2019年比では18.9%減となった。

7月の世界全体の訪日者数は、前年同月から16.1倍の232万600人となったが、2019年同月からは22.4%減となった。年初7カ月では1,303万2,900人となり、前年同期比20.0倍、2019年比マイナス33.6%となった。

JNTOは、新たな観光立国推進基本計画等を踏まえ、観光立国の復活に向けて、観光地・ 観光産業について持続可能な形で「稼ぐ力」を高めるとともに、地方誘客や消費拡大を促進しつつ、インバウンドのV字回復を図る必要があると指摘。国内関係者が連携し、海外旅行会社等へのセールス強化や情報発信を通じた高付加価値旅行、アドベンチャートラベルの推進、ミーティング、報奨旅行、国際会議、展示会(MICE)誘致等の取組を強化していくことが求められるとした。

リンギ相場、選挙結果より中国の利下げが影響大

【ペタリンジャヤ】 州議会選挙では野党連合が議席を増やした結果、投資家は政治リスクを考え直す可能性があるが、リンギ相場への影響は軽微で、中国人民銀行(中央銀行)の15日の利下げの方が影響は大きいとエコノミストはみている。

SPIアセット・マネジメントのスティーブン・イネス業務執行社員は、マレーシアには政治面の動乱の予兆が偏在しており、外国からの投資に悪影響を与えていると述べた。

中国経済の不振に触れ、人民元は値下がりが予想されるため、マレーシアの輸出業者は手持ちの米ドルを手放さず、いざという時に備えると指摘。リンギ相場に影響すると述べた。

社会経済研究センター(SERC)のリー・ヘングイエ専務理事は、州議会選挙の結果はリンギ相場にいくらか影響するが、中国経済の動向、利下げの方が影響は大きいとした。

バンク・ムアマラットのアフザニザム主任エコノミストは、州議会選挙の投票率が前回より低かったことを指摘。国民は政治の安定、経済政策の円滑な実行を望んでいると述べた。

一方TA証券は、対米ドルでリンギは値上がりするとし、その根拠として、米国の利上げが終了する見通しであること、原油価格の上昇などを挙げた。
(ザ・スター、8月16日)

東京海上の東南アジア資産、第一生命と日本生命が買収を検討

【クアラルンプール】 東京海上ホールディングスは東南アジアの生命保険事業の売却を検討しており、第一生命ホールディングスや日本生命保険が買収を検討している。ブルームバーグが消息筋の情報として報じた。

第一生命と日本生命は、金融アドバイザーと協力し、東京海上のマレーシア、インドネシア、シンガポール、タイでの事業を含む東南アジア資産に対する拘束力のない買収案を検討している。他の保険会社は一部市場の買収について興味を示しているが、東京海上は東南アジア資産をパッケージとして売却することを希望しているという。消息筋は、拘束力を持たない買収案は今後数週間以内に示される方向だとしているが、第一生命、日本生命、東京海上の代表者はブルームバーグの取材に対し、コメントを控えている。

ブルームバーグは4月に、東京海上が東南アジア生保事業(評価額約10億ドル)の売却に関する関心を探っていると報じていた。

東京海上は1879年に日本初の損害保険会社として設立。翌年にはロンドン、パリ、ニューヨークで元受保険の営業を開始した。現在では生命保険と損害保険の両方を提供し、日本以外の46カ国でも事業を展開している。国際事業が利益の54%を占めている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ブルームバーグ、8月15日)