バティックエア、8月15日よりサウジのジェッダ線を運航

【クアラルンプール】 航空会社バティック・エア(旧称・マリンド・エア)は、8月15日付けで、クアラルンプール(KL)ージェッダ(キング・アブドゥルアジズ国際空港、JED)線を運航する。

8月中は火・土曜の週2往復だが、9ー10月は日・火・水・木・土曜の週5往復、11月以降は毎日運航となる。スケジュールは、「OD705」はKL発が18時5分、JED着が21時55分。「OD706」はJED発23時25分、KL着が翌13時30分。使用機材はエアバス「A330」型機。

往復料金はエコノミークラスで2,289リンギから、ビジネスクラスで5,999リンギから。無料受託手荷物はエコノミークラスで30キログラム(kg)、ビジネスクラスで40kgまで。ミールサービスも付属する。

バティック・エアは声明で、KLーJED線は自社にとり重要な幹線路線のひとつで、サウジアラビア政府観光局と協力し、この路線をさらに発展させることを目指しているとした。中東からのペナン、ランカウイ、クチン、コタキナバルなどへのホリデーシーズンの旅行客増加を見込んでいるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、8月5日、バティック・エア発表資料)

ペラ州で恐竜公園、来年半ばにオープン

【イポー】 ペラ州のキンタバレー・ジオパークで、同州初の恐竜公園が来年半ばにオープンする予定だ。恐竜公園の建設に向けて、イポー市のルマイジ・バハリン市長とぺベク社のノラリ・ノルディン会長が4日に覚書を締結した。

ルマイジ市長によると、来年の「ビジット・ペラ・イヤー」(マレーシア観光年)に合わせてオープンする。恐竜公園は、グヌン・ラン・レクリエーション公園内の2.43ヘクタールの土地で開発する。第1期ではアニマトロニクスを含めて約30体の恐竜の像が設置される。その他、学習センターやお土産店も建設される予定だ。第2期は、第1期の開始から約1年後に開始する。3Dもしくは4Dシアターや水遊び場などを建設することを計画している。

ルマイジ市長は、グヌン・ラン・レクリエーション公園は、月2万から3万人が訪れる人気の公園となっているとした上で、ジオパーク内に初めて設立される恐竜公園となることから、来訪者数は3倍になると期待していると述べた。

マレーシア国内には現在、ペナン州、パハン州ゲンティン・ハイランド、クアラルンプール、クアンタン州、マラッカ州、サバ州6カ所に恐竜公園がある。
(ザ・スター、8月7日)

 

国内最大のサファリパーク、マラッカで開発へ

【マラッカ】 マレーシアで最大のオープン・コンセプトを採用したサファリパークが、マラッカ州で開発される。面積は20.2ヘクタールになる予定だ。

マラッカ州の住宅・地方自治体・排水・気候変動・災害管理委員会のライス・ヤシン委員長は、これまでサファリパークの開発に関心を寄せる複数の団体から数件の提案書を受け取っていると言明。タイやインドネシアなど海外のサファリパークに匹敵するような魅力的なサファリパークとする計画で、州政府は、ハン・トゥア・ジャヤ地区議会やマラッカ動物園を通じて、野生生物・国立公園局や民間団体と協力すると明らかにした。

ライス委員長によると、アイル・ケロー植物園もしくはマラッカ動物園によって開発される予定だ。総工費は後日公表する。すでにハン・トゥア・ジャヤ地区議会は予備計画を提示してきており、今後調査を実施し、来年には始動できるようにする予定だ。
(マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、8月5日)

CIMBバンク、プトラジャヤに初の環境配慮支店を開設

【クアラルンプール】 金融大手のCIMBバンクおよびCIMBイスラミック・バンク は、プトラジャヤのIOIリゾートシティにあるIOIシティ・タワーズに、同行として初の試みとなる、環境と社会的包摂への配慮を設計と運営にシームレスに組み込んだ支店を開設した。

環境に配慮した建造物評価「グリーン・ビルディング・インデックス(GBI)」に準拠したビル内にオープンしたもので、「持続可能な金融」という目標の下、環境・社会・企業統治(ESG)に取り組み、グリーン住宅融資、電気自動車(EV)融資、太陽光発電システム融資、ESG金融商品、B40(下から40%の低所得者層)向け融資、環境に配慮した預金などを扱う。CIMBは、持続可能な金融商品一式を提供する国内初の銀行として、顧客が持続可能な取り組みをより容易かつやりがいのある形で導入できるよう尽力しているという。

CIMBの消費者金融・デジタルバンキング部門のエフェンディ・シャフル最高経営責任者(CEO)は、銀行業務とは、単に商品やサービスを提供するだけでなく、顧客の要望を先取りし、あらゆる接点で最高の体験を提供することだとし、CIMBでは、社会のすべての人々が、金融サービスをシームレスかつ便利に利用できるようにするため、アクセシビリティを向上させ、支店網のデジタル化や機能強化を継続していくと述べた。
(ザ・サン、ザ・スター電子版、8月7日)

サラワク州政府、電子居住権「e-レジデント」制度の導入を検討

【クチン】 サラワク州政府は、州内産業に必要な外国人専門家の利便性を向上させるため、外国人に電子居住権を提供する「e-レジデント」制度を導入する計画だ。
アバン・ジョハリ州首相は、「e-レジデント」の先行導入国であるエストニアに研究チームを派遣したとし、サラワクへの導入モデルが完成したら、州議会に提出し承認を得るつもりだと述べた。制度導入後の申請審査については、州内産業界や各国の大使館などと協力の上行うとしている。

アバン州首相は、「e-レジデント」は国内では新しい試みだが、エストニアをはじめ10カ国以上が企業誘致のため導入を行っていると強調。外国人がサラワクでビジネスを行おうとした場合、現状では各種手続きのために短期滞在を頻繁に行う必要があるが、「e-レジデント」制度により、オンラインで手続きを可能にすることで物理的に入国する回数を減らし、入国する場合にも手続を簡略化できると述べた。

「e-レジデント」制度はその国の実際の居住権を提供するものではなく、会社登記、銀行口座開設、納税、ビジネスサービスの利用手続きをオンラインで行えるようにするもの。エストニアが2014年に開始し、ポルトガル、アゼルバイジャン、リトアニア、南アフリカなどでも導入されている。
(ベルナマ通信、8月4日)

マレーシアには回復力、世銀がコロナ後の調査報告書

【クアラルンプール】 世界銀行マレーシア事務所はこのほど、新型コロナウイルス禍が経済に与えた影響と政策面の対応に関する報告書を公表。マレーシアの回復力は顕著との分析を示した。世銀は、カンボジア、インドネシア、モンゴル、フィリピン、ベトナムでも同様の調査を行った。

カントリーマネジャーの松田康彦氏によると、コロナ禍で雇用、家計所得が減少したが、マクロレベルではほかの5カ国より影響が少なかった。しかし中小零細企業と比較的貧しい世帯は受けた影響が大きく、政府支援の利用度も低かった。デジタルデバイドが問題だという。

松田氏は「危機がデジタル技術の採用を促した。政府、企業は将来の危機に備え、回復力、効率を高めるため、デジタルインフラ、リモート作業能力に投資するのが望ましい」とした。

リリン・サルワ・プルナマサリ上級エコノミストは、マレーシア経済がコロナ禍以前より成長したことを指摘。6カ国のうち最も裕福としつつも「ジニ係数は先進国を目指す国としては高い」と所得格差が問題だと指摘し、「貧困、不公平の削減が課題だ。政府は公平な回復を優先すべき」とした。

労働関連では労働者の再教育、技能引き上げが労働者の自助に役立ち、長期的に好ましい結果をもたらすとした。
(ザ・サン、8月4日、エッジ、8月3日)

サンウェイの不動産部門、セランゴール州ラワンで工業団地開発へ

【クアラルンプール】 サンウェイの不動産部門サンウェイ・プロパティーは2日、完全子会社サンウェイ・ラワン・シティ(SRCSB)を通じ、カウサー・エクイティーズからセランゴール州ラワンのクアンにある245エーカーの区画を1億1,500万リンギで取得する売買契約を締結した。工業団地の開発を目指す。

サンウェイの完全子会社サンウェイ・シティとアマル・リソーシズが土地取得・開発を担当する。両社はSRCSBを合弁会社(JV)とする契約を同日締結している。

工業団地は、工場、倉庫、商業施設で構成され、最先端インフラや堅牢なインターネット接続、持続可能な機能を統合したエコシステムの確立を目指す。推定総開発価値(GDV)は20億リンギ以上。クアラルンプール(KL)ークアラ・セランゴール高速道路(LATAR)に隣接し、KL中心部から車で35分、クアラルンプール国際空港やクラン港からも1時間以内の距離にあり、既存のクアン工業地区やラワン工業団地を補完できるという。

サンウェイ・プロパティのサレナ・チア社長は、今回の土地買収は、テクノロジー、持続可能性、イノベーションを統合し、未来志向の工業団地を開発することを目的としているとし、「デジタル時代における企業の進化するニーズに対応しながら産業部門におけるイノベーション、テクノロジー、持続可能な開発を推進する」という自社の取り組みにも沿っていると述べた。工業団地の開発により、イノベーション、経済成長、雇用創出、投資誘致に貢献したいとしている。
(ザ・サン、ザ・スター、8月4日、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、8月3日)

 

独インフィニオン、パワー半導体増産に向けクリム工場を再拡張

【クアラルンプール】 半導体大手の独インフィニオン・テクノロジーズは3日、パワー半導体製造能力増強に向け、ケダ州クリムで操業している同社工場を大幅に拡張し、世界最大規模の直径200mm炭化ケイ素 (SiC)ウエハー(基板)生産施設を増設すると発表した。

同社は2022年2月に20億ユーロ(95億リンギ)を投じ、クリム工場の第3モジュールを増設すると発表していた。第3モジュール第2期として、今後5年間に最大50億ユーロ(249億リンギ)を追加投資する。

200mmSiCへの転換により、オーストリアのフィラッハ工場と合わせ、10年以内に年間約70億ユーロの売上を見込んでいる。インフィ二オンが掲げる、「10年以内にSiC市場シェア30%を獲得」という目標にも貢献できるという。

インフィニオンのヨッヘン・ハネベック最高経営責任者(CEO)は、SiCウエハーは、自動車だけでなく、太陽光発電、エネルギー貯蔵、電気自動車(EV)急速充電器などにも幅広く用いられており、クリム工場の拡張により、市場のリーダーとしての地位を確立できると述べた。

アンワル・イブラヒム首相は声明で、インフィニオンをはじめとするドイツ老舗企業のマレーシアへの継続的な投資は、包括性と持続可能性を前提とした、新経済成長計画に対する信頼の証であると述べた。

インフィ二オンの今年第3四半期の売上高は、前年同期比13%増の40億9,000万ユーロ(44億7,000万ドル)。今年通年での投資額は、約30億ユーロ(149億リンギ)を見込んでいる。
(ザ・スター、8月4日、フリー・マレーシア・トゥデー、ロイター、ベルナマ通信、8月3日、インフィニオン発表資料)

下半期の企業収益はさらに改善、楽天トレードが予想

【クアラルンプール】 楽天トレードのトン・パクレン副社長(エクイティリサーチ担当)によると、企業収益は今年下半期にさらに改善する見通しだ。

上半期の企業収益は前年同期比推定6ー7%増加したが、下半期は11-12%の増加が見込めるという。昨年通年では10%減となったが、今年通年では9.3ー9.5%増と予想している。

評価減の戻し入れを行う企業が増えると予想されるためで、さらに国内経済活動自体が活発になっているという。ただ業績はセクターによりまちまちで、下半期にさらに業績改善が見込まれるのは石油・ガス、建設、農園、不動産投資信託(REIT)だという。

政府系金融機関MIDFの調査部門によれば、5月末までの今年の株価指数の動きでは、優良株で構成するFBM・KLCIが7.2%下落し、中位株の指数であるFBM70が4.9%上昇した。

第1四半期のFBM・KLCI構成銘柄の収益合計は158億リンギで、前年同期比では3%増だったが、前期比では34.7%減少した。金融銘柄が米欧の銀行危機の影響を受けたこと、一次産品価格の低迷で農園と一次産品関連企業の業績が悪化したことが影響した。
(ザ・サン、8月4日、ベルナマ通信、8月3日)

サラワク州での鉄道整備の実現可能性を検討=ローク運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は、サラワク州における鉄道整備に関する実現可能性調査が間もなく行われると述べた。現時点で同州には鉄道網はない。

3日に開催された鉄道に関する会議に出席したローク運輸相は、「現時点ではまだ準備段階であり、サラワク州運輸省が連邦政府との間で話を進めている。おそらく調査実施のための予算を申請できるだろう」と言明。「連邦政府としては、サラワク州交通マスタープランのビジョンとその実施について全面的に支持しており、サラワク州の交通網整備の成功を願っている」と述べた。一方、サバ州に関しても鉄道網が短く、改善の余地があると述べた。

ローク氏は、新たな鉄道路線を建設してマレーシアの鉄道網の改善を図ると述べた上で、ゲマスージョホールバル電化複線化プロジェクトや東海岸鉄道線(ECRL)、ジョホールバルーシンガポール間高速輸送システム(RTS)の予定通りの完成を目指して推進していると言明。首都圏クランバレーの大量高速輸送3号線(MRT3)やペナンの軽便鉄道(LRT)を含む新規プロジェクトも開始すると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、8月4日、ベルナマ、8月3日)