【クアラルンプール】 自身の慈善団体ヤヤサン・アカルブディの資金をめぐる44件の汚職容疑でアハマド・ザヒド副首相が起訴されていた事件で、検察が捜査継続の必要性を理由に訴えを取り下げたことを受け、クアラルンプール高等裁判所のコリン・セクイラ裁判官は4日、被告に釈放を言い渡した。検察は改めて起訴できるため無罪放免とはならなかった。

検察側の告発に対し被告側は複数回に分け200ページに及ぶ申立書を司法長官に提出。検察は、より包括的捜査が必要とし起訴を取り消した。

モハマド・デュスキ次席検事は、トミー・トーマス元司法長官の回顧録における「選択的」起訴と疑われる記述を追加捜査の理由の一つに挙げた。

被告弁護士のアハマド・ザイディ氏は、統一マレー国民組織(UMNO)総裁であるアハマド・ザヒド氏に対する起訴は「政治的訴追」と主張した。

それによると、マハティール元首相は2018年6月、アハマド・ザヒド氏を呼びUMNO解党を迫った。アハマド・ザヒド氏は脅しに屈することを拒否したが、7月2日、マレーシア汚職摘発委員会(MACC)から呼び出され、同年10月19日、起訴されたという。
(ザ・スター、ザ・サン、9月5日、フリー・マレーシア・トゥデー、9月4日)