人工島のマラッカゲートウェイ、開発再開へ

【マラッカ】 430億リンギを投じマラッカ州沖に人工島を建設する「マラッカ・ゲートウェイ」の推進母体であるKAJデベロップメント(KAJD)は、「マラッカ・ゲートウェイ」の開発を再開すると発表した。

マラッカ・ゲートウェイは、2014年に建設が開始され、2025年までの完成を目指していたが、開発に参加していた中国電力建設が撤退し、2020年には工事の遅延を理由としてマラッカ州政府から建設中止命令が出されていた。KAJDは2022年3月に州政府の承認を得て、1島(PME1)の開発を再開。アンソニー・ローク運輸相も2023年3月、PME1の国際クルーズ船ターミナル(MICT)建設に向けて交渉を開始すると明らかにしていた。

KAJDのダイン・A・マレク会長は声明で、MICTからインフラ建設を再開するとし、MICTは国際クルーズ船やフェリーがマラッカに寄港する際の唯一の港になると言明。クルーズ船により、毎年約350万人の観光客が訪れることが期待できるため、地域経済に寄与しながら、世界で最も有名な観光地のひとつであるマラッカをアピールし、観光活動を増加させていくとしている。
(エッジ、9月11日)

QSR、スリランカの紅茶「アクバ」を販売へ

【クアラルンプール】 QSRブランズ(M)ホールディングスの子会社、QSRトレーディングは、スリランカ最大の紅茶ブランド「アクバ」の販売を国内で開始する。

マレーシア市場に投入するのは、「レッド・アンド・ホワイト・ティー」と「ゴールド・ブラック・ティー」の紅茶2種類と緑茶1種類。それぞれティーバッグ100袋入りと25袋入りとなっている。

9月12日から全国の大手スーパーマーケットやハイパーマーケットで販売する。また、オンライン・ショップ「QSRTマート」でも購入することが可能だ。
QSRトレーディングによると、アクバの紅茶は100カ国・地域で販売されており、マレーシアが最新の市場となる。またアクバは、QSRトレーディングが初めて販売する飲料ブランドとなる。

ゼネラル・マネジャーであるチャン・チョンティエ氏は、最高品質の紅茶を手頃な価格で提供し、お茶愛好家に魅力的な選択肢を提供し、急成長する紅茶市場で名を揚げることを目指すとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月11日)

レアアース原料輸出禁止へ、国内産業促進に向け=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は11日の下院議会で、資源の流出を防ぎ国内産業を促進するため、国産の希土類元素(レアアース)原料の輸出を禁止する方針であることを明らかにした。ただ禁止時期については言及を避けた。

アンワル首相は、輸出禁止措置により資源の搾取と損失が回避され、国に最大の利益が保証されるとした上で、「国内での原料加工が促進され、国に追加の収入がもたらされるだろう」と言明。レアアース産業において上流、中流、下流部門を統合した詳細かつ包括的なビジネスモデルが作り出されるだろうとし、「レアアース産業が持続可能で環境に優しい非放射性レアアース(NR-REE) をベースとした新たな持続可能な成長源として浮上するだろう」と述べた。

アンワル首相は、レアアース産業が2025年までに国内総生産(GDP)に95億リンギの貢献をもたらし、7,000人分の新規雇用を創出すると予想されていると言明。また持続可能性と責任の原則に基づいて鉱業の包括的な発展を推進するため、国家鉱物政策を起草すると述べた。

マレーシアのNR-REEについては、ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相が6月、推定埋蔵量が1,610万トンで推定市場価値は8,096億リンギに達すると明らかにしていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月12日、フリー・マレーシア・トゥデー、ロイター、9月11日)

ハラル見本市2023、ジェトロが公式パートナーとして出展

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、9月12ー15日の日程で開催されるマレーシア最大のハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2023」に日本食品サンプルショーケースを出展する。

ジェトロはMIHASに初めて公式パートナーとして参画し、主催者が今回初めて設置する「ジャパン・パビリオン」に日本食品サンプルショーケースとして出展する。

マレーシア食品市場でニーズの高い菓子類(ナッツ、プリン、クリームパン、大福)、飲料(抹茶、緑茶、ほうじ茶)、加工食品(レトルト食品、プラントベース食品、麺類、水産品)、業務用調味料(ソース、つゆ、醤油、味噌)などハラル認証を取得した20社・80商品のサンプルを展示・紹介する。商品提案、試食提供、オンライン商談などを通し、ハラル認証を取得した日本食品のマレーシアおよび世界のムスリム市場への参入を支援する。

同パビリオンにはジェトロのブースのほか、5社が日本産フルーツジュース、お茶、栄養補助食品、スイーツなどを出品する。

昨年のMIHAS2022には32カ国から620社が出品し、90カ国から3万人以上が来場。成約額は5億米ドルを超えた。

第12次マレーシア計画中間レビュー発表、150億リンギを追加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アンワル・イブラヒム首相は11日、第12次マレーシア計画(12MP、対象期間2021ー2025年)の中間レビューを下院議会で発表。150億リンギを追加で割り当てると明らかにした。

アンワル首相は、12MPで掲げられた175の目標のうち、現時点で31%がすでに達成され、59%が予定通りに進捗していると説明。12MP全体の開発予算4,000億リンギのうち、これまでの支出額は、2021年に643億リンギ、2022年に716億リンギと全体の34%にとどまっているが、150億リンギを新たに追加することにより、2023ー2025年に毎年900億リンギを支出していく予定だとした。用途としては、貧困の撲滅、老朽化した学校や診療所の補修、清潔な水の供給、イスラム経済の先導など、基本的なインフラ整備や国民の基本ニーズに応じることからスタートするとしている。

アンワル首相はまた、2025年までに▽国際規格「ISO 37122:2019(持続可能な都市とコミュニティースマートシティの指標)」に基づき、5主要都市に対するスマートシティ認定を取得▽洪水対策としての都市排水システム改善▽農民の所得向上に向けた農業近代化▽年間国内総生産(GDP)成長率5%以上▽財政赤字をGDPの3.5%まで縮小ーーを目指すと述べた。