プロトンが「X90」をリコール、配線の欠陥で発火の恐れ

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは13日、今年5月に発売した同社初のハイブリッド車であるスポーツ車(SUV)「X90」について、配線の欠陥で発火する恐れがあるとしてリコールすると発表した。「X90」は8月末までに累計2,944台が販売された。

プロトンは、社内調査でアース接続の一つに問題がある事が判明したとした上で、「継続的に大きな電流が流れると接続部分が過熱し、防音材に近いため熱事故が発生する可能性がある」と説明。懸念の声が上がっていた車載の48ボルト・マイルドハイブリッドバッテリーが原因ではないと強調した。

「X90」の所有者には、プロトンのディーラーから個別に連絡があり、車両を検査のために持ち込むよう指示がある。必要に応じて、熱リスク排除のためにサービス・センターによる修理作業が行われるという。
(マレー・メイル、ポールタン、9月13日)

GSTの再導入前に、富裕層の補助金削減が必要=アンワル首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は、物品・サービス税(GST)について、GSTは最も効率的かつ透明性の高い税制であると認めたものの、導入時期については、もう少し時間が必要だとし、まずは富裕層の補助金を削減しなければならないとの見解を示した

シンクタンクの米ミルケン研究所が開催した「第10回アジアサミット」において、ブルームバーグのインタビューに応じたアンワル首相は、マレーシアはアジアの中で補助金支出額が最も高い国の一つであるとした上で、政府は出来るだけ早く補助金を削減する必要があるとした。

一方で投資について、アンワル首相は、1990年代に成功した例を挙げて、誘致を確実にするため政策を明確にすることに重点を置いているとコメント。適切な政策と明確な経済政策により1990年代よりも良い結果を出すことができると述べた。
(エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、9月13日)

レアアース原料の輸出禁止、年内に開始する見込み=環境相

【クアラルンプール】 ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相は13日、希土類元素(レアアース)採掘の標準運用手順(SOP)について、年内に施行される見通しだと明らかにした。アンワル・イブラヒム首相が11日の下院議会で「国産レアアース原料の輸出を禁止する」と述べたことを受けてのもので、輸出禁止についてSOPに明記されると見られる。

ニック・ナズミ大臣は、レアアースに関するSOPは閣議ですでに承認され、10月2日に開催される鉱物資源産業開発調整委員会でSOPの全国展開に関して協議される予定だと述べた。SOPの一部は天然資源環境気候変動省とその傘下の鉱物地球科学局、その他の開発関連部分は経済省、投資貿易産業省などが管轄するとしている。
(エッジ、9月13日)

野党若手が16日に反副首相デモを計画、支持派も対抗デモ呼びかけ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アハマド・ザヒド副首相に対する汚職事件の起訴取り下げに反発する野党連合・国民同盟(PN)青年部が中心となって、9月16日の「マレーシア・デー」に合わせて大規模な抗議デモを計画している。

「セーブ・マレーシア(マレーシアを救え)」の主催グループは、クアラルンプール(KL)のそごうショッピングモール前で行うと発表していたが、警察が許可しない可能性があることから、開催地はブキビンタンなどに変更される可能性があるという。

主催メンバー、バドゥルル・ヒシャム・シャハリン氏は14日、代表が警察から呼び出されて開催しないよう圧力をかけられたと明かした上で、予定通り開催すると言明。開催場所については、間違いなくKL中心部になると述べた。
野党主体の抗議デモに関しては、ザヒド副首相を総裁に頂く統一マレー国民組織(UMNO)青年部などが、これに対抗してザヒド支持のデモの開催を呼びかけている。

UMNOのジャマル・メディ・ユノス氏は、かつて自身が率いた青年部グループによる「赤シャツ隊」の復活を呼びかけた。「赤シャツ隊」は2015年、ナジブ・ラザク首相の退陣を求める大規模集会「BERSIH(クリーン)4.0」に対抗し、「マレーシア・デー」に数万人規模の大規模デモを開催した経緯がある。

日本支援の電気バスの実証走行、タイピンで開始=JICA

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力機構(JICA)は14日、「低公害型公共交通向け中型電気バスシステム普及・実証事業」を通じて導入した電気バスの運行がペラ州タイピンで正式に始まり、同日、出発式が行われたと明らかにした。

「JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業」の枠組みで、電気自動車(EV)関連事業を手掛けるピューズ(本社・神奈川県横浜市)が実施しているもので、タイピンの協力の下で電気バスの実証走行を行う。

実証走行を行うのは、歴史的遺産が集中するタイピン・ヘリテージ・エリアの自然・歴史遺産を巡る観光コースの整備が進められているタイピン・ヘリテージ・トレイル。運行ルートは11.5キロメートル、名所は40カ所で、途中バス停は3カ所設けられており、電気バス用急速充電器(1基)は、タイピン動物園に設置されている。

今回の実証事業では、▽マレーシアの車両基準に準じて製造した電気バスの実証運行を通じた、環境面(CO2排出削減効果の評価など)および財務面(ディーゼルバスと比較した費用の評価など)における有効性の検討▽電気バス事業の運営・管理体制構築(運行・維持管理マニュアルの策定及び研修実施)▽電気バス事業モデル確立と普及活動ーーの3点を目的としている。