【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力機構(JICA)は14日、「低公害型公共交通向け中型電気バスシステム普及・実証事業」を通じて導入した電気バスの運行がペラ州タイピンで正式に始まり、同日、出発式が行われたと明らかにした。

「JICA中小企業・SDGsビジネス支援事業」の枠組みで、電気自動車(EV)関連事業を手掛けるピューズ(本社・神奈川県横浜市)が実施しているもので、タイピンの協力の下で電気バスの実証走行を行う。

実証走行を行うのは、歴史的遺産が集中するタイピン・ヘリテージ・エリアの自然・歴史遺産を巡る観光コースの整備が進められているタイピン・ヘリテージ・トレイル。運行ルートは11.5キロメートル、名所は40カ所で、途中バス停は3カ所設けられており、電気バス用急速充電器(1基)は、タイピン動物園に設置されている。

今回の実証事業では、▽マレーシアの車両基準に準じて製造した電気バスの実証運行を通じた、環境面(CO2排出削減効果の評価など)および財務面(ディーゼルバスと比較した費用の評価など)における有効性の検討▽電気バス事業の運営・管理体制構築(運行・維持管理マニュアルの策定及び研修実施)▽電気バス事業モデル確立と普及活動ーーの3点を目的としている。