【クアラルンプール】 オンライン証券会社の楽天トレードは、リンギ安が継続する状況においても、米国の政策金利引き上げの「緩和傾向」が見られることから、年内に1米ドル=4.2ー4.3リンギ前後までリンギ高に振れるとの予想を示した。

リサーチ責任者であるイー・シーフィン氏は、世界的なインフレが続く中、米国は依然として世界市場変動の震源地であるとし、米連邦準備制度理事会(FRB)が9兆ドル近い量的緩和策を打ち出した影響は大きく、その後毎月950億米ドルの量的緩和の縮小を続けているが、ペースが遅すぎてインパクトがないとした。また、2023年初頭に米国のテクノロジー企業が大規模なレイオフ(一時解雇)を実施したが、現在もその動きが継続中で、米国の現在の失業率が3.8%であることから、インフレ率を低下させられなかったと述べた。今年3月に銀行破綻が再燃したことで、世界金融危機の際に起こったような金融セクター崩壊の懸念も再燃しており、S&Pによる8月の一部銀行の格下げが、警告のサインとして銀行セクターを揺るがしたとしている。

その上で同氏は、「2023年の最終四半期に入り、米国のさらなる利上げが予想されるが、米国が経済調整を成功させられるかどうかは依然として不透明だ」と結論づけた。
(ザ・サン、ザ・スター、9月27日、ベルナマ通信、9月26日)