フライドバイ航空、来年2月10日にペナン経由ランカウイ線就航

【クアラルンプール】 アラブ首長国連邦(UAE)ドバイに本拠を置く航空会社、フライドバイは、2024年2月10日にドバイーペナン経由ランカウイ線を就航すると発表した。

フライドバイはエミレーツ航空のグループ会社。ドバイとペナンおよびランカウイを結ぶ路線はこれが初めてで、中東からランカウイへの乗り入れも初めてとなる。

デイリー運航で、スケジュールは往路ドバイ発が4時10分でペナン着は15時5分、ペナン発は16時5分でランカウイ着が16時45分。復路ランカウイ発は19時45分でペナン着は20時45分、ペナン発は21時45分でドバイ着は翌日未明の1時5分となっている。

機材はボーイング「737MAX」を使用。ペナン往復運賃はビジネスクラスが1万4,044リンギから、エコノミークラスが3,447リンギから。ランカウイ往復運賃はビジネスクラスが1万4,044リンギから、エコノミークラスが4,468リンギからとなっている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月23日、アジアウェイズ、アビエーションウィーク、9月22日)

バティックエア、12月8日にタシュケント線を就航

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 インドネシアのライオン・グループ傘下の航空会社バティック・エア(旧称・マリンド・エア)は12月8日付けでウズベキスタンの首都タシュケントに就航する。マレーシアを拠点とする航空会社として初の中央アジア地域への就航となる。

クアラルンプール新国際空港第1ターミナル(KLIA1)からイスラム・カリモフ・タシュケント国際空港(TAS)へ月・金曜日の週2回運航する。KLIA1発TAS行き「OD751」便はKL発が17時30分、TAS着が21時55分。TAS発KLIA1行き「OD752」便はTAS発が23時25分、KLIA1着が翌9時45分。往復運賃はエコノミークラスで3,699リンギ、ビジネスクラスで5,999リンギから。

TASはウズベキスタン最大の国際空港で、2019年のデータによると、中央アジアで旅客輸送量が3番目に多い空港となっている。現在、タシュケントからクアラルンプール(KL)に就航している航空会社は、ウズベキスタンの国営航空会社であるウズベキスタン航空のみ。

ライオン・グループのグループ戦略責任者であるチャンドラン・ラマ・ムティ氏は、英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、KLータシュケント線はボーイング「B737MAX」型機で運航を開始するが、需要に応じてワイドボディのエアバス「A330」型機への切り替えも検討すると述べた。マレーシア人は歴史あるタシュケントやサマルカンドを訪れるのを好むため新規ツアー開発の可能性があり、また、ウズベキスタンからマレーシア、インドネシア、タイへの旅行需要も高いため、バンコクやバリ、ジャカルタに向かうためにKLで乗り換えることも可能になると述べた。

「MD2」パイナップル、大阪への輸出を開始

【ロンピン】 マレーシア・パイナップル産業委員会(MPIB)のシェイク・ウマル会長は、高糖度のパイナップル「MD2」について、大阪への輸出を開始したと明らかにした。

マレーシアのアキナ・フルーツ社のプランテーションで収穫された4,355個の「MD2」パイナップルが18日、日本に向けて出荷された。日本はマレーシアからパイナップルを輸入しており、これまでは東京に出荷されていた。MPIBなどの取り組みにより、新たに大阪への出荷が実現した。

アキナ・グループのウェスリー・タン社長は、1カ月当たり日本へコンテナ10個のパイナップルを輸出することを目標としているとした。

マレーシアのパイナップル輸出額は2021年に11億600万リンギだったが、2022年には11億4,800万リンギに増加した。輸出先は日本の他、シンガポール、エジプト、中国などおよそ20カ国となっている。
(ベルナマ通信、9月18日)

JICAと公正取引委、2回目の競争法セミナーを共催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力機構(JICA)マレーシア事務所と日本の公正取引委員会(JFTC)は、2回目となる企業結合規制をテーマとする「競争法セミナー」を9月25ー27日の日程で共同開催すると発表した。

マレーシア競争委員会(MyCC)の職員が対象。MyCCが企業結合規制の導入を柱とするマレーシア競争法の改正作業を進めている中、改正法の施行に備えて、MyCC職員にJFTCの知見を提供し、競争法の執行能力を向上させることを目的としたもの。MyCCは年内の改正法の成立・公布を目指しており、企業結合規制関連部分の施行は成立・ 公布から1年後となっている。 施行後は、一定規模以上の企業結合計画については事前にMyCCに届け出を行う必要がある。

「競争法セミナー」は今年3月の開催に続くもので、JFTCの職員3人が講師として来馬、MyCCからは職員約40人が参加予定だ。マレーシアでは、2010年に競争法が制定され、翌2011年に競争法の執行機関である MyCCが設置された。JICAは2021年1月から1年間、2022年11月からは2年間、MyCCに競争法のアドバイザー専門家を派遣している。

ペトロナスと商船三井など、液化二酸化炭素運送船開発で契約

【クアラルンプール】 国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)は22日、商船三井(本社・東京都港区、MOL)およびMISCとの間で、液化二酸化炭素(LCO2)運送船の開発・収益化に向けて投資を行う合弁会社設立に向けて条件概要書(タームシート)を締結したと発表した。

ペトロナスが発表した声明によると、同契約は完全子会社のペトロナスCCSベンチャーズが交わした。ペトロナスは2022年2月にMOLと覚書を締結しており、2023年6月にはLCO2運送船の設計基本承認(AiP)を取得。次の段階に進めるため主要な条件について原則合意し、今回のタームシートの締結に至った。

ペトロナスは、MOLおよびMISCがそれぞれ持つ専門知識や豊富な資源、共通の価値観により、強力な相乗効果が見込めるとした上で、それらの強みを組み合わせることで、LCO2開発を促進し、安全かつ持続可能な方法でLCO2運送を実現できるとの見解を示した。
(ザ・サン、9月25日、マレーシアン・リザーブ、エッジ、9月24日)

データ漏洩件数が過去最高に、年初6カ月で130件

【クアラルンプール】 マレーシアでは今年、データ漏洩の件数が過去最高を記録し、主にランサムウェア攻撃を含む事例が週に15件報告されており、年間では数百万リンギの損失をもたらしている。

個人情報保護局(PDPD)のモハマド・ナズリ・カマ局長は、今年年初6カ月で130件の報告を受けたとし、2016年から着実に増加を続けていると述べた。週15件のうち5件は個人情報漏洩に関係しているという。

モハマド・ナズリ局長は、件数の増加は様々な要因によるものだが、ランサムウェアの増加が目立っていると述べた。ランサムウェアは、ファイルを利用不可能な状態にし、元に戻すことと引き換えに身代金を要求するもの。ソフトウェアやOSなどのアップデートがなされておらず、その脆弱性を突かれているという。

モハマド・ナズリ局長はまた、機密情報の偶発的な漏洩、パスワードの脆弱性、フィッシング攻撃、内部関係者の誤用、データを持ち運ぶデバイスの物理的な盗難など、人的要因も重要な役割を果たしていると強調。犯罪者が痕跡を消してしまうため、データ漏洩元を特定するのが難しく、2016年から現在に至るまでデータ漏洩で罰金を科されたのは15社のみであるとした。そのため、「2010年個人データ保護法(PDPA)」の順守を証明する「PDPD登録証明書」を有する企業にのみ個人情報を提供することで、データが悪用されたり盗まれたりするリスクが減らせると消費者にアドバイスしている。
(マレー・メイル、9月21日)

リバーエレテック、マレーシア子会社の清算を決議

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 リバーエレテック(本社・山梨県韮崎市)は20日、マレーシアペラ州にある全額出資子会社、リバー・エレクトロニクス(イポー)を清算すると発表した。同日のリバーエレテック取締役会で解散を決議した。必要な手続きが完了次第、清算結了となる見込み。

リバー・エレクトロニクス(イポー)は、1990年7月に抵抗器の生産増強を目的として設立されたが、主力事業が抵抗器から水晶製品へと変化する中、安定的な収益を確保することが困難だと判断。グループの経営資源の最適配分化と経営の効率化について検討した結果、解散、清算の手続きに入ることを決めた。

独デリバリーヒーロー、マレーシア事業などをグラブに売却か

【ベルリン/ペタリンジャヤ】 フードデリバリーサービスを提供する多国籍企業のデリバリーヒーロー(本社・独ベルリン)は東南アジア事業の一部を売却する意向で、交渉を開始した。デリバリーヒーローはフードパンダのブランドで、マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、カンボジア、ミャンマー、ラオスでサービスを提供している。

週刊経済誌の独ビルトシャフツ・ボッヘが消息筋の情報として売却交渉を報じたのに対し、デリバリーヒーローが交渉の事実を認めた。同誌によれば、シンガポールの同業者グラブが同7カ国の業務を約10億ユーロで購入する可能性がある。

新型コロナウイルスの感染拡大による行動規制を背景に、デリバリーサービスは需要が急増したが、行動規制の緩和後は需要が低迷し、デリバリーヒーローは株主から利益確保を求められていた。

ニクラス・エストベリ最高経営責任者(CEO)は8月、「東南アジア業務では利益重視のため出費を控えた。このためわが社のサービスに満足できない客がいたと思う」と発言していた。
(ザ・スター、9月22日、フリー・マレーシア・トゥデー、9月21日)

テラドローン、マレーシア・インドネシアで農業ドローン市場に参入

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 テラドローン(本社・東京都渋谷区)は21日、マレーシアおよびインドネシアにおける農業ドローン市場に本格参入するため、子会社テラドローン・インドネシアを通じてドローンを用いたアブラヤシ農園の農薬散布事業を行うシンガポール企業アヴィールテックの事業を買収すると発表した。マレーシアでの事業展開に向け、新法人テラドローン・アグリも設立する。

グローバルで持続可能な農業の実現を目指し、「空のインフラ構築」を加速させる。具体的には、両国において効率的なアブラヤシの栽培支援に注力する。環境への影響を最小限に抑え、農業労働者の作業負荷を軽減していくことにより、環境・社会・統治(ESG)投資の観点からの価値も提供できるとしている。

テラドローンはまた、新事業を展開する中で知見を蓄積し、顧客の具体的なニーズをより深く理解することにより、日本を含む海外での展開を検討している。ドローンを活用した技術で農業の未来を形成していく方針だ。

アンワル首相、グーグル、ボーイングなど米巨大企業4社と面談

【ニューヨーク】 国連総会出席のため訪米中のアンワル・イブラヒム首相は、グーグル、ボーイング、メドトロニック、シーメンス・ヘルシニアーズの米巨大企業4社と1対1のビジネス会議を開催した。首相府の発表によると、4社からはマレーシアでの事業を拡大したいとの意向が示されたという。

企業側からは、グーグルのルース・ポラット最高財務責任者(CFO)、ボーイングのブレンダン・ネルソン グローバル社長、メドトロニックのジェフ・マーサ最高経営責任者(CEO)、シーメンス・ヘルシニアーズのティシャ・ボートマン グローバル社長らが出席した。

マレーシア側からは、アンワル首相のほか、テンク・ザフルル投資貿易産業相、ザリハ・ムスタファ保健相、ザンブリー・カディル外相の関係閣僚らと、マレーシア投資開発庁(MIDA)とマレーシア外国貿易開発公社 (MATRADE)の代表が出席した。

アンワル氏はまた、2001年にノーベル経済学賞を受賞したコロンビア大学のジョセフ・スティグリッツ教授とも面談。発展途上国の経済的ニーズについて意見交換したほか、サステナビリティを維持しつつ所得増や貧困撲滅を進めるための対策と戦略についても議論したという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、マレー・メイル、ベルナマ、9月22日)