毎日ワッツアップを利用するマレーシア人は71%=調査

【クアラルンプール】 市場調査会社のカジデータが7月に無作為抽出で1,082人を対象に実施した調査によると、マレーシア人の71%が毎日ワッツアップを利用しており、次いでフェイスブック(51%)、ティックトック(49%)、インスタグラム(45%)、X(旧ツイッター、30%)が続いた。インターネット利用に関しても、61%が「1週間を通してかなりの時間利用している」と回答した。

カジデータの顧問である、マレーシア国際イスラム大学(IIUM)のサイド・アラビ・イディド教授は、テレビ(利用率40%)やラジオ(同20%)といった伝統的なメディアは、ソーシャルメディアやインターネットの魅力に勝てないと述べた。

同じくカジデータの顧問である、ハリス・イスマイル氏も、この調査結果により、ソーシャルメディアが支持政党も含め人々に影響を与えるために広く使われていることがわかるとし、政党がオンラインでの存在感を高めることで、人種、宗教、王室に関する問題を利用した分裂を生み、それが8月に実施された、6州の州議会同時選挙の結果にも影響したと述べた。ブミプトラ(マレー系および先住民)や華人が党自体を支持する傾向が強かったのに対し、インド系やその他の民族の大半は候補者個人を支持する傾向にあり、この傾向は、候補者よりも党を優先する汎マレーシア・イスラム党(PAS)のような政党の支持者の間で特に顕著であるという。一方、ハリス氏は、ソーシャルメディアでの政党の表示回数の多さは、広告を利用するなど有料で行われているもので、政党の実際の力を正確に反映しているわけではなく、必ずしも政治的優位性を意味するものではないと述べた。
(ザ・スター電子版、9月17日、ベルナマ通信、9月16日)

BMWマレーシア、年初8カ月のEV販売台数は1600台超

【クアラルンプール】 独系BMWグループ・マレーシアは18日、今年1ー8月に「BMW」、「MINI」、「BMW モトラッド」ブランドの電気自動車(EV)を1,600台以上販売したと発表した。昨年通年でのEV販売台数は1,557台だったため、すでにそれを上回ったことになる。

マレーシア公式オープンデータ・ポータルの8月末時点でのBMWのEV販売データによると、大型高級セダン「7」シリーズで初のEVとなる「i7」は今年150台を販売。スポーツ多目的車(SUV)「iX」は880台、SUV「iX3」は108台、5月に発売開始されたコンパクトSUVの「iX1」は291台、4ドアクーペ「i4」は120台がそれぞれ販売されている。

BMWグループ・マレーシアはまた、10月1日ー12月31日に「BMW」と「MINI」のEVを購入した先着200人に「EV充電無制限パッケージ」を提供すると発表。12カ月間、ジョムチャージ、チャージEV、ジェンタリが提供する全国のEV施設において、登録車両に対して無制限に充電ができるもので、料金は「BMW」では2,400リンギ、「MINI」では1,800リンギとなる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月19日、エッジ、ポールタン、9月18日)

8月の輸出高は1151.6億リンギ、前年比18.6%減少

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)の発表(速報値)によると、2023年8月の輸出高は1,151.6億リンギとなり、前年同月から18.6%、前月から1.4%それぞれ減少した。

輸入高は978.5億リンギで、前年同月比で21.2%、前月比で1.6%、それぞれマイナスとなった。貿易高は2,130.1億リンギとなり、前年同月からは19.8%、前月から1.5%共に減少。貿易黒字は前年同月比0.1%増、前月比0.3%減の173.1億リンギとなり、40カ月連続で黒字を維持した。

輸出先を国・地域別で見ると、シンガポールがトップとなり、2ー5位は中国、米国、日本、香港の順となった。日本への輸出額は74.3億リンギで、前年同月比マイナス19.3%となった。原油や金属製品が増加したものの、液化天然ガス(LNG)や精油製品、電気・電子(E&E)が減少したことが響いた。シンガポール向けの輸出も前年同月比で19.3%減少。2位の中国と3位の米国はそれぞれ20.3%、9.7%減となった。品目別ではE&Eが433.9億リンギで最も多く、これに精油製品、化学製品の順となった。

輸入先は中国がトップで、これにシンガポール、米国、台湾、日本の順となった。日本は前年同月比33.2%マイナスの51.9億リンギ。品目別では、E&Eが296.4億リンギで最も多く、2位は精油製品、3位は化学製品だった。

1ー8月の輸出高は9352.2億リンギで、前年同期比で7.6%減少。輸入は7822.9億リンギとなり、8.7%のマイナスとなった。貿易額全体は1兆7,175.1億リンギで、8.1%減。貿易収支は1,529.2億リンギの黒字となり、2.0%のマイナスとなった。

今年のハラルショーケース、成約額が31億リンギに

【クアラルンプール】 9月12ー15日の日程で開催されたハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2023」で、成約額が目標額の25億リンギを24%上回る31億1,000万リンギに達した。

今年で第19回目の開催となった世界最大のハラル見本市であるMIHAS2023は、マレーシア貿易開発公社(Matrade)が主催するもの。マレーシアの輸出業者向けに2023年9月11日に開催された国際調達プログラム(INSP)と、9月12ー15日に開催された44カ国の出展者が参加する見本市の2つのプログラムで構成され、予備的計算によると、INSPの成約額は12億2,000万リンギ、見本市の成約額は18億9,000万リンギに達した。バーチャルINSP商談会は11月30日まで行われるため、成約額はさらに上積みされるとみられる。

テンク・ザフルル投資貿易産業相は、「マレーシアのハラル産業マスタープラン2030では、ハラル産業の貢献度について2030年までにマレーシア国内総生産の11%に相当する2,660億リンギを目標としている」と述べた。
MIHAS2023には、100カ国以上から合計3万8,566人が来場し、当初予想の3万5,000人を上回った。うち2万9,090人が直接参加し、9,476人がバーチャルで参加した。 対面のINSPは、マレーシア企業469社と、11社のプレミアムバイヤーを含む44カ国の231人の海外バイヤーが合計2,788件の商談を行った。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、9月19日)

スズキ、KMSBモーターズと二輪車用部品の供給契約を締結

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 スズキ(本社・静岡県浜松市)は18日、マレーシアのKMSBモーターズと二輪車生産用部品の供給契約を締結したと明らかにした。締結式は15日にスズキの鈴木俊宏社長も出席してプトラジャヤの首相官邸で行われ、アンワル・イブラヒム首相が立ち合った。

KMSBモーターズは、スズキブランドの二輪車をマレーシアで生産販売しているスズキマレーシアの親会社であるAFYモビリティ・インダストリーズのグループ企業。今後KMSBは、独自の二輪ブランド「AFAZ」を立ち上げる計画だ。
スズキは、「AFAZ」ブランドの排気量110ー150cc機種用のエンジンや車体関連部品を、2024年前半より順次供給する予定。供給部品は、スズキの東南アジアの工場で生産されるという。

鈴木社長は式典で、「スズキは二輪車の販売に加え、KMSBへの部品供給を通じて、マレーシアの二輪車市場と産業の発展に貢献していく」と述べた。

マレーシア航空、11月中旬までに機内食サービスを完全再開へ

【クアラルンプール】 マレーシア航空の親会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は15日、機内食サービス再開に向け、新型ハイリフト・トラック10台を導入し、一部の便で温かい機内食サービスを再開したと発表した。11月中旬までの完全再開を目指す。

マレーシア航空は、8月末で機内食サービスのブラヒムズ・フード・サービシズ(BFS)との契約を打ち切った影響から、フライト遅延が大量に発生。また、代替食がパンなど、冷たく簡素なものであったことで乗客から不評を買い、その写真がソーシャルメディアで拡散されていた。

MAGは声明で、新型ハイリフト・トラックは、機内食カートを適切な温度を保ったまま吊り上げることができるもので、発注していた20台のうち10台が先行納品されたことから、11日付けでバンコクおよびデンパサール路線のビジネスクラスで、簡易ではあるが温かい機内食を再開したと述べた。

クアラルンプール発コタキナバル、クチン、マニラ、香港行きの便では、エコノミークラスの乗客にも提供を再開した。今後数カ月間に残り10台が到着し、また、機内食の内容を調整・強化することで、11月中旬までに完全な機内食サービスを再開する予定だとしている。

なお、ポス・アビエーションが機内食を提供している、ロンドン、オークランド、ジェッダ、メディナ、関空、羽田線では機内食の変更の影響は受けないという。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月18日、エッジ、ベルナマ通信、9月15日)

デング熱患者が増加、9月第2週は19%増の2,284人

【プトラジャヤ】 デング熱患者が増加している。ムハンマド・ラジ保健局長の声明によると、9月第2週(9月3日-9日)に届け出があった患者数は2,284人で、前の週より360人、率にして18.7%増加した。デング熱が原因の合併症による死者は2人だった。

9月9日までの今年通年のデング熱患者の累計は前年同期比110.5%増の8万2,485人になった。また合併症による死亡者数の累計は約2.5倍の59人となった。

9月第2週に確認された患者多発場所は66カ所で、最多はセランゴール州の47カ所。次いでクアラルンプールとプトラジャヤの合計が13カ所だった。ほかは、クランタン、サバ、ペナン、ペラの各州。

チクングニヤ熱に関しては、9月第2週に届け出のあった患者は3人で、今年の累計は166人になった。ジカ熱の新規患者はいなかった。ジカ熱、デング熱、チクングニヤ熱は共に蚊によって媒介されるウイルスの感染症。
(ザ・スター、9月16日、マレー・メール、9月15日)

希土類元素の埋蔵量は1兆リンギ相当=パハン大准教授

【クアラルンプール】 マレーシア・パハン大学のモハマド・ユスリ・ユヌス准教授は、放射性のない希土類元素(NR-REE)の国内埋蔵量は推定1,610万トンあり、1兆リンギの収入を国にもたらすことができると主張した。

代表的元素はプラセオジム、ネオジム、ジスプロシウムの3つで、電気自動車や風力タービン、家電のモーターに使われる強力磁石の生産に欠かせない。市場価格は1トン当たりそれぞれ57万7,212リンギ、59万3,336リンギ、196万リンギに上り、トレンガヌ、クランタン、ペラ、パハン、ケダの各州に埋蔵されているという。

鉱物持続可能性・資源回収センター長でもあるモハマド・ユスリ氏はウトゥサン・マレーシア紙の取材に対し、パハン州ゲベンにある豪州系ライナスの希土類加工工場の経験からマレーシアは学び、国産の加工工場を開発すべきと指摘。パハン州ガンバンや同州北部に埋蔵されている希土類元素は100年以上採掘が可能だとし、同州だけで毎年数十億ドルの収入になるため開発すべきと述べた。

アンワル・イブラヒム首相は最近、乱開発を避けるため希土類元素の輸出を禁止する方針を明らかにしている。希土類の採掘は森林保護区や環境上重要な森林では禁止されている
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メール、9月15日)

 

馬・中首脳会談、継続的意思疎通を図ることで合意

【南寧】 中国広西チワン族自治区の南寧で16日に開幕した第20回中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)エキスポ(CAEXPO)に出席のため同地を訪問したアンワル・イブラヒム首相は同日、中国の李強首相と会談し、南シナ海問題などを話し合った。アンワル氏によると、同問題について両首脳は、継続的意思疎通を図ることで合意した。

中国は8月末、「2023年度版標準地図」を公表したが、南シナ海の大部分を領海とし、サバ州とサラワク州沖の広範囲の排他的経済水域(EEZ)についても中国の領海と主張。マレーシア政府は正式に反論しており、フィリピンやベトナムも反発している。

アンワル氏は、会談を通じて2国間・域内・国際協力に関し、開放性、礼儀、包括性、相互尊重を原則とする未来を共有する共同体であるとのコンセプトを李首相と共有したと述べ、そうした価値はアンワル氏が掲げたバランス重視の「マレーシア・マダニ」コンセプトとも一致するものだと強調した。

また会談の中で李首相からは、地域の国際安全保障問題に取り組むためのASEAN中心性構想への支持表明があり、米国と中国の対立などから自由なASEAN圏を支持するとの発言があったという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、9月18日)

ジェトロ、食品見本市に日本食品サンプルショーケースを出展

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレーシア最大級の総合食品見本市「フード・ホテル・マレーシア(FHM)2023」(隔年開催)に日本食品サンプルショーケースを出展すると発表した。

前回2019年に続いて5回目の出展となる今回は、中間層市場向け商品を中心にバイヤーからニーズの高い25社、約150商品を展示紹介する。商品提案、試食提供、見本市終了後のオンライン商談などを通し、日本食品の更なる販路拡大を支援する。

主な商品は、菓子類(ビスケット、ゼリー、ケーキ、飴など)、飲料(果物ジュース、コーヒーポーション、アーモンドミルクなど)、レトルト食品(インスタントスープ、冷凍食品など)、健康食品(低糖質麺、コラーゲン飲料、グラノーラなど)、調味料(ドレッシング、ソース、つゆ、たれ、鍋スープなど)。

ジェトロは、「日本からマレーシアへの農林水産・食品輸出額は、経済成長に伴う富裕層・中間層の所得向上や健康志向の高まりを背景に、年々拡大しており、2022年には過去最高額となる234億円に達した。更なる日本産食品の市場拡大に向けては、マレーシアの人口の約6割を占めるマレー系を中心とした中間層市場のターゲット化を本格化していくことが求められている」としている。

FHM2023の会期は9月19日ー22日で、会場はクアラルンプール・コンベンション・センター(KLCC)。前回のFHM2019では、1,545社が出品し、60カ国から約3万人が来場した。