マツダ車販売のベルマツオート、5ー7月期は89%の増益

【クアラルンプール】 マツダ車の販売代理店である、ベルジャヤ・グループのベルマツ・オートは12日、2024年度第1四半期(2023年5ー7月)の決算報告を発表。売上高が前年同期から52.0%大幅増の10億9,000万リンギ、税引き前利益も同88.6%増の1億4,070万リンギとなった。

3月に発売された、マツダのクロスオーバーSUV「CX-30」の現地組立車(CKD)が好調であり、またCセグメント「マツダ3」の受注分の納車が進んだことが売り上げに貢献した。また、販売台数の増加に加え、関連会社であるマツダマレーシアの貢献が増加したことにより、増益につながったという。

ベルマツ・オートは、「自動車部門は、2022年6月末で売上税の減免措置が終了した後も、サプライチェーンや出荷状況の改善に支えられ、ペースは鈍化しているものの成長を続けている」とし、インフレ圧力、地政学的紛争の不確実性、世界経済の成長鈍化などのリスク要因があり、自動車販売台数も市場心理や経済状況に大きく左右されることになるが、不測の事態が発生しない限り、取締役会は2024年度(2023年5月ー2024年4月)も業績が良好であると予想していると述べた。
(ザ・サン、ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月13日、エッジ、9月12日、ベルマツ・オート発表資料)

スマートドライブ、ランカウイとクアンタンにEV充電器を設置

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 モビリティデータを活用したサービスを提供するスマートドライブ(本社・東京都千代田区)は13日、2023年8月より、マレーシアにおける電気自動車(EV)の充電チャージャー(EVチャージャー)の設置・運営を開始したと発表した。

設置したのは、ランカウイ島で初めてとなる直流(DC)高速チャージャー1基と交流(AC)チャージャー1基。さらに9月中にパハン州クアンタンにACチャージャー1基を設置する予定だ。現地のEV関連企業であるEVグル社と提携し、設置場所の開拓や電力供給および課金のオペレーション、分析に必要なデータの授受を実施している。今後、活用状況やデータ分析を行い、マレーシア各地でのEVチャージャーの設置・運営を推進していく。

スマートドライブは、日本での経験も活かし、急速なEV需要の拡大が予想されているマレーシアおよび東南アジアで、データを活用した新しいビジネスの創出を目指す方針だ。

セカイマルシェ、経産省のアジアDX促進事業者に採択

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 東南アジアにおける生鮮食品のサプライチェーンを構築するセカイ・マルシェ(本社・東京都江東区、 グローバル拠点・クアラルンプール)は12日、経済産業省/日本貿易振興機構(ジェトロ)「日ASEAN(東南アジア諸国連合)におけるアジアDX促進事業ブーストアップコース」の事業者として採択されたと発表した。

同社は、東南アジアの食品流通に関する課題解決を目標として設立され、斬新かつ革新的な人工知能(AI)技術を伴うデジタルECプラットフォームの提供によって、東南アジア地域のサプライチェーン課題を解決し、社会に貢献することを目指している。これまで、東南アジアにおける、生産者と消費者をダイレクトに繋げる、共同小口配送用のフルフィルメントセンター、ECプラットフォームを整備することで、少量多品種の配送および廃棄率1%を実現し、年間200%以上の継続成長を達成してきた。

今回の実証事業では、東南アジアにおける域内生産者やラストワンマイルの新しい生鮮流通構築のパートナーと連携し、フルフィルメントセンターおよびECプラットフォームの全域展開を加速するとともに、従前から開発しているAI需要予測・自動発注の適用拡大、自動配送ルーティングによるリードタイム減により更なる顧客拡大を行う。これにより、マレーシアで既に実証済みの事業を更にスケールアップし、急増するEC需要に対応する新しい生鮮品インフラ構築を一気に加速させていく方針だ。

ジェトロの日本製品EC販売プロモ、今年度は地場2社と連携

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、海外EC事業者と連携して日本製品の海外販売を支援する「ジャパン・モール事業」について、2023年度はゴールデン・コナーおよびTFPリテールと連携してプロモーションを実施すると発表した。

初の連携先となるゴールデン・コナーはマレーシアにおけるJビューティーの先駆けとして多数の日本製化粧品や美容関連商品を取り扱い、「4オールビューティー」など複数のECサイトを運営する。2023年10月15日までECサイトおよびササ、イオンウェルネス、アインズ&トルペ、ドンドンドンキにおける販売プロモーションやインフルエンサーによる情報発信、オンライン記事への投稿などを実施し、更なる認知度の向上、オンラインショッピングの利用促進を目指す。

TFPリテールはB.I.G.、ビレッジグローサー、BSCファインフーズなどの高級スーパーマーケットや食品ECサイトの「バイツ・ショップ」を運営しており、ジェトロとの連携は2021年度から3年連続となる。2023年9月7日ー10月1日の期間、ECサイトおよび実店舗にて日本産の菓子類、スナック、調味料、ラーメン、そうめんなどを販売する日本食品フェアをザ・フード・マーチャントと共催し、日本産食品の販売促進、既存・新規顧客の認知度・ブランド力向上を目指す。

大建工業、マレーシア植林事業会社の全株式を取得

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 大建工業(本社・大阪府大阪市)は12日、脱ラワン材(南洋材)の方針に基づきマレーシア連結子会社のダイケンサラワク(DSK)が植林事業会社、WTKリフォレステーション(WTKR)の全株式を取得すると発表した。

9月11日、WTKRの親会社であるファダ・ムリアと株式取得に向けた譲渡契約を取り交わした。年内には全株式取得を完了し、大建工業の孫会社とする予定。WTKRの植林地はビントゥルから南東約80キロメートルにあり、植林可能面積は約5,400ヘクタールに及ぶ。

中密度繊維板(MDF)の原材料となる植林木のさらなる安定調達を実現し、2025年度中の完了を目標に、DSKの生産品における木質繊維原料のすべてを植林木へと切り替えていく。MDFは製材端材などを繊維状にしたものを板状に成型して製造される木質ボードの一種で、家具や建具、内装製品などの面材や基材に用いられる。

MDFは、合板不足などの影響から、国内外で需要が増加傾向にある。DSKでは年間約9万立方メートルを生産しているが、木質繊維原料の約50%に自社植林地からの調達や他社から購入した「植林木」を活用する一方、残りの約50%にはラワン材の製材端材を使用している状況だという。

人工島のマラッカゲートウェイ、開発再開へ

【マラッカ】 430億リンギを投じマラッカ州沖に人工島を建設する「マラッカ・ゲートウェイ」の推進母体であるKAJデベロップメント(KAJD)は、「マラッカ・ゲートウェイ」の開発を再開すると発表した。

マラッカ・ゲートウェイは、2014年に建設が開始され、2025年までの完成を目指していたが、開発に参加していた中国電力建設が撤退し、2020年には工事の遅延を理由としてマラッカ州政府から建設中止命令が出されていた。KAJDは2022年3月に州政府の承認を得て、1島(PME1)の開発を再開。アンソニー・ローク運輸相も2023年3月、PME1の国際クルーズ船ターミナル(MICT)建設に向けて交渉を開始すると明らかにしていた。

KAJDのダイン・A・マレク会長は声明で、MICTからインフラ建設を再開するとし、MICTは国際クルーズ船やフェリーがマラッカに寄港する際の唯一の港になると言明。クルーズ船により、毎年約350万人の観光客が訪れることが期待できるため、地域経済に寄与しながら、世界で最も有名な観光地のひとつであるマラッカをアピールし、観光活動を増加させていくとしている。
(エッジ、9月11日)

QSR、スリランカの紅茶「アクバ」を販売へ

【クアラルンプール】 QSRブランズ(M)ホールディングスの子会社、QSRトレーディングは、スリランカ最大の紅茶ブランド「アクバ」の販売を国内で開始する。

マレーシア市場に投入するのは、「レッド・アンド・ホワイト・ティー」と「ゴールド・ブラック・ティー」の紅茶2種類と緑茶1種類。それぞれティーバッグ100袋入りと25袋入りとなっている。

9月12日から全国の大手スーパーマーケットやハイパーマーケットで販売する。また、オンライン・ショップ「QSRTマート」でも購入することが可能だ。
QSRトレーディングによると、アクバの紅茶は100カ国・地域で販売されており、マレーシアが最新の市場となる。またアクバは、QSRトレーディングが初めて販売する飲料ブランドとなる。

ゼネラル・マネジャーであるチャン・チョンティエ氏は、最高品質の紅茶を手頃な価格で提供し、お茶愛好家に魅力的な選択肢を提供し、急成長する紅茶市場で名を揚げることを目指すとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、9月11日)

レアアース原料輸出禁止へ、国内産業促進に向け=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は11日の下院議会で、資源の流出を防ぎ国内産業を促進するため、国産の希土類元素(レアアース)原料の輸出を禁止する方針であることを明らかにした。ただ禁止時期については言及を避けた。

アンワル首相は、輸出禁止措置により資源の搾取と損失が回避され、国に最大の利益が保証されるとした上で、「国内での原料加工が促進され、国に追加の収入がもたらされるだろう」と言明。レアアース産業において上流、中流、下流部門を統合した詳細かつ包括的なビジネスモデルが作り出されるだろうとし、「レアアース産業が持続可能で環境に優しい非放射性レアアース(NR-REE) をベースとした新たな持続可能な成長源として浮上するだろう」と述べた。

アンワル首相は、レアアース産業が2025年までに国内総生産(GDP)に95億リンギの貢献をもたらし、7,000人分の新規雇用を創出すると予想されていると言明。また持続可能性と責任の原則に基づいて鉱業の包括的な発展を推進するため、国家鉱物政策を起草すると述べた。

マレーシアのNR-REEについては、ニック・ナズミ天然資源環境気候変動相が6月、推定埋蔵量が1,610万トンで推定市場価値は8,096億リンギに達すると明らかにしていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、9月12日、フリー・マレーシア・トゥデー、ロイター、9月11日)

ハラル見本市2023、ジェトロが公式パートナーとして出展

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、9月12ー15日の日程で開催されるマレーシア最大のハラル(イスラムの戒律に則った)製品見本市「マレーシア国際ハラルショーケース(MIHAS)2023」に日本食品サンプルショーケースを出展する。

ジェトロはMIHASに初めて公式パートナーとして参画し、主催者が今回初めて設置する「ジャパン・パビリオン」に日本食品サンプルショーケースとして出展する。

マレーシア食品市場でニーズの高い菓子類(ナッツ、プリン、クリームパン、大福)、飲料(抹茶、緑茶、ほうじ茶)、加工食品(レトルト食品、プラントベース食品、麺類、水産品)、業務用調味料(ソース、つゆ、醤油、味噌)などハラル認証を取得した20社・80商品のサンプルを展示・紹介する。商品提案、試食提供、オンライン商談などを通し、ハラル認証を取得した日本食品のマレーシアおよび世界のムスリム市場への参入を支援する。

同パビリオンにはジェトロのブースのほか、5社が日本産フルーツジュース、お茶、栄養補助食品、スイーツなどを出品する。

昨年のMIHAS2022には32カ国から620社が出品し、90カ国から3万人以上が来場。成約額は5億米ドルを超えた。

第12次マレーシア計画中間レビュー発表、150億リンギを追加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アンワル・イブラヒム首相は11日、第12次マレーシア計画(12MP、対象期間2021ー2025年)の中間レビューを下院議会で発表。150億リンギを追加で割り当てると明らかにした。

アンワル首相は、12MPで掲げられた175の目標のうち、現時点で31%がすでに達成され、59%が予定通りに進捗していると説明。12MP全体の開発予算4,000億リンギのうち、これまでの支出額は、2021年に643億リンギ、2022年に716億リンギと全体の34%にとどまっているが、150億リンギを新たに追加することにより、2023ー2025年に毎年900億リンギを支出していく予定だとした。用途としては、貧困の撲滅、老朽化した学校や診療所の補修、清潔な水の供給、イスラム経済の先導など、基本的なインフラ整備や国民の基本ニーズに応じることからスタートするとしている。

アンワル首相はまた、2025年までに▽国際規格「ISO 37122:2019(持続可能な都市とコミュニティースマートシティの指標)」に基づき、5主要都市に対するスマートシティ認定を取得▽洪水対策としての都市排水システム改善▽農民の所得向上に向けた農業近代化▽年間国内総生産(GDP)成長率5%以上▽財政赤字をGDPの3.5%まで縮小ーーを目指すと述べた。