年末には1米ドル=4.3リンギまで回復、MIDFリサーチ予想

【クアラルンプール】 9月に米ドル高の影響を受けて大きく下落したマレーシアの通貨リンギについて、MIDFリサーチは、年末までには1米ドル=4.300リンギ程度まで持ち直すと予想している。リンギ為替は、米ドル高に歩調を合わせる格好で、9月27日には1米ドル=4.708リンギと2022年11月初旬以来の安値を記録。9月平均は前月比1.5%安の4.682リンギとなった。

MIDFリサーチは、安全性を求めて米ドルに流れた資金が落ち着けば、リスク市場に資金が還流し、リンギを含む新興国通貨は恩恵を受けると予想。ファンダメンタルズでみるとマレーシアの国内経済の底堅さが維持されており、経済状況は引き続きリンギを下支えしていると指摘した。

その上で「第4四半期にリンギ為替が上昇に転じるとの楽観的見方を引き続き堅持している。米連邦準備制度理事会(FRB)による金利据え置きなどを考慮し、平均で1ドル=4.48リンギ、年末には4.30リンギまで回復するとの予測を維持する」 と言明。「さらに中国の景気回復が加速することで、ファンダメンタルズが改善することもリンギにとってプラスになるとみている」と指摘した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月4日)

イオン(M)、フードパンダとの協業を強化

【クアラルンプール】 イオン・カンパニー(M)は5日、食品デリバリーサービスのフードパンダ・マレーシアとの提携強化を発表した。

今年4月からフードパンダのアプリ上でイオン店舗の商品を購入することが可能になっているが、取扱店舗を▽スーパー「マックスバリュ」(8店舗)▽ドラッグストア「イオンウェルネス」(10店舗)▽100円ショップ「ダイソー」(12店舗)ーーの合計30店舗まで増やし、約1万3,000点の商品を、店舗と同じ手頃な価格で購入できるようにする。商品は最速で30分以内に配達されるという。

イオンは、フードパンダでの配達について、8月末時点で4月の開始当初から売上が5倍以上に伸びたとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月6日)

北海道産ホタテフェアをマレーシアなどで開催、札幌市とPPIH

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH、本社・東京都目黒区)は6日、北海道産ホタテの消費拡大のためマレーシアを含むアジア店舗において「北海道産ホタテフェア」を開催することで札幌市と合意したと発表した。

開催期間は2023年11ー12月(国・地域により開催時期が異なる)で、ジャパンブランド専門店「DON DON DONKI」38店、寿司店「鮮選寿司」10店舗が対象。アジアでは「DON DON DONKI」はマレーシア、シンガポール、タイ、香港、台湾、マカオの6カ国・地域、「鮮選寿司」はマレーシア、シンガポール、香港、タイ、台湾の5カ国・地域で展開している。

札幌市とPPIHは、2022年10月21日に「札幌の食と文化の魅力発信と輸出拡大等に関する連携協定」を締結し、札幌市中央卸売市場を活用した輸出拡大等に取り組んでいる。

PPIHは声明の中で、中国への日本産水産物の全面禁輸の影響で北海道産ホタテの消費が減少する中、「北海道産ホタテフェア」を通して新鮮で安全な北海道産ホタテの海外での認知向上・消費拡大により水産事業者の支援につなげていくとしている。

JOGMECとペトロナス、CO2輸送貯留協力で3者間覚書締結

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC、本部・東京都港区)は6日、経済産業省および国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)との3者間で、2国間における二酸化炭素(CO2)越境輸送・貯留に関する協力覚書(MOC)を締結したと発表した。

9月27日に広島市にて開催された、「第3回アジアCCUSネットワークフォーラム」において、MOCの締結式が行われた。JOGMECは、今年3月にも、ペトロナスとの間でカーボンニュートラル推進に関するMOCを締結しているが、マレーシアは、CO2の地中貯留適地が豊富であることから、2国間におけるCO2越境輸送・貯留に関する検討を推進すべく、これに特化したMOCを締結した。

JOGMECは引き続き、経済産業省が推進する、アジア諸国のエネルギー移行支援策「アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)」などを踏まえ、日本のエネルギーセキュリティの向上と、マレーシアをはじめとするアジア地域における持続的な経済発展およびカーボンニュートラルの実現に貢献していく方針だ。

ダイソー、セランゴールにグローバル流通センター建設へ

【クアラルンプール】 日本の生活用品や雑貨を販売するダイソー・マレーシア・グループは5日、10億リンギを投資して、セランゴール州ポート・クランにグローバル流通センター(GDC)を建設すると発表した。ダイソーにとり中国に次ぐ二番目の国際拠点となる。

ダイソー・マレーシアのカイルル・アディブ会長は、GDCがグローバル流通拠点として機能し、日本と中国から入ってきた商品の物流業務を行い、アジアおよび中東の22カ国・地域の流通を担うことになると説明。GDCの面積は13万平方フィートで、2024年5月の着工、2026年5月の完成、2027年1月の稼働開始を予定していると述べた。

ダイソー・マレーシアは同日、鹿島建設(本社・東京都港区)の子会社である鹿島マレーシアおよびサンウェイ ・コンストラクション・グループによる合弁会社(JV)カジマ・サンコンとの間でGDCの開発に関する協力協定に調印した。契約額は5億9,538リンギで、契約期間は34.5カ月。
(ザ・スター、10月6日、エッジ、10月5日)