【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は10日の下院審議で、中国との貿易の最大28%はリンギ建てになると明らかにした。基軸通貨、交換媒体としての米ドルへの依存を減らす脱ドル化の動きだ。

アンワル氏は、国際貿易の多くは米ドル建てで行われているが、マレーシアは複数の国との貿易で積極的にリンギを使うようにしていると語った。

脱ドル化の件は中国を訪問した際、また9月、ジャカルタにおける東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議でも取り上げた。中国はリンギ使用の提案を歓迎し、インドネシア、タイとの間でも特定の産品の決済をリンギ建てとすることで合意したという。

企業の動きでは、ほとんどの政府系企業と複数の大手民間企業がリンギ建て取引にするための動きをとっているという。

アンワル氏は「経済、投資は好調で、失業率も下がっているのに、リンギが値下がりしている。対米ドルでのリンギ下落はマレーシア経済の基礎的条件を反映していない。米連邦準備制度理事会による利上げが原因」と述べた。

リンギの今年の値下がり幅は6.5%。下落幅が大きいのは円で10.8%。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月11日、マレー・メイル、10月10日)