グローバル年金指数ランキング、マレーシアは前年から低下

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 組織・人事マネジメント・コンサルティングの米マーサーは、CFA協会と共同で、「第15回マーサーCFA協会グローバル年金指数(MCGPI)」 を発表。マレーシアの年金制度に対する指数は56.0と前年から低下し、CプラスからCに格下げされた。

マーサーによると、今回の結果はマレーシアにとり2017年以来最悪の結果で、純所得代替率が大幅に低下したことが主な原因と考えられるという。アジアではマレーシアと香港(指数64.0、格付けCプラス)のみが前年よりも低下した。

首位はオランダ(85.0、A)、2位はアイスランド(83.5、A)、3位はデンマーク(81.3、A)だった。東南アジアでのトップはシンガポール(76.3、Bプラス)。日本は指数56.3で格付けCという結果となった。

グローバル年金指数は、世界各国の年金制度の弱点を浮き彫りにし、より充実した、持続可能な年金給付を提供するために改革すべき領域を示したもの。2023年度は、全世界の47の退職所得制度を比較し、世界人口の65%をカバーしている。各国の制度の総合指数は、「十分性」、「持続性」、「健全性」に大別される50以上の項目から構成され、これら3つのサブ指数を加重平均して算出している。

独系物流企業DHLサプライチェーン、1.3億ユーロを投資

【バヤンレパス】 独系物流企業DHLサプライチェーンは、マレーシアに1億3,100万ユーロ(約6億5,107万リンギ)の投資を行う計画を明らかにした。

同社の東南アジアへの投資額としては最大となる。近隣国に対しては、シンガポールに1億400万ユーロ、フィリピンに8,000万ユーロ、インドネシアに3,500万ユーロを投じる計画で、投資総額は3億5,000万ユーロとなる見込み。

具体的には、ペナンに2カ所、クアラルンプールに1カ所、ジョホールバルに1カ所、新施設を設置し、倉庫容量を現状の21万7,300平方メートルから11万3,000平方メートル増加させる。ペナン州バヤンレパスに建設中のペナン・ロジスティクス・ハブ5(PLH5)に高度なオートメーション設備も導入する。PLH5は2024年に完成予定。クアラルンプールにも5G網などに接続したコントロールタワーを建設予定で、標準化・集中化された輸送サービスの提供を目指す。また、最新の自動パレット保管・検索システム、ロボット技術などのデジタル化への投資も継続し、デジタル化・自動化の推進により、2024年までに450人の雇用を創出する見込み。

DHLサプライチェーン東南アジアのアンドリース・レティーフ最高経営責任者(CEO)は、東南アジアにおける倉庫容量や労働力を増加させ、持続可能性への取り組みを拡大するため、今後5年間で投資を行っていくと説明。サプライチェーンの世界的な再編成が進んでおり、マレーシアでは特に製造業においてその恩恵を受けるとし、数多くの自由貿易協定に参加しているマレーシアは、調達先の多様化を目指す企業にとって魅力的な選択肢となっていると述べた。
(エッジ、10月17日)

デジタルデザイン会社フォーデジット、KLに子会社設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 デジタルデザインのフォーデジット(本社・東京都港区)は18日、クアラルンプール(KL)に子会社フォーデジット・マレーシアを設立したと発表した。同社にとり、バンコク、ホーチミンに続く、3カ所目の海外拠点となる。

フォーデジット・グループがデジタルデザイン業界で培った20年以上の経験と実績を基盤に、日本・東京本社と各拠点が連携することで、急成長する東南アジアのデジタルデザイン市場でデザインの価値を提供していく。同社の執行役員・クリエイティブディレクターとして、アジア各国でのプロジェクトリード・クリエイティブ・人材育成に従事してきた横山太志氏が、フォーデジット・マレーシアの代表取締役最高経営責任者(CEO)に就任した。

フォーデジット・マレーシア設立に伴い、クアラルンプールに拠点を置く、ウェブおよびモバイルアプリ開発のスナッピーモブ社との間で資本業務提携契約も締結した。マレーシア市場におけるデジタルデザインのニーズ把握に加え、スナッピーモブの開発力とフォーデジットのデザイン力、両者の強みを活かして一貫したサービス提供が可能となるという。プロジェクト規模やデリバリー範囲も拡大し、価値創造の可能性が広がることが期待できるとしている。

興亜電工、マラッカ新工場開設に向け10億リンギを追加投資

【クアラルンプール】 電子部品のKOA(本社・長野県上伊那郡)の現地法人興亜電工(マレーシア)は、マラッカ州での新工場設立に向け10億リンギを追加投資することを明らかにした。同社は2022年12月に「7億5,000万リンギを投じ、同州アイル・ケローに新工場を建設する」と発表していた。

新工場の起工式に出席したマラッカ州のアブドル・ラウフ・ユソー首相は、新工場はアイル・ケロー・エコパーク内の8.37ヘクタールの土地に建設され、2025年に完成予定で、950人の雇用機会を創出する見込みだと述べた。興亜電工の製品は自動車、産業機器、電気通信分野などのグローバル・メーカーに供給されており、2028年末までにチップ抵抗器の月産82億個を達成し、雇用機会は1,820人まで増加するとしている。興亜電工は、州内の技術職業教育訓練(TVET)機関と協力し、技術訓練を行い、卒業生への雇用機会も提供しているという。
(エッジ、ベルナマ通信、10月17日)

ICTとEコマース、昨年のGDPへの寄与率は23%=統計局

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は、2022年の情報通信技術(ICT)および電子商取引(Eコマース)に係るサテライト勘定を発表した。ICTとEコマースの国内総生産(GDP)への寄与率は23.0%で、金額にして4,123億リンギとなり、前年の3,593億リンギを上回った。

ICT産業の粗付加価値(GVAICT)は、2,437億リンギとなり前年比で12.4%増加した。内訳は、ICTサービスが41.9%、ICT製造が38.4%、ICT貿易が14.0%、コンテンツ・メディアが5.7%となった。

EコマースのGVAICTは2,391億リンギで前年比18.9%増加した。GDPへの寄与率は13.3%だった。

ICT製品の輸出高は4,445億リンギとなり、前年から24.9%増加し、輸入高は3,088億リンギとなり18.5%増となった。

ICT産業の雇用者数は122万人で、前年比1.0%増加し、国内全体の7.9%を占めた。内訳はICT製造が36.1%、ICTサービスが29.3%、ICT貿易が21.7%となった。