国内3軒目のハードロックホテル、ゲンティンハイランドに開設へ

【クアラルンプール】 アジア最大規模となる客室数1,001室のハードロック・ホテルが、2027年にパハン州ゲンティン・ハイランドの複合開発「キングス・パーク」にオープンする。ペナン州バトゥフェリンギおよびジョホール州デサルに続く国内3軒目のハードロック・ホテルとなる。

ハードロック・ホテルを運営するハードロック・インターナショナルとHRホテルズ・アンド・レジデンシーズが14日、新ホテル建設に向けた契約を締結した。

「キングス・パーク」は総開発価値(GDV)100億リンギのプロジェクトで、今年6月に正式に開発がスタート。21エーカーの面積を有し、商業・レジャー施設を建設する。ホテルチェーンの仏アコーホテルズも4月に、マレーシア初となる5つ星ホテル「スイスホテル」を同地に2028年第3四半期に開業すると発表していた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月16日)

外国人の住宅購入に対する印紙税導入、開発業界は懸念を表明

【クアラルンプール】 2024年度予算案で発表された、外国人(永住者を除く)、外資企業による住宅購入に対する4%の印紙税賦課について、不動産・住宅開発業者協会(Rehda)のNKトン会長は、住宅購入意欲をそぎ、外国人の長期滞在を可能にするマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)への申請に悪影響を与えると懸念を表明した。住宅価格の抑制が印紙税導入の意図だ。

一方で政府はMM2Hの申請要件を緩和する方針で、トン会長は「詳細情報の提供を待ち望む」と歓迎を表明した。

住宅融資保障スキームの保証枠を100億リンギに拡大する計画について、4万人の国民の住宅所有を可能にするもので、非正規労働者の住宅所有を後押しすることが期待されると述べた。

マンションなど集合住宅の売却の条件を、区分所有者100%の同意から、シンガポール並みの80 90%の同意に緩和することについて、住民の意思をより反映したものになると賛意を示した。

オンライン不動産仲介サイト大手のプロパティーグルは、国民住宅プログラムの継続に対する予算(5億4,600万リンギ)について、手頃な価格の住宅供給を増やすことは不動産市場の安定につながるとした。
(マレーシアン・リザーブ、10月14日、エッジ、10月13日)

売上サービス税率引き上げ、現時点で影響判断は困難=小売業界

【クアラルンプール】 13日に発表された2024年度予算案の中に売上・サービス税(SST)税率を6%から8%に引き上げる内容が盛り込まれたことについて、小売業団体のリテール・グループ・マレーシア(RGM)は、実施に関する詳細が明らかにされていないことから現時点で影響を判断するのは難しいとの考えを示した。

RGMのタン・ハイシン代表は、一度に2%引き上げられるのか、それとも段階的に少しずつ引き上げられるのか分からないため、現時点では影響について判断できないとした上で、SSTの上昇は間違いなく小売支出に影響を与えるだろうと言明。

「食品、飲料、通信セクターは税率引き上げの影響を受けないが、飲食店の小売価格は税率アップに伴って上昇し、この値上がりは輸入業者、流通業者、物流会社、不動産所有者を含む食品サプライチェーン全体に影響を与えるだろう」と述べた。

一方、贅沢税については、「高級ブランドにお金を払う用意がある富裕層の消費者は、税率がアップしても喜んで支払う。売り上げに影響が出るとは考えていない」と指摘。ただ何が対象となる高額商品に当たるのか明らかにされていないとし、具体的な定義に欠けていると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、10月15日)

静岡銀行、CIMBバンクと提携でマレーシア進出を支援

【クアラルンプール=マレーシアBIZ】 静岡銀行(本店・静岡県静岡市)は12日、マレーシアの金融大手CIMBバンクとの間で、同日付けで業務提携契約を締結したと発表した。

マレーシアに進出済み、あるいは進出を検討している静岡銀行の顧客企業に対し、CIMBの金融サービスを提供することで支援体制の強化を図る。CIMBは、日本語が堪能なスタッフを配置したジャパンデスクを有しているため、現地で日本語によるサービスを受けることが可能となる。また、CIMBから、マレーシアで事業を展開するために必要となる外貨管理制度や法令、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証などの情報を迅速かつタイムリーに入手できるようになるという。

静岡銀行では、6 つの海外拠点と 16の提携金融機関とのネットワークを活用し、顧客企業の海外事業展開の支援に取り組んでいる。また、CIMBは、静岡銀行がインドネシアで提携するCIMBニアガ銀行を含む CIMB金融グループ企業を統括しているため、今後は、同グループ内企業との協業も可能となるなど、海外でのサポート体制の拡充を見込んでいるという。

ロームワコー、マレーシア工場で新棟が完成

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 電子部品のローム・ワコー(本社・岡山県笠岡市)は13日、クランタン州コタバルにあるグループ製造子会社、ローム・ワコー・エレクトロニクス(マレーシア)(RWEM)の工場に建設していた新棟が完成し、竣工式を行ったと発表した。

新棟は地上3階建てで、建築面積は9,860平方メートル、延床面積は2万9,580平方メートル。今後、製造装置の導入を進め、2024年10月より稼働予定で、RWEM全体の生産能力は最終的に約1.5倍になる見込みだ。

RWEMはこれまでダイオードやLEDなど小信号デバイスを中心に生産していたが、新棟ではアナログICの注力商品の一つである絶縁ゲートドライバの生産を開始する予定だ。需要が拡大する絶縁ゲートドライバICを中心にアナログICの生産能力を強化する。

RWEMの生産能力強化を図るとともに、BCM(事業継続マネジメント)の観点からアナログIC生産工場の多拠点化を推進する。省エネルギー技術を用いた設備を導入し、環境負荷軽減(従来比CO2 約15%削減見込)に努めるとともに、最新の各種災害対策を導入することによりBCM体制の一層の強化を図る。

ローム・ワコーは、絶縁ゲートドライバは、IGBTやSiCといったパワー半導体を最適に駆動させるためのICで、電気自動車や産業機器の省エネ、小型化を実現する上で重要な役割を果たすため、需要の拡大が期待されるとしている。

なおRWEMは、2024年1月に社名をローム・エレクトロニクス(マレーシア)に変更する。

MYエアライン運航停止、12.5万人に影響か

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 新興格安航空会社のMYエアラインが12日に突如、「深刻な財務問題」を理由に運航を停止すると発表した問題で、同日だけで5,000人の利用者に影響が出たことが分かった。

空港運営会社、マレーシア・エアポーツ・ホールディングス(MAHB)によると、MYエアラインの事業停止発表により12日は国内線39便とバンコク線が運休となり、5,000人が影響を受けた。

アンソニー・ローク運輸相は、MYエアラインから提供された来年3月までの航空券販売情報に基づくと、影響を受けている航空券購入者は12万5,000人と推定され、被害額は推定2,000万リンギに上ると指摘。「MYエアラインはマレーシア航空委員会(Mavcom)に対して払戻しを約束している」とした上で、Mavcomに対しては対策本部を設置するよう求め、中央銀行バンク・ネガラにはすべての購入者が確実に払い戻しを受けられる仕組みを模索するよう促す方針だと述べた。

ローク氏はまた、MYエアラインの航空運送事業サービス許可(ASL)のステータスを決定するための会議を、Mavcomが早急に開催する方針だと述べた。

米マイクロン、ペナンに第2工場を開設

【バトゥ・カワン】 米半導体大手、マイクロン・テクノロジーは13日、ペナン州のバトゥ・カワン工業団地に2カ所目となる組立・テスト施設を開設した。同社のペナンにおける新工場設立は、2015年にプライ工業団地に最初の工場を設立して以来となる。

マイクロン・テクノロジーは、昨年12月にペナンにおける第2工場設立計画を公表しており、それによると投資額は10億米ドル(44億リンギ)(削除)で、工場の総面積は150万平方フィートに拡大する。

マイクロンのNAND運用組立・テスト担当のアマルジット・サンドゥ副社長は、新施設の開設によりサイクル・タイムを短縮し、高品質の製品を大規模かつ納期通りに顧客に提供できるようになると述べた。

開所式に出席したチョウ・コンヨウ州首相は、マイクロン・テクノロジーが第1、2工場を合わせて累計20億米ドル(94億6,000万リンギ)(削除)を投資し、合計4,500人分の雇用を創出したと賞賛し、マイクロンによる将来的な投資拡大に期待を示した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、10月13日)

太陽誘電、サラワク州の積層セラミックコンデンサ新工場が完成

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 太陽誘電(本社・東京都中央区)は12日、マレーシア子会社である太陽誘電(サラワク)が、2021年9月からサラワク州クチンで建設中だった新工場を完成させ、竣工式を行ったと発表した。

中期的な積層セラミックコンデンサの能力増強計画の一環として、約200億円(建屋のみ)を投じ、新工場を建設した。新工場の延床面積は約7万3,000平方メートルで、建築面積は約3万8,000平方メートル。太陽光発電の導入や各種設備の効率化による省エネや創エネなどを通じて温室効果ガス削減に貢献し、環境にも配慮した最先端の工場となる。

太陽誘電は今後も、エレクトロニクス機器の進化を支える電子部品を開発するとともに、顧客企業へのタイムリーな供給を目指していく方針だ。

2024年度予算案発表、歳出規模は3938億リンギに拡大

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は13日、下院議会に2024年度(2024年1月1日ー12月31日)予算案を提出した。

予算案のテーマは「経済改革と国民のエンパワーメント」で、▽サービスの迅速性のための最良のガバナンス▽成長を加速させるための経済改革▽国民生活水準の向上ーーの3つに注力する。

来年の国内総生産(GDP)成長率が4ー5%になるとの予想から、予算規模はGDPの19.9%に相当する3,938億リンギとし、今年度の3,881億リンギを上回った。

歳入予想は3,076億リンギで、今年度の3,032億リンギを上回る見込み。財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は2022年の5.6%、2023年の5%を下回る4.3%にとどまる見通しだ。

一般歳出は全体の77.1%を占める3,038億リンギで、今年度の2,891億リンギを上回った。省庁別では教育省が587億リンギで最も多く、保健省が412億リンギで続いた。一方、開発予算は900億リンギで、今年度の990億リンギを下回った。

対象を絞った補助金制度は、来年度から段階的に導入する。補助金合理化による余剰金はラーマ(慈悲)現金援助制度に基づく現金給付予算の増額に当てる。

サービス税を6%から8%に引き上げる。ただし食品・飲料・通信は対象から除外する。

非上場企業株売却におけるキャピタルゲイン税10%を2024年3月1日から実施する。また宝飾品や高級腕時計など一部の高額商品を対象に、5ー10%の贅沢税を課税する。

電子インボイス制度を、年間売り上げ1億リンギ超の会社を対象に、2024年8月1日から義務化する。1億リンギ以下の企業に対しても、2025年7月1日までに段階的に義務化する。

再投資税優遇措置を、70%または100%の再投資税控除の形で「階層化」ベースで実施する。

電動バイクの普及を目指し、年収12万リンギ以下を対象に2,500リンギの補助を行う。また充電施設の使用料につき、4年間で最大2,500リンギを所得税控除とする。ネットメータリング(NEM、太陽光発電と消費電力を相殺する仕組み)を2024年12月31日まで延長する。

社会保障機構(SOCSO)制度における、対象給与の上限を6,000リンギに引き上げる。

グローバル・ミニマム課税(GMT)については、2025年に導入する予定。連結売上高7億5,000万ユーロの多国籍企業(MNC)に対し事業を行う場所で15%課税するというもので、税逃れを防ぐ狙いがある。

2021年10月に大幅に厳格化された、外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムについては見直しを行う。

東マレーシア向け開発予算をサラワク州に58億リンギ、サバ州に66億リンギをそれぞれ割り当てる。

パナソニック、ペナンのカーオーディオ工場でCO2排出ゼロ達成

【クアラルンプール】 パナソニックのグループ企業で、自動車用オーディオやナビゲーション・システムを製造するパナソニック・オートモーティブ・システムズ・マレーシアは、同社のペナン工場がCO2排出ゼロを達成したと発表した。

同工場は、敷地面積10万700平方メートル、建物面積2万8,430平方メートルで、国際規格であるISO14001認証を取得。給水ポンプ、照明、空調・冷却システムの機器交換、人感センサーの設置、空気漏れ対策などによるCO2排出量の削減に取り組んできた。2018年10月には、工場全体の電力消費量の0.8%を発電する小型太陽光発電システムを設置している。エネルギー消費量を年間3.0%削減することを目指しており、2024年3月までに工場の屋上に3,284枚のソーラーパネルを設置し、工場使用電力の20%を賄う予定。

同社の鈴木太比呂社長は、マレーシアの「2050年までのカーボンニュートラル」という目標達成に向けた取り組みに足並みを揃えるため、ペナン州環境局と常に協議しているとし、CO2排出ゼロの工場を維持し続けるには、経営陣と従業員双方の貢献が必要だと強調。工場では、エアコンの代わりに低速ファンを設置し、休憩時間には照明を消灯するなど、持続可能な省エネ慣行を取り入れており、従業員の協力と参加に心から感謝していると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月12日)