【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアを公式訪問した岸田文雄首相は5日、域内の平和や安定性の維持において、マレーシアとの協力を強化したいという考えを明らかにした。北朝鮮の核開発や中国の東シナ海・南シナ海における領海主張などにより、域内の安全への懸念が生じていることが背景にある。

岸田首相は、国営「ベルナマ通信」の書面インタビューに対し、外務大臣としてマレーシアを訪問した2015年に、両国間の関係が「強化されたパートナーシップ」から「戦略的パートナーシップ」に格上げされたとし、インド洋と太平洋を結ぶ重要な海上交通路に位置するマレーシアと一層連携を深めていきたいと回答した。

具体的には、サプライチェーンの強靭化やマレーシアが注力しているデジタルおよびグリーン分野などでの協力を強化していくとした。また、マレーシアが優位性を持つ、文化の多様性やイスラム金融・ハラル(イスラムの戒律に則った)分野において日本はマレーシアから学び、イスラム諸国やASEAN(東南アジア諸国連合)諸国への市場拡大を図るなど、ビジネスチャンスを広げていきたいと述べた。