【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本板硝子(本社・東京都港区)は9日、マレーシアにおいて進めていた太陽電池パネル用透明導電膜(TCO)付きガラス製造設備の新設工事が完了し、火入れを完了したと発表した。

本投資では、マレーシア国内を中心に建築用ガラス、自動車用ガラスの製造・販売を行っている現地企業、マレーシアン・シートグラスのジョホールバル工場にあるフロート窯にオンラインコーティング設備が新設された。12月より太陽電池パネル用TCOガラスを生産する予定。

本投資は、長期にわたる戦略的パートナーである米ファーストソーラーの生産拡張方針に沿って進められたもの。生産されたガラスは、同社の東南アジア地域の太陽電池パネル製造拠点に供給される。ファーストソーラーは米国の大手ソーラーテクノロジー企業であり、環境効率の高いソーラーモジュールの世界的プロバイダー。日本板硝子は、戦略的パートナーであるファーストソーラーをはじめとする太陽光パネルの世界的な需要増大に対応するため、2020年1月にベトナムで2窯目の太陽電池パネル用ガラスの専用フロートライン、同年11月に米国オハイオ州ラッキーで新工場を稼働させており、いずれも生産製品をファーストソーラーに供給している。

日本板硝子は、中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」に掲げる施策の一つとして、「高付加価値事業の拡大」を進めており、独自のオンラインコーティング技術をベースとした太陽電池パネル用ガラスの拡大は、この取り組みの一環であると同時に、再生可能エネルギーの普及をはじめとする地球環境保護にも貢献する。今後も中期ビジョン「高付加価値の『ガラス製品とサービス』で社会に貢献するグローバル・ガラスメーカーとなる」の実現に向けた努力を続けていく方針だ。