【クアラルンプール】 KDDI(本社・東京都千代田区)は、マレーシア現地法人KDDIマレーシアを通じ、マレーシアにおけるコメ栽培の脱炭素化を支援すると発表した。

具体的には、アグリテック(革新的農業技術)企業のアグロクラウドおよび北部回廊経済圏(NCER)の推進母体であるマレーシア北部回廊実行庁(NCIA)と協力し、新たなコメ栽培手法を取り入れることで、水田からのメタン放出量削減を目指す。

アグロクラウドはクラウドサービスのキーアライアンスグループの子会社で、2017年に設立。IoT(モノのインターネット)、衛星、ドローンなどを統合した作物別意思決定支援システム(DSS)を開発している。

KDDIマレーシアは、本プロジェクトでアドバイザーの役割を担い、マレーシアおよび地域全体でプロジェクトを拡大するために必要なソフトウェア開発に対し、技術知識を提供する。プロジェクト期間は1年半の予定。

KDDIマレーシアの松浦真樹社長は、マレーシアの低炭素経済への移行を支援しているとし、本プロジェクトでは、農作業で排出される温室効果ガスを削減する技術の開発・実施を目指すと述べた。具体的には、代替湿潤乾燥技術や直接播種米の採用、バイオ炭の使用、メタン集約度の低い新品種の導入などだとしている。

アグロクラウドのヴィシュヌ・ナイール社長は、脱炭素化は国の持続可能な開発目標の達成に向けた重要なステップであるとし、本プロジェクトは、温室効果ガスの排出を削減するだけでなく、炭素クレジットの販売により、コメ農家に新たな収入の道を開くことになると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月22日)