アンワル首相個人の支持率が50%に低下=ムルデカ調査

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 世論調査機関、ムルデカ・センターが発表した最新調査によると、経済を中心とした与党政権の政策に対する批判を背景に、アンワル・イブラヒム首相個人に対する支持率は50%に低下した。

同調査は10月4日から24日にかけて行われ、18歳以上の男女1,220人が回答した。アンワル首相の支持率は、政権発足直後の2022年12月は68%を記録したが、その後低下し、8月調査では55%まで下落していた。一方、政権発足当時に19%だった不支持率はその後上昇し、最新調査では43%となった。

国の方向性については、「正しい方向に向かっている」との回答はわずか31%で、「誤った方向に向かっている」は60%に達した。「誤った方向・・・」と回答した理由については、56%が「経済の懸念」を挙げ、政治的不安定(13%)を大きく引き離した。最大の懸念について「経済」だとする回答は77.8%に上り、「民族差別・二極化」(2.9%)、「リーダーシップの不足」(1.4%)を大きく引き離した。

民族別でみてもマレー系、華人、インド系はいずれも「誤った方向・・・」が「正しい方向・・・」を上回っており、中でもマレー系は67%が「誤った方向・・・」と答えた。年齢層別でみても、いずれの年齢層も「誤った方向・・・」が「正しい方向・・・」を上回った。

アンワル政権のパフォーマンスについては、「満足」は41%で、「不満」(41%)と同率。「怒っている」は7%に達した。政権発足直後は「満足」が54%に達していた。

民族別でみると、特にマレー系では「満足」は27%と低く、「不満」と「怒っている」の合計は60%に達した。ただ華人だけは「満足」が64%で、「不満」および「怒っている」を上回った。

グラブが料金交渉制を試験導入、アプリでドライバーを指名

【ペタリンジャヤ】 配車サービスのグラブ・マレーシアは料金交渉方式を特定の地域で試験導入した。「ライフスタイルテク」の取材に対しグラブが明らかにした。

グラブのパートナードライバーが使っているアプリケーション内の学習セクション「グラブアカデミー」に交渉方式が組み込まれている。交渉方式を選択するかは、ドライバー側、利用者側とも自由。

交渉方式への参加を希望するドライバーは、アプリで申し込み操作をする必要がある。交渉方式を開始できるのは利用者側で、まず目的地までの料金をアプリ上で提案する。

ドライバー側は15秒以内に、提案された料金の受け入れを表明する、あるいは別の料金を提案することができる。ドライバー側の提案料金はアプリに表示される。
どの提案を選ぶかは利用者の自由。選ばれてから15ー20秒以内に決定はドライバーに通知される。

グラブ・マレーシアは、料金交渉制は、より透明で柔軟な料金体系の構築に役立つとしている。
(ザ・スター、11月22日)

TRXトンネルが29日開通、交通量30%削減の見通し

【クアラルンプール】 アレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は22日、全長5キロのトゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)地下トンネルが29日開通することで、クアラルンプール(KL)市内への交通量が30%削減される見通しだと述べた。

KL国際金融地区TRXのインフラ工事を視察したナンタ大臣は記者団に対し、TRXトンネルとSMARTトンネルは環状となっており、周辺道路の交通量を増加させることなくTRXにアクセスできるようになると説明。トンネルを通り抜けた後にTRXの地下駐車場に直接乗り入れることができると述べた。

ナンタ大臣によると、TRXトンネルは、ガダン・エンジニアリング(M)とWCTにより建設され、車両用と配管設備用の2層で構成されている。ウェイズ・ビーコンを設置することで、GPS信号が途絶えるトンネル内でも、マレーシアで広く利用されているカーナビアプリ「ウェイズ」が利用可能となっている。

ナンタ大臣は、TRXトンネルは、ジャラン・スルタン・イスマイル、マジュ高速道路(MEX)、セティアワングサ・パンタイ高速道路(SPE)など、12の主要道路とTRXエリアを結ぶため、周辺地域の経済活性化も見込めると述べた。

29日には、日本の西武百貨店も入居する「エクスチェンジTRX」商業施設やその屋上に位置する10エーカーの「TRXシティパーク」も開設される。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、11月22日)

サステナブルフードアジア、フードテック企業イベントを開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 東南アジアのフードテック企業と日本企業を繋ぎ、サステナブルな食材の研究開発を支援するサステナブル・フード・アジア(本社・東京都渋谷区)は22日、アジアのフードテック産業の推進を促し、食品業界の地球課題解決にビジネスで挑む、第2回「サステナブル・フード・キャンプ(SFC)2024」を2024年2月28・29日に開催すると発表した。

マレーシア・サイバージャヤに位置するスタートアップのインキュベーション施設「レカスケープ」に約100社200人が集結し、ミッション「サステナブルフードの創造と拡大」に繋がる新プロジェクトの創出を目指す。

「SFC」では、アジアフードテック産業と日本企業の連携を奨励し、パネルディスカッション、食に関するキーテーマを複数設けたラウンドテーブル、参加企業が研究・開発する食材や料理の試食会等、通常のカンファレンススタイルとは異なる多彩なプログラムを行い、最終的には目指す未来を実現するための事業構想ディスカッション・ピッチを実施する。なお、2023年2月に開催した第1回SFCである「SFC2023」からは、複数の食にまつわる共創に向けた取り組みがスタートしている。

イベント前日の2月27日には、2022年末にオープンしたマレーシア味の素社の見学を含むファクトリー・マーケットツアーも計画されている。現在、「SFC2024」への参加企業を募集しており、最新情報は特設サイトやSNSを通じて随時発信していく。

第一三共が反論、IHHからの損害賠償訴訟受け

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 第一三共(本社・東京都中央区)は22日、マレーシアの病院経営大手、IHHヘルスケアから起こされている損害賠償訴訟に言及し、問題となっているIHH子会社によるインド医療会社の買収に際して、第一三共側が違法な妨害を行った事実はないと主張。裁判で正当性を主張していく考えを示した。

IHH子会社のノーザンTKベンチャーズ(NTK)は、2018年にインドの医療会社フォルティス・ヘルスケアを買収するため株式の公開買い付けを行おうとしたが、第一三共が不当に妨害したと主張。200億円の損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。

第一三共は声明の中で、NTKによるフォルティスの公開買付停止は、2016年4月29日付のランバクシー元株主に対する仲裁判断に基づき、適正な手続にしたがってインド最高裁判所の指示でなされたものだと主張。13日付けで訴状を受け取っているが、NTK側はインド最高裁判所やインド市場規制当局に対しても、公開買付を認めるよう申し立てを行っているが認められていないと指摘し、NTK側の主張には根拠がないとした。

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