今年のインフレ率予想、エコノミストらが下方修正

【クアラルンプール】 エコノミストらは、今年通年のヘッドライン・インフレ率予想を2.5ー2.7%に下方修正した。

MIDFリサーチは、当初3%としていた予想を2.7%に引き下げた。年初10カ月の食品の平均インフレ率が前年同期比5.3%となり、予測よりも伸び率が緩やかになるのが早かったためと下方修正の理由を説明した。

また、UOBも今年通年のヘッドライン・インフレ率予想を2.8%から2.5%に引き下げた。年末までに値上げ案は出ていないとして、ヘッドライン・インフレ率は下降傾向を維持し、11月と12月は平均で1.7%程度になる可能性が高いとし、下方修正を実施したと明らかにした。

一方でRHBは、今年通年の予想は2.6%で据え置いたが、2024年については3.3%と予想した。

統計局の発表によると、1ー10月の消費者物価指数(CPI=2010年を100として算出)は、前年同期比で2.7%上昇。10月単月でも前年同月比でプラス1.8%にとどまり、9月の1.9%、8月の2%から伸び率は減速した。
(エッジ、11月24日)

バティックエア、KLードバイ線を就航

【セパン】 航空会社バティック・エア(旧称・マリンド・エア)は、クアラルンプール(KL)ードバイ間で直行便を就航した。

同便は11月11日より運航を開始しており、両国を行き来する出張者および観光客に恩恵をもたらすと期待されている。

クアラルンプール新国際空港(KLIA)発ドバイ国際空港(DXB)行き「OD713」便は、月、水、金、日曜日、週4回の運航で、KL発が23時5分、DXB着が翌2時25分。DXB発KL行き「OD714」便は月、火、木、土曜日、週4回の運航で、ドバイ発が4時5分、KLIA着が15時35分。使用機材は、ボーイング「737-8」型機で、ビジネスクラスが12席、エコノミークラスが150席となっている。

バティック・エアは、新路線就航について、グローバル・ネットワークを拡大し、KLとドバイ間のアクセスを容易にするという取り組みを示すものだと説明。今年8月15日に就航したサウジアラビア・ジェッダ線の成功に続き、中東地域への接続性を拡大するという重要な成果を示すものだとした。
(ザ・サン電子版、11月23日)

サイバーセキュリティ法案、年内に下院提出へ=首相

’【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は24日、現在サイバーセキュリティ法案を起草しており、年内に下院に提出する予定だと明らかにした。閣議でもすでに合意が行われたとしている。

首相代理として「サイバーセキュリティ法案に基づく能力開発プログラムおよび公開対話セッション」に出席したモハマド・ハサン国防相は、10月現在で2,674件のサイバー攻撃が報告されているなど、セキュリティへの脅威が増していることから、強固なサイバーセキュリティの枠組み構築が急務だと言明。「マレーシア・サイバーセキュリティ戦略2020-2024(MCSS)」に、サイバーセキュリティ法制の策定が含まれており、この法案では、既存の法律を補完する法的枠組みを構築し、サイバーセキュリティに対する包括的かつ効果的なアプローチを確立することを目指すと述べた。

モハマド大臣はまた、国内にはサイバーセキュリティ専門家が不足しているとし、2025年までに少なくとも2万5,000人の専門家が必要だが、現時点では1万3,000人のみであるため、専門家育成のために政府、教育機関、業界関係者の協力が不可欠だと述べた。専門家育成の一環として、セキュリティエンジニア向け教育および認定資格を提供する米ECカウンシルの協力を得て、2,000人を対象とした500万リンギの奨学金基金を設立するとしている。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月25日、エッジ、ベルナマ通信、11月24日)

日系eeevo、トゥンフセインオンマレーシア大学と産学連携へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本と東南アジアで事業を展開する日系IT企業のeeevoグループは、マレーシアで人材コンサル事業を展開する傘下企業JMビジネス・エシックス・コンサルタンシー(JMBEC)が21日付けで、ジョホール州の国立大学トゥン・フセイン・オン・マレーシア大学(UTHM) との間で基本合意書を締結したと発表した。

JMBECはUTHMと産学連携し、スタッフや研究者の共同研修、専門知識の交換、その他両機関が相互に合意する協力分野などにおいて協力していく。

UTHMのアズミ・アブドル・ラティフ准教授は、異なるコミュニティの文化を学習することは、異文化理解、異文化間能力を高める手段となり、逆に異文化間能力の欠如は、多くの問題を引き起こす可能性があるとコメント。社会人になる前に異文化間能力を高めておくことは有益で、学生にとって良い経験になるとし、両者の連携から多くのことを達成し、両者に利益をもたらすことを願っているとコメントした。

JMBECのイスラミ・イスマイル取締役は、シラバス化された日本のビジネスマナーをマレーシアの大学生にも普及させていきたいとし、UTHMの周辺にある多数の日本企業の従業員に対してもビジネスマナーの普及を行っていきたいと述べた。

JMBECとUTHMは、広範な学術コミュニティにも利益をもたらす、持続可能な協力の基盤を築くことに貢献していく方針だ。

セブンイレブン、常温倉庫を年内に全面稼働

【クアラルンプール】 セブン・イレブン・マレーシア・ホールディングスは、サプライチェーンのインフラ強化に向け、同社初となる自社常温倉庫を年内に全面稼動する計画だ。

同社がブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、倉庫面積は30万平方フィート。在庫保管モデルに基づき出荷作業を自動化することで、納期短縮、棚可用性やピッキング精度の向上などを図り、国内2,000店舗への流通効率化を目指す。

同社の2023年第3四半期(7ー9月)の売上高は、前年同期から7.1%増の7億531万リンギ。純利益も5.3%増の1,438万リンギとなった。祝祭シーズンに支えられコンビニ部門が好調で、店舗当たりの客数や平均売上高が増加した。一方、年初9カ月間の売上高は前年同期比14.4%増の20億8,928万リンギ、純利益は同13.1%減の5,543万リンギにとどまった。

セブン・イレブンは今後について、世界的なサプライチェーンの混乱、労働力不足、最低賃金引き上げ、金利上昇、インフレを背景としたコスト圧力などの下振れリスクについて引き続き注視していくと述べた。コンビニ部門では、淹れたてのコーヒーやホットスナックを提供する「7カフェ」の展開に引き続き注力する。セントラルキッチンを年内にフル稼働させ、首都圏1,000店舗に食品を提供していく。7月に発表した、傘下企業ケアリング・ファーマシー・グループの売却については、売却で得られる現金収入をコンビニ部門の戦略的取り組みに再投資するとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月24日、セブン・イレブン発表資料)