グッドモーニング、国内初のドライミックス植物肉を発売開始

【クアラルンプール】 フードテック企業グッドモーニング・グローバル・グループ・ホールディングス(GMG)は16日、国内初となるドライミックスの完全栄養植物肉「ワンダーミート」を発売した。

大豆とエンドウ豆のタンパク質が主成分で、28種類のビタミンとミネラルが含まれている。高齢者の筋肉量を向上させるHMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)が強化されている一方、トランス脂肪酸やコレステロールは含まれていない。調理がしやすく冷凍・冷蔵も不要なドライミックス形態で、小売価格は1パック5.5リンギ。

GMGグループのチェン・ファンチン最高経営責任者(CEO)兼最高財務責任者(CFO)は、ワンダーミートは天然素材にこだわって作られており、食の安全に向けて徹底的な検査が行われていると言明。ワンダーミート1食分でタンパク質18.4グラム(1日の栄養基準値の37%に相当)が摂取できると述べた。さらにGMGは持続可能性への取り組みとして、環境に配慮した調達・生産方法を採用しているとした。

チェン氏はまた、健康や持続可能性に対する意識向上により、植物肉市場は急速に進化しているとし、GMGは、ワンダーミートの利点や健康志向で持続可能なライフスタイルにおける役割を伝えるために、マーケティングや教育キャンペーンに取り組む予定だと述べた。現状、ホテルやレストランへの販促活動を行っており、飲食店でワンダーミートを使用した料理を展開する予定だとしている。
(ザ・サン、11月21日)

豆腐の染野屋、 KLに日本式豆腐店「大江戸豆富」を開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 豆腐小売老舗の染野屋(本店・茨城県取手市)は20日、同社の海外第2号店としてクアラルンプール(KL)に日本式の豆腐工場を開設。今月より試運転・テスト販売を開始したと発表した。

昨年始動したスペイン・バルセロナ店に続くもので、ブランド名は「大江戸豆富」。染野屋とマレーシア在住の実業家恵島良太郎氏との合弁会社(JV)であるスリー・ビジン・シスターズにより運営される。恵島氏はKL在住12年で、飲食店やアプリ開発などの事業運営を手掛けている。

スリー・ビジン・シスターズ代表である恵島真理子氏は、プレ販売では日本人だけでなくマレーシア人からの反応もよく、本物の豆腐に対する需要があることが確認できたと言明。今後は、豆腐・豆乳を使用したスイーツやフードを提供するカフェを作り、さらなる市場拡大を目指す意向で、将来的には健康美容に良い豆腐から派生した、化粧品やサプリなどの製造販売まで事業を展開していきたいと述べた。

日系3社、ペトロナスとCCS事業化の基本契約を締結

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 石油資源開発(JAPEX、本社・東京都千代田区)、日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)、川崎汽船(本社・東京都千代田区)の3社は20日、マレーシアにおける二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)の事業化実現に向けた検討の実施で国営石油会社、ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)子会社のペトロナスCCSベンチャーズ(PCCSV)と合意し、9月22日、基本契約を締結したと発表した。

マレーシアCCSの事業化は2022年1月にペトロナスとJAPEXにより開始され、同年7月の日揮子会社である日揮グローバルと川崎汽船の参加後は4社で進めてきた。4社による共同スタディにおける、CO2地下貯留能力、CO2排出源からの海上輸送や圧入方法などの調査を踏まえ、マレーシア海域の枯渇油ガス田群および付帯する塩水帯水層を貯留対象とすることが、CO2圧入の実効性、早期の事業実現可能性を極大化すると判断、事業化検討実施を決めた。

今後、2024年の基本設計作業開始とその後の建設作業を視野に入れた具体的な準備作業に着手し、マレーシア国内で排出されるCO2に加え、日本など海外で回収されたCO2を船舶輸送し、海底下への圧入・貯留を2028年末に開始することを目指し、マレーシア国内のCO2を収集する陸上設備からのCO2輸送パイプラインの敷設、船舶輸送される液化CO2の受入設備、海洋圧入設備など、必要な設備の仕様や費用の積算、事業スキームなどの詳細な検討を進めていく。

PCCSVと日本側3社は、2020年代中盤の事業化決定と2028年末の操業開始を目指しており、目標とするCO2圧入量は、事業開始時点でマレーシア国内および日本を含む同国外からの輸送分を合わせ年間約200万トン以上、2030年には同約500万トンとし、さらに2030年代前半には同1,000万トン以上への拡大も視野に入れている。
また、日本側3社は、JFEスチールと本年6月から進めている、日本を起点としたCCSのバリューチェーン構築の共同検討を引き続き進めることにより、今回の事業化検討との連携を図っていく。

特殊詐欺グループ7人、クアラルンプールで逮捕

【クアラルンプール】 クアラルンプール(KL)ブキ・アマンの警察本部は20日、マレーシアを拠点に日本人をターゲットにした特殊詐欺を行ったという容疑で日本人7人を逮捕したと発表した。

商業犯罪捜査局(CID)のラムリ・モハメド局長によると、7人の逮捕は在マレーシア日本大使館からの通報を受けたもので、KL市内のコンドミニアムに潜伏していた23歳から41歳の容疑者を逮捕。犯行に使ったとみられる携帯電話11台、モデムなどを押収した。

通話アプリ「スカイプ」やメッセージ・アプリを用いて日本人被害者に詐欺の電話をかけていたとみられる。銀行員になりすまして被害者に口座に問題があると伝え、詐欺グループが用意した別の口座に資金を移すよう要求していたという。

日本大使館には、容疑者の1人から「仕事のオファーに騙されて来馬し、マレーシアに到着して初めて特殊詐欺の仕事だと気づいた」との訴えが寄せられたという。
最近、東南アジアを拠点とした特殊詐欺の摘発が相次いでおり、今月に入ってからはカンボジア・プノンペンで25人、タイ・バンコクで2人が逮捕されている。
(ベルナマ通信、サウス・チャイナ・モーニング・ポスト、11月20日)

国税庁、スパークリング日本酒の商談会を開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本国税庁は21日、炭酸入りのスパークリング日本酒に焦点を絞った商談会、「awa酒協会ビジネス商談会inマレーシア2023」をクアラルンプール(KL)市内で開催した。

二次発酵による自然発泡のスパークリング日本酒を製造する蔵元が結成するawa酒(あわさけ)協会と連携して開催したもので、awa酒協会会員を含めて16の蔵元が来馬しブースを設置。招待された日本酒の輸入業者や小売業者、飲食店など70ー80社あまりに対し、試飲を交えながら合計22銘柄を紹介した。

今回の商談会に協力したawa酒協会は、厳格な品質基準と第三者機関での検査をクリアした銘柄だけを「AWA SAKE」と認定し、品質向上と普及促進、市場の拡大を目的として2016年11月に設立された。現在は32社が会員となっている。

ミシュランガイドで「デワカン」が国内初の二つ星を獲得

【クアラルンプール】 仏ミシュラン社は17日、レストランの評価を星の数で表す「ミシュランガイド」のマレーシア2024年版を発表。クアラルンプール(KL)のマレー料理店「デワカン」をマレーシア初の二つ星レストランに認定した。二つ星は、「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理店」であることを示している。

「デワカン」は昨年、「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理店」である一つ星を獲得していた。今年新しく一つ星を獲得したのは、KLのマレー料理店「ベータ」。国内各地の人気料理を、モダンなテクニックと洗練された盛り付けでアレンジしている。

また、KLとペナンの25店舗が新たにミシュラン・ガイドに掲載された。KLの「タンリン(ブキ・ダマンサラ)」が国民食ナシレマのレストランとして初めて選出されている。和食では銀座の「鮨 石橋正和」のKL店舗である「鮨正(スシマサ)」や麻布十番の鉄板焼「石垣吉田」が昨年KLに開設した「和牛割烹吉田」が掲載された。
(ザ・スター電子版、マレー・メイル、11月17日、ミシュラン発表資料)

水産庁がマレーシアなどの輸入業者を招待、三陸・常磐を視察

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本の水産庁は、三陸・常磐6県(青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉)の水産業の本格的な復興を目指し、11月19―26日の日程でマレーシアを含むアジア・中東・米国9カ国の有力輸入業者39社、53人を招いて、日本の生産現場を視察するための招待ツアーを実施している。

「三陸・常磐水産加工品輸出促進商談会」と題する今回の招待ツアーには、マレーシアからは日本産水産物の輸入実績のある有力な水産物輸入業者5社と、乾物の買付先を模索している漢方薬輸入業者1社から合計7人が参加。

20日には仙台市内のホテルにて、他のアジア・中東・米国からの招待者と合同で、終日商談会を行い、21日からはマレーシアからの招待者は、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の水産加工品会社や物産センターを視察する予定。福島県双葉町の「東日本大震災・原子力災害伝承館」も訪問する。

神戸製鋼所、マレーシアのFLNG向け熱交換器を日揮から受注

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 神戸製鋼所(本社・兵庫県神戸市)は17日、日揮グローバル(本社・神奈川県横浜市)から、マレーシアに新規設置される浮体式液化天然ガス生産プラント(FLNG)向けに、同社のマイクロチャネル熱交換器(製品名・DCHE)を受注したと発表した。

DCHEは、神戸製鋼所の50年以上にわたる熱交換器の設計・製造に関する知見を活かし、2012年に製品化されたもの。ステンレスのプレートに幅1ー2ミリメートル(mm)の微細な流路を加工・積層し、拡散接合(材料同士を密着させ、高温で加熱しながら加圧し、原子レベルで結びつける接合)を行うことで、一般的なシェルアンドチューブ構造(2重管式)のものと比較し、広い伝熱面積、コンパクト性、超高圧への耐性を有しているのが特長。その特長から水素ステーション向けの熱交換器として、世界で高いシェアを有している。

今回はFLNG用途として、大型プラント向けDCHEを受注した。神戸製鋼所は洋上浮体式設備向けにDCHEの拡販を進めていく予定で、今後も個性と技術を活かし合い、社会課題の解決に挑みつづける方針だ。

オタフクソース、マレーシア新工場の着工式を開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 オタフクソース(本社・広島市)は17日、マレーシアのグループ企業であるオタフクソースマレーシアが新工場の着工式を10日に行ったと発表した。今後の市場拡大に対応をするため生産体制を強化する。

新工場の立地はネグリ・センビラン州セレンバンにあるセンダヤン・テックバレーで、敷地面積は9,066平方メートル。投資総額は約15億円で、2024年10月にテスト稼働、2025年稼働開始を予定している。

生産品目はお好みソース、焼そばソース、たこ焼ソース、たれなどのハラル(イスラムの戒律に則った)調味料で、年産量は1,200キロリットル。新たに半自動充填設備や小袋充填機を導入し、効率的かつ、より高品質な生産体制を整え、現状の生産能力を約10倍に拡充する。

またお好み焼文化・日本食文化の発信を図るため、見学スペースやハラル調味料を使用した日本食を提案できる設備を備えた鉄板ルームを設置する。なお新工場稼働後には、セランゴール州クランにある本社は新工場に移転する予定だ。

オタフクソースマレーシアは、マレーシア国内を中心に、お好みソースなど鉄板粉ものメニューの調味料、酢やたれなどを、ハラル日本食レストランや量販店へ販売し、近年は日本市場への輸出や近隣国 のムスリム市場へ販路を拡大している。

下関市、「ふく・寿司・酒」の商談会をKLで開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 山口県下関市は20日、下関市特産品のふく(フグ)、水産品、日本酒の販路開拓を図るため、現地レストランシェフ・バイヤー向け試食商談会「下関市ふく・寿司・酒のビジネスミーティングinマレーシア2023」をクアラルンプール(KL)市内で開催した。

下関市が日本貿易振興機構(ジェトロ)と共催したもので、出展したのは▽FU▽吉田水産▽永野商店▽下関酒造ーーの4社。下関産フグについては、フグ刺身(イーサン向け)、フグみがき、フグフィレ、フグ唐揚げ、フグ干しヒレ、冷凍寿司ネタとしては、フグ、タイ、ヒラメ、タチウオ、クエなど、日本酒では、フグヒレ酒(リキュール)、フグ専用日本酒、サーモン専用日本酒が出品された。

下関市の北島洋平副市長が、下関の歴史や地理、フグに関する歴史や厳格な調理管理について解説。試食会ではフグの捌き方の実演も行われ、フグ刺しや寿司、唐揚げが出された。

国際ふぐ協会によると、日本産フグの輸出可能国は、マレーシア・シンガポール・米国・オーストラリア・ロシアの5カ国だけで、マレーシアは世界で唯一の日本産フグの自由貿易国(全ての部位を、証明書類取得等の特別手続き無しで輸出可能)となっている。ジェトロは「マレーシアでは他国産フグの輸入や食中毒も発生していることから、日本産ふぐ市場拡大に向けては、おいしさや安全性を根付かせることも必要」としている。