TGVシネマズ、TGVパビリオンブキジャリルをオープン

【クアラルンプール】 大手シネコンのTGVシネマズは、クアラルンプール郊外のショッピングモール「パビリオン・ブキジャリル」内に映画館「TGVパビリオン・ブキジャリル」を開設した。玩具メーカーの米系マテル・サウスアジアと提携し、映画館内に2,041平方フィートの子ども向け遊び場「シティ・オブ・プレイ」も設置する。

「TGVパビリオン・ブキジャリル」には、レーザーシステムと12チャンネルの音響技術を備えたIMAXシステムを国内で初めて導入した。全16ホールで座席数は1,555席。デジタルスクリーン、リクライニングシート、ゆったりとした足元スペースを備え、無料の高速Wi-Fiも提供する。プレミアムホールとして、快適な電動リクライニングチェアを有し、ブランケットやフード&ドリンクも付属するインダルジ・ホール3ホール、2人掛け用の大きなクッションが特徴的なビーニー・ホール2ホールも用意する。

タン・レイハン最高経営責任者(CEO)は新施設発表会で、TGVは、映画館を友人や家族、恋人と一緒に過ごしたくなる場所にすることを目指しており、ぜひ新しいホールを直接体験してほしいと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月14日、TGVシネマズ発表資料)

三井出資のIHHヘルスヘア、第一三共を相手取り損害賠償訴訟

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 病院経営のIHHヘルスケアは14日、インド医療会社の買収を不当に妨害したとして、日本の医薬大手第一三共を相手取り、200億円余りの損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。IHHはアジア最大規模の民間医療グループで、三井物産が32.8%の株式を保有する筆頭株主。

IHHがブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に提出した資料によると、同社は2018年、インドの医療会社フォルティス・ヘルスケアを買収するため株式の公開買い付けを行おうとしたが、第一三共が不当に妨害したという。

ロイター通信によると、第一三共がフォルティス創業者を相手取り侮辱訴訟を起こしたことを受け、裁判所がフォルティス株主の現状維持を命令したため、IHHは公開買い付けを停止したという。

IHHはシンガポールのグループ企業、ノーザンTKベンチャーズ(NTK)を通じ提訴した。NTKに対する名誉棄損行為の停止と、第一三共ホームページへの謝罪文掲載も求めた。

ホンダマレーシア、新型6代目「CR-V」の予約受付開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ホンダ・マレーシアは15日、フルモデルチェンジした6代目Cセグメント・スポーツ多目的車(SUV)「CR-V」について、全国のホンダ・ディーラー101カ所で予約受付を開始したと発表した。発売は今年12月を予定している。

エンジンは新世代の排気量2.0リットルe:HEVハイブリッドエンジンと排気量1.5リットルのVTECターボエンジンの2種を用意。e:HEVは最大トルク335Nm、最大出力184PSを発揮。ホンダ・マレーシアで初となる新機構の電気式無段変速機(e:CVT)との組み合わせにより、高いドライバビリティと高い俊敏性、スムーズな加速を実現した。VTECターボは、最高出力 193PS、最大トルク 243Nmを発揮する。

発売に先駆けて11月17日より一部のホンダ・ディーラーでプレビューを開催する。

吉村宏信社長兼最高経営責任者(CEO)は、「CR-V」の累計販売台数が12万9,000台に達し、ホンダ・マレーシアに最も貢献した車種の一つだとした上で、非国民車セグメントで引き続き販売をリードすることを期待していると述べた。

埼玉県の大野知事、来馬でバイヤー109人に県産品をアピール

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 埼玉県の大野元裕知事は14日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域における県内企業のビジネス展開支援に向け、7ー11日に行われたASEAN訪問の結果について定例記者会見内で発表を行った。

大野知事によると、今回、県内経済団体と金融機関で構成される経済訪問団とともに訪問したのは、マレーシアおよびタイの2カ国。マレーシアには7ー9日に訪問し、連邦政府との関係づくりおよび埼玉県の酒・食品などの販路開拓を行った。マレーシアはASEAN6カ国中、2022年の実質国内総生産(GDP)成長率1位、日本産酒・食品の輸入も前年比33.5%増と増加しており、今後も市場拡大が見込まれることから、販路拡大の足がかりを得るために埼玉県として初の公式訪問を行ったという。

大野知事は、リュー・チントン副投資貿易産業相との会談では、マレーシア政府の投資に関する考え方や戦略について情報交換を行い、また、県内企業によるマレーシアでの販路開拓や現地進出しやすい環境づくりに取り組むことについて双方合意した。8日にクアラルンプール市内ホテルで開催された、県産品販路開拓に向けた試飲・試食会では、知事が県産の酒・食品の魅力を現地バイヤー、レストラン関係者、小売事業者などにトップセールスしたほか、出展企業によるPRや、展示や映像による埼玉県の工芸品・観光紹介も行われた。PRした商品は33社90商品、参加した現地バイヤーなどの数は109人に及んだ。埼玉県は今後も日本貿易振興機構(ジェトロ)などと協力し、商談などをサポートしていくとしている。

日揮、旭化成・ジェンタリと水素製造施設の基本設計を開始へ

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)は15日、旭化成(本社・東京都千代田区)およびジェンタリ・ハイドロジェンとの間で、水素製造プラントの基本設計に向け、覚書(MoU)を締結したと発表した。ジェンタリ・ハイドロジェンは、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)のクリーンエネルギー子会社であるジェンタリの100%子会社。

3社は、マレーシアにおける60メガワット(MW)級アルカリ水電解システムの実現可能性調査を終了したことを受け、水素製造プラントの基本設計(FEED)段階に移行する。

同システムでは年間8,000トンのグリーン水素製造が見込まれており、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のグリーンイノベーション基金に採択された「大規模アルカリ水電解水素製造システムの開発およびグリーンケミカルプラントの実証」のプロジェクトの一部として運用する。2024年1月のFEED開始に向けて3社で準備を進めており、2027年の実証運転開始を目指している。

本プロジェクトではまた、60MW級の電解槽を導入し、プラントの運転を最適化する統合制御システムの実証も行う。マレーシアでのグリーン水素の製造を通じて、日本とマレーシア、そして東南アジアの市場開発を推進し、脱炭素化に向けたグリーン水素の生産基盤を域内で確立することを目指す。

サイムが病院事業から撤退、コロンビアと株式売買契約

【クアラルンプール】 複合企業のサイム・ダービーは10日、合弁会社であるラムゼイ・サイムダービー・ヘルスケア(RSDH)の持ち株売却を通じて、ヘルスケア事業から撤退すると明らかにした。

同日、完全子会社のサイム・ダービー・ホールディングスが、売却先のコロンビア・アジア・ヘルスケアと株式売買契約を締結した。サイム・ダービーは、関連規制当局の承認を条件として、売買取引が2024年第3四半期に完了すると見込んでいる。

RSDHは、2013年にサイム・ダービーと豪州ラムゼイ・ヘルスケアが折半出資で設立した合弁会社。病院をマレーシアで4カ所、インドネシアで3カ所運営している。総売却額はラムゼイの出資分を含めて57億リンギで、サイム・ダービーは20億リンギあまりの売却益を得るとみられる。

サイム・ダービーは、今後は中核事業である自動車および工業製品の販売に注力していくとした上で、ヘルスケア事業売却により経営資源を中核事業に集中できるようになるとしている。

コロンビア・アジアは、マレーシアを拠点とする国際民間ヘルスケア企業で、コロンビア・アジア・ヘルスケア (CAHSG) の完全子会社。CAHSGの親会社はHLTヘルスケア・ホールディングスで、HLTヘルスケアには、マレーシアの複合企業ホン・リョン・グループとTPGが管理するファンドが所有・管理するワン・ヘルス・ホールディングス(OHH)が共同出資している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、11月11日)

UMWトヨタの販売台数、10月は過去5年で最多に

【クアラルンプール】 UMWトヨタ・モーター(UMWT)は、「トヨタ」と「レクサス」の両ブランドを合わせた10月の販売台数が1万931台となったと明らかにした。過去5年間で単月最多となった。

「トヨタ」の販売台数は1万709台、「レクサス」は222台だった。年初10カ月の累計販売台数は8万7,422台となり、前年同期の8万153台を9.1%上回った。
UMWTは先ごろ、多目的車(MPV)「アルファード」と「ヴェルファイア」の新型を発表した。

ラビンドラン・クルサミー社長は、両モデルについて、進化し続ける自動車業界における、革新性および洗練性の道標であり、MPVセグメントにおける高級感とパフォーマンスの新たな基準を打ち立てるものであるとした上で、期待を超える優れた車両を提供するという同社の取り組みを反映しているとコメントした。また、11月のキャンペーンについて、一部モデルへの100%融資や1万5,000リンギ相当の特典付与などを行っており、その他にも、植樹やマレーシア国家がん協会への支援などの取り組みを実施していることを明らかにした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月11日、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、11月10日)

サバ州、日本からの観光客誘致のため代表団を派遣へ

【コタキナバル】 サバ州観光・文化・環境省は、サバ州観光局(STB)を通じて、より多くの日本人観光客を呼び込むため、日本に代表団を派遣する。

クリスティーナ・リュー観光・文化・環境相は9日、在コタキナバル日本領事事務所の山下義人事務所長の表敬訪問を受けた際、サバ州の観光業の成長にとって、日本は重要な市場であると表明。日本においてサバ州を宣伝するために在コタキナバル日本領事事務所と継続的に協力すると述べた。

10月に赴任した山下事務所長は、より多くの日本人にサバ州を休暇先として選んでもらえるように、役割を果たしていきたいと言明。まだ多くの日本人はサバ州のことを知らないため、サバ州を観光地として日本人に宣伝するよう呼びかけを行ったという。

STBによると、今年1ー7月に日本からサバ州を訪れた観光客数は5,642人だった。前年同期比で253.3%増加した。しかし新型コロナウイルス「Covid-19」感染拡大前の2万4,435人を大きく下回っている。
(ボルネオポスト、11月9日)

住友理工の窓用フィルム、マレーシアの車載市場で採用拡大

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 住友理工(本社・愛知県名古屋市)は9日、同社が開発した視認性(透明性)と傷付き防止性、耐久性を有するフロントガラスにも使用可能な高透明自動車窓用フィルムの普及がマレーシアで進んでいると明らかにした。

同社の「リフレシャイン」は、日射熱流入の抑制(遮熱)と室内熱流出の抑制(断熱)が可能な高透明遮熱・断熱窓用フィルム。夏場は太陽光エネルギーの中で、暑さの要因となる近赤外線を室外に反射させることで近赤外線の室内への透過を90%以上防止し、室内の温度上昇を抑制するほか、透明性とガラス破損時の安全性を兼ね備える。

2018年より窓用フィルムの用途拡大を目指し、マレーシアで遮熱フィルムの販売・施工を手掛ける エコティント(M)と協業し、車載用フィルムの開発に着手しており、現在、ホンダ・マレーシアをはじめとする日系自動車OEMに採用されている。 赤外線吸収剤をナノレベルのサイズに均一に分散することで、運転時の視認性確保と、太陽からの熱(近赤外線)を吸収する遮熱性能を両立した。フロントとフロントサイドガラスに装着され、約10万台の採用実績がある。

またマレーシアでは、約1,000台の警察車両に実装されており、同社グループは今後、東南アジア各国・インドへの拡販活動を強化していく計画だ。

日本板硝子、ジョホールの太陽電池用ガラス生産設備を稼働

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本板硝子(本社・東京都港区)は9日、マレーシアにおいて進めていた太陽電池パネル用透明導電膜(TCO)付きガラス製造設備の新設工事が完了し、火入れを完了したと発表した。

本投資では、マレーシア国内を中心に建築用ガラス、自動車用ガラスの製造・販売を行っている現地企業、マレーシアン・シートグラスのジョホールバル工場にあるフロート窯にオンラインコーティング設備が新設された。12月より太陽電池パネル用TCOガラスを生産する予定。

本投資は、長期にわたる戦略的パートナーである米ファーストソーラーの生産拡張方針に沿って進められたもの。生産されたガラスは、同社の東南アジア地域の太陽電池パネル製造拠点に供給される。ファーストソーラーは米国の大手ソーラーテクノロジー企業であり、環境効率の高いソーラーモジュールの世界的プロバイダー。日本板硝子は、戦略的パートナーであるファーストソーラーをはじめとする太陽光パネルの世界的な需要増大に対応するため、2020年1月にベトナムで2窯目の太陽電池パネル用ガラスの専用フロートライン、同年11月に米国オハイオ州ラッキーで新工場を稼働させており、いずれも生産製品をファーストソーラーに供給している。

日本板硝子は、中期経営計画「リバイバル計画24(RP24)」に掲げる施策の一つとして、「高付加価値事業の拡大」を進めており、独自のオンラインコーティング技術をベースとした太陽電池パネル用ガラスの拡大は、この取り組みの一環であると同時に、再生可能エネルギーの普及をはじめとする地球環境保護にも貢献する。今後も中期ビジョン「高付加価値の『ガラス製品とサービス』で社会に貢献するグローバル・ガラスメーカーとなる」の実現に向けた努力を続けていく方針だ。