セティアワングサ・パンタイ高速道路、3日に正式開通

【クアラルンプール】 セティアワングサ・パンタイ高速道路(SPE)が3日、正式開通した。SPEはクアラルンプール(KL)を南北に横断する全長29.8キロメートル(km)の二車線道路で、特に朝夕ピーク時の市内中心部における渋滞を30%緩和することが期待されている。

SPEは2016年にドゥターウル・クラン高速道路(DUKE)第3期として建設が開始され、プロジェクト総額は37億3,800万リンギ。不動産開発のエコベストが運営を担当しており、同社は連邦政府から53年6カ月の営業権を取得している。

開通式に参加したアレクサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、12月2日までの1カ月間、▽チャン・ソウリン料金所▽アンパン・クアラルンプール高架道路(AKLEH)からの合流地点であるアンパン料金所▽セティアワンサ料金所(上り・下りとも)ーーを無料で通行可能にしたと発表。12月3日以降、乗用車の通行料金は3.5リンギとなるとした。
(ポールタン、ベルナマ通信、11月3日)

ドラッグストアのガーディアン、新旗艦店をミッドバレーに開設

【クアラルンプール】 ドラッグストア・チェーンのガーディアンは、クアラルンプール(KL)のミッドバレー・メガモールに、東南アジア最大規模となる旗艦店をオープンした。

店舗面積は7,000平方フィート。スキンケア製品で20ブランド、化粧品で10ブランドを新規に導入した。国内ナチュラル系スパ製品のタナメラ・ナチュラル・バスケアや日本(アハロ、ファンアズム、セラティス、コーセー・ビオリス、コーセー・ジュレーム)、韓国(ミザンセーヌ、リョ)のヘアケア製品を販売する。

店内には、環境に優しい成分を配合した美容製品を揃えた「クリーン・ナチュラル・ビューティー」コーナー、8ー12歳の子ども向けの製品を揃えた「トゥイーンズ」コーナー、ロレアルが提供する初の「サロン・アット・ホーム・ヘアケア」コーナー、プロテインパウダーや健康食品を扱う「ヘルスケア」コーナーなどが設けられている。また、同チェーン初の試みとして、店舗正面入口部分にアニメーションLEDを採用し、店内全体にデジタルLEDスクリーンを設置した。新旗艦店のオープンを記念し、期間限定キャンペーンも実施しているという。
(ベルナマ通信、11月3日、ザ・スター電子版、11月2日)

日本からのFDI、今年は3百億リンギ超の見通し=アンワル首相

【クアラルンプール】 岸田文雄首相と会談したアンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は5日の記者会見で、日本からの外国直接投資(FDI)が、今年は300億リンギを超えるとの見通しを表明。マレーシアに対する日本の投資家の信頼感が示されていると述べた。

テンク・ザフルル投資貿易産業相も10月25日に開催された「マレーシア・日本ビジネスラウンドテーブル」の基調講演で、日本からのFDIについて、今年は300億リンギを超えるという見通しを明らかにしていた。ザフルル大臣は、日本は2015年から8年連続でマレーシアにとり、第4番目の貿易相手国であると言明。マレーシアの総貿易高は2022年に512.6億米ドル(1,817.3億リンギ)に上り、日本との貿易が6.4%を占めたと明らかにした。

「マレーシア・日本ビジネスラウンドテーブル」では、日本商工会議所(JCCI)とマレーシア製造業者連盟(FMM)が、二国間クレジット制度に係わる協力協定にも署名している。二国間クレジット制度は、途上国と協力して温室効果ガスの削減に取り組み、削減の成果を両国で分け合う制度。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、11月6日、マレー・メイル、11月3日)

日本、域内安定に向けマレーシアとの協力を強化へ=岸田首相

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 マレーシアを公式訪問した岸田文雄首相は5日、域内の平和や安定性の維持において、マレーシアとの協力を強化したいという考えを明らかにした。北朝鮮の核開発や中国の東シナ海・南シナ海における領海主張などにより、域内の安全への懸念が生じていることが背景にある。

岸田首相は、国営「ベルナマ通信」の書面インタビューに対し、外務大臣としてマレーシアを訪問した2015年に、両国間の関係が「強化されたパートナーシップ」から「戦略的パートナーシップ」に格上げされたとし、インド洋と太平洋を結ぶ重要な海上交通路に位置するマレーシアと一層連携を深めていきたいと回答した。

具体的には、サプライチェーンの強靭化やマレーシアが注力しているデジタルおよびグリーン分野などでの協力を強化していくとした。また、マレーシアが優位性を持つ、文化の多様性やイスラム金融・ハラル(イスラムの戒律に則った)分野において日本はマレーシアから学び、イスラム諸国やASEAN(東南アジア諸国連合)諸国への市場拡大を図るなど、ビジネスチャンスを広げていきたいと述べた。

岸田首相が来馬、アンワル首相と会談で両国の協力関係を確認

【クアラルンプール】 岸田文雄首相は、4ー5日の2日間の日程でマレーシアを訪問し、5日にアンワル・イブラヒム首相と首脳会談を行った。首相就任後初のマレーシアへの公式訪問となる。

首脳会談では、防衛、安全保障、教育、エネルギー転換など幅広い分野における二国間関係について話し合われた。アンワル首相は福島第一原子力発電所のALPS処理水の海洋放出について、他国からの懸念を受けとめるべきだとしながらも、環境への影響が無視できるレベルだと国際原子力機関(IAEA)が承認したことにマレーシアは満足していると言明。その他、筑波大学の分校設立の促進、12月に東京で開催される日本ASEAN(東南アジア諸国連合)友好協力50周年特別首脳会議などについても協議が行われた。両首相は、日本の総務省とマレーシアの通信デジタル省との間で締結された協力覚書の締結にも立ち会った。

岸田首相は会談後、自身のX(旧称・ツイッター)で「『戦略的パートナー』である両国関係を更に発展させ、地域・国際社会の平和と安定のために緊密に連携してまいります」と発信。アンワル首相も、「貿易相手国第4位である日本との強力な協力関係を維持していく」と述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、11月3日)

政府向け書簡のマレー語限定方針、外国企業は対象外=首相

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は、政府機関に出す公式書簡における使用言語をマレー語に限定する方針については、外国企業には適用しないと言明した。

2日に行われた下院議会予算審議の締めくくりの演説の中でアンワル首相は、「すべての政府機関と地元企業に、(政務に関する公文書を)英語やその他の言語で書かないよう指示した。これらの文書はマレー語で書かれるべきだ」と述べた上で、この指示については誤解があると指摘。マレー語に限定するとの指示は政府機関と地元企業にのみ適用されるとし、「外国企業はマレー語以外の言語で公式書簡を政府に送ることができる」と述べた。

アンワル首相は10月25日、「国語の十年」カーニバルおよび「国民読書の十年」の開会式で行ったスピーチの中で、マレー語を守るため、マレー語以外の言語で書かれた文書については送り返すよう政府機関に指示したことを明らかにしていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月2日)

 

カルピス、AIラジオDJをマレーシアでのアンバサダーに任命

【クアラルンプール】 カルピスは、人工知能(AI)が作り出したバーチャルDJのアイナ・サブリナを、マレーシアでのブランド・アンバサダーに起用した。
アイナはマレーシア初のAIラジオDJで、FM英語ラジオ局「Fly FM」 の制作エンジニアによって開発された。膨大な音楽データベースを備え、若いマレー女性のバーチャルイメージを有している。カルピスがスポンサーとなっている番組に出演している。

カルピスのマレーシア販売に携わるエティカ社のエイミー・ガン副社長は、カルピスは常にイノベーションの最前線に立っているとし、アイナは単なるバーチャルな存在ではなく、カルピス・ブランドを代表するパーソナリティであり、顧客にブランドへの好奇心をもたらしてくれると述べた。

アイナのアンバサダー就任を記念し、カルピスはナタデココ入り新フレーバー「カルピス・チューイー・グレープ」を発売。また、マレーシアの新記録をまとめている「マレーシア・ブック・オブ・レコード」からも国内初のAIアンバサダーとして認定された。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、11月2日)

マレーシア航空、11月15日に機内食を完全再開

【クアラルンプール】 マレーシア航空の親会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は11月2日、マレーシア航空(MAB)の機内食サービスを11月15日に完全再開すると発表した。

MABは8月31日付の機内食サービスのブラヒムズ・フード・サービシズ(BFS)との契約打ち切りに伴い、一部で暖かい機内食の提供を中止していた。

「アビエーション・センター(CAPA)アジア航空サミット・アンド・サステナビリティ・アワーズ2023」に出席したイザム・イスマイル最高経営責任者(CEO)はインタビューにおいて、機内食サービスの復旧率は現時点で97%に上っており、ケータリング業者8社から機内食の提供を受けていると言明。安全を維持しつつ、適切な温度を保ったまま機内食を航空機に積み込むことができる「ハイリフト・トラック」24台の納入を受けたことから、機内食サービスを通常通りに戻すことができると説明した。
(フリー・マレーシア・トゥデー、マレー・メイル、ベルナマ通信、11月2日)

グラブ、プラスチック食品容器の自動回収機を首都圏に設置

【クアラルンプール】 配車サービス大手のグラブ・マレーシアは、プラスチックのリサイクル促進に向け、人工知能(AI)を搭載した18台の自動回収機(RVM)を首都圏全域に設置した。

RVMの開発会社クリーン、飲料大手のシンガポール系フレーザー・アンド・ニーブ・ホールディングス(F&N)、マレーシア技術革新研究加速機関(MRANTI)との協業で実現した。グラブは、「2040年までに自然界における包装廃棄物ゼロ」という目標を掲げており、この目標の達成に向けた6カ月間の実験的な試みだとしている。

グラブによると、RVMは、使用後のアルミ缶やPETボトル、プラスチック製食品容器を回収する。回収された廃棄物は、プラスチック樹脂メーカーのアサスラマによって処理され、PPパレットやPETパレットなどの原料となり、最終的には衣料やプラスチック家具・箱などの新製品に生まれ変わるという。利用者は容器を水洗いした後にRVMに投入し、その後QRコードをスキャンすると、ポイントが獲得できる。ポイントを集めるとクーポン券に引き換えが可能となる。

今回の取り組みは、グラブが2019年から実施している使い捨てプラスチック削減の取り組みに続くもので、この取り組みにより、2022年には8億9,800万セットのナイフ・フォーク・スプーン(2万3,800トン相当)を削減できたという。
(マーケティング・インタラクティブ、11月1日、グラブ発表資料)

三井物産、アシアタ傘下のデジタルマーケ企業に追加投資へ

【クアラルンプール】 三井物産(本社・東京都千代田区)は2日、通信大手アシアタ傘下でアジア12カ国でデジタルマーケティング事業を展開するアシアタ・デジタル・アナリティクス(ADA)の持株会社アシアタ・デジタル・サービシーズ(ADS)の株式16.7%を約5,800万米ドルで追加取得すると発表した。

これに伴い、三井物産のADS株式持分比率は従来の3.3%から20%まで増加し、ADSは持分法適用会社となる。また、ADAへの実質的な出資比率は12.69%となる。
ADAは豊富な保有データおよび人工知能(AI)によるデータ分析に基づき、潜在顧客分析から顧客獲得、維持、ライフタイムバリューの最大化まで、一貫サービスを提供するデジタルマーケティング事業会社。三井物産は、2017年にアシアタ傘下であるカンボジアの携帯通信企業スマートアシアタに出資し、2019年にはADSに初出資していた。

三井物産は、今回の追加投資後、出資先・取引先にADAのデジタルマーケティングサービスを提供し、顧客企業のマーケティングDXを一層支援し、ADAの更なる成長戦略を推進する。今後もさらなる成長が見込まれるアジアにおけるデジタルマーケティング事業を通じて、必要な人々に必要な情報・サービスを届けることができる世界を下支えし、豊かな暮らしづくりに貢献していく方針だ。