第3四半期のデータ漏洩数、マレーシアはワースト8位=調査

【クアラルンプール】 サイバーセキュリティのオランダ企業サーフシャークは、「2023年第3四半期データ漏洩統計」を発表。マレーシアは、今年第3四半期に49万4,699件の個人データが流出し、世界ワースト8位となった。

同統計は、今年7ー9月に200以上の国・地域で発生したデータ漏洩を対象としており、公開データベース2万9,000件から情報を収集し、匿名化の上、統計分析したもの。

同社は声明で、マレーシアの情報漏洩件数は前期比144%増と急増し、1分あたり4件の個人情報が流出したことになるとし、また、流出密度(総漏洩数を人口で割った値)においても、1日あたり約5,436件と、ワースト5位となったと述べた。世界全体では、3,150万件の情報が流出した。ワースト1位は米国で810万件となった。次いで、2位はロシア(710万件)、3位はフランス(160万件)、4位は中国(140万件)、5位はメキシコ(120万件)だった。

サーフシャークのアグネスカ・サブロフスカヤ主任研究者は、今年第3四半期は、データ流出件数が全般的に減少しているが、毎分240件以上の個人情報が流出しているため、アカウントは日々管理し、またセキュリティ強化に向け2要素認証を導入するなどの対策を行うことを推奨すると述べた。また、万が一アカウントがハッキングされた場合には、パスワードの変更や銀行への連絡(クレジットカード情報が漏洩した場合)、端末のウイルスチェックを行い、流出したアカウントは削除することを勧めるとしている。
(ザ・スター電子版、12月6日、サーフシャーク発表資料)

トロピカナ、「WKLホテル」を2.7億リンギで売却

【クアラルンプール】 不動産開発のトロピカナ・コーポレーションは、完全子会社、トロピカナ・レジデンス(TRSB)が6日、IOI PFCCホテルおよびフローラ・デベロプメントと「Wクアラルンプール・ホテル(WKL)」の売却に向けて売買契約 (SPA) を締結したと発表した。売却先の2社は共に、IOIプロパティーズの間接子会社。

売却額は2億7,000万リンギ。取り引きは2024年第1四半期の完了を見込んでいる。 トロピカナは、売却益のうち1億500万リンギをWKLによる銀行からの借入金の返済、1億6,486万リンギを トロピカナ・グループの借入金返済にそれぞれ充てる。

WKLはジャラン・アンパンとジャラン・P・ラムリーの交差点に隣接する25 階建てホテルで、2018年8月に開業。客室150室、総床面積1万2,917平方フィートの会議場及び宴会場、346台分の駐車場などを有する。 トロピカナ・グループは、今年9月30日時点での借入総額は32億6,000万リンギに上っており、今後も資産売却を進めていく方針とみられる。

アジアがんフォーラム、がん啓蒙活動媒体の完成発表会を実施

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 アジアがんフォーラム(所在地・東京都世田谷区)は11月30日、マレーシア対がん協会(NCSM)と共同で、がん啓蒙活動向け映像44本、ブックレット48冊、デジタルレジストリポータルの完成発表会を実施した。

アジアがんフォーラムは、2022年よりマレーシアでコミュニティ参加型のがん疾患啓発、適切な医療サービスへのアクセス改善を支援することを目的としたプログラムを、アステラス製薬(本社・東京都中央区)の支援を受けつつ、NCSMと共に進めてきた。本プログラムでは、検診可能な男女のがんやその他の非感染性疾患(NCDs)に関する啓蒙活動を、マレーシアの理髪店・美容院を拠点に実施している。今回は活動に使用する映像、ブックレット、ポータルサイトの完成を記念して発表会を行った。

発表会に臨席したルカニスマン・アワン・サウニ副保健相は、美容院などの日常的な場を活用することで多くの国民にメッセージを伝えられるとし、普段は話題に上りにくい、がん予防などの健康に関する会話のきっかけになると述べた。

マレーシア日本国際工科院と日本精工、共同開発ラボを開設

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 国際協力機構(JICA)マレーシア事務局は7日、マレーシア日本国際工科院(MJIIT)が11月27日に、同院のトライボロジー精密加工講座(TriPrem)と日本精工株式会社(NSK)の間の共同研究ラボである、NSK-TriPreMリサーチ・ラボラトリーの開設式を実施したと発表した。

MJIITのTriPreMは、トライボロジーと精密加工に関わる研究開発と、それらを通した学生の教育を実施する研究室。NSKは各種ベアリングや自動車関連製品、精機製品など、TriPreMの研究開発と関係が深い様々な製品の製造販売企業であることから、NSTとTriPreM間につながりが生まれた。NSK-TriPreMはトライボロジー現象の基礎研究分野で2019年から共同研究を実施しており、将来的にNSKの製品に寄与する可能性も視野に入れて基礎研究を進めている。

JICAはMJIITの共同研究ラボやサテライトラボの設立、受託研究などによる産学連携、MJIIT卒業生の日本企業への就職を推進するべく、技術協力を実施している。

パナソニックのエアコンR&D新棟が稼働、空調機器の開発強化で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 パナソニックグループは8日、パナソニック空質空調社(本社・東京都港区)傘下のパナソニックAPエアコンR&Dマレーシア(PAPARADMY)のセランゴール州シャアラム社屋に新棟を増設し、稼働を開始したと発表した。

新棟は現在あるPAPARADMYの実験及び執務棟の建屋に隣接し、3階建てで延床面積1万900平方メートル。3階には将来の増員に備えたオフィスを構え、1階から2階には様々な実験室を設置している。同社にとり初の「温水・空調同時マルチ実験室」など最新鋭の設備を導入。東南アジア諸国連合(ASEAN)や欧州を中心としたグローバル向けに、空調機器の開発リードタイムを短縮し、現地ニーズに合わせた開発を加速させる。

ASEANでは人口増加に伴い、ビルなどの大型物件の建設が進み、業務用空調需要が堅調に推移している。また、グローバルでは省エネ性能の高いヒートポンプ技術を使った空調やヒートポンプ式給湯暖房機(A2W)、業務用領域における「水循環型空調」の市場が拡大している。このような環境下、R&D新棟を稼働させ、研究開発を強化することを決定した。

パナソニック空質空調社はマレーシアにルームエアコン、業務用空調機器、A2Wなどの生産・販売拠点である「パナソニックAPエアコンマレーシア(PAPAMY)」と、研究開発拠点であるPAPARADMYの2社を保有している。PAPAMYは1973年創業で、2023年で50周年を迎えた。