家電のエルバ、キッチン家電の新製品ラインを発表

【クアラルンプール】 家電メーカーのフィアンマが展開する、キッチン家電ブランド「エルバ」は、調理と冷却に重点を置いた、キッチン家電の新製品ラインを発表した。

調理に関しては、「マエストロ・コレクション」で、4つのサブカテゴリーでの新製品を紹介。「フード&コンロ」では、調理を開始すると自動的に排気機能が作動する。またプラズマフィルター技術やBLDCモーターにより効率的な給排気を行い、キッチンに煙がこもらない仕組みを実現した。

「ビルトインオーブン」は、TFTタッチパネルで簡単に操作でき、スチーム、グリル、ベーキング、エアフライ(油なしでの揚げ物)などの調理が可能。わかりやすい指示やタイマー設定で調理をサポートする。イタリアのガス機器メーカー・サバフ社のバーナーを採用した「レンジクッカー」も、ベーキング、ロースト、エアフライ、グリルなどさまざまな調理機能を可能にしている。料理を温かく保つ保温引き出し「ウォーミングドロワー」は、利便性だけでなく、メタリックなグラファイトマット仕上げでキッチンにスタイリッシュでエレガントな雰囲気ももたらしている。

冷却に関しては、12年保証を特徴とするマルチドア冷蔵庫やサイドバイサイド冷蔵庫(欧米で定番となっている、庫内を縦に2分割し、左右に冷凍室・冷蔵室を配置した冷蔵庫)を紹介。デュアルインバーターコンプレッサーや4ゾーンでの冷却システムを採用し、長期の鮮度を保証すると同時にエネルギー消費量を抑えることに成功した。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月14日、ハイテク・センチュリー、12月8日、エルバ発表資料)

工業認証機関シリム、充電式電池試験センターを設立

【クアラルンプール】 工業製品の規格認証機関である政府系シリム(SIRIM、マレーシア標準工業研究所)は13日、国立充電式電池試験センター(NRBTC)の設立により、マレーシアにおける電気自動車(EV)業界のエコシステムが完成したと発表した。これにより需給の両方を刺激することで、EV業界のバリューチェーンが大幅に改善されるとしている。

EVのエコシステムは、EV 充電システムのパターン承認、バッテリーのテスト、EV コンポーネントとシステムの認証で構成される。NRBTCは、大型高出力充電式バッテリーに対する高品質かつ公平な第三者によるテストや検証を提供する。

発表式典に出席したテンク・ザフルル投資貿易産業相は、EVはマレーシアにおける重点分野だとした上で、「マレーシアにおけるバッテリーテストと関連サービスに注目した産業の発展において重要な役割を果たすだけでなく、 マレーシアを EVバッテリーメーカーにとって最適な拠点として位置づけるのにも貢献する」と述べた。

シリムのカイロル・アヌアル・モハマド・タウィ会長は、EVエコシステムで未来を推進することは、マレーシアで高付加価値の雇用機会を創出し、国内の連携を強化し、新規および既存の経済クラスターの発展、環境・社会・企業統治(ESG)の慣行強化に寄与することになると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、12月14日、マレー・メイル、ベルナマ通信、12月13日)

新型コロナ急増、ワクチン追加接種の指令を近く発出=保健相

【プトラジャヤ】 先の内閣改造で再入閣したズルキフリー・アハマド保健相は、新型コロナウイルス「Covid-19」新規感染者数が急増していることを受け、脆弱なグループを対象にワクチン追加接種を促す新たな指令を近く発出する可能性があると述べた。

ズルキフリー氏は、2回目のワクチン接種率は54%に達しているが、3回目の追加接種の接種率は「かなり低い」と述べ、近く高齢者や基礎疾患を持つ人など高リスク者を対象にワクチン接種の指令を出す可能性があると述べた。

その上でズルキフリー氏は、期限が残っている有効なワクチンは十分な在庫があり、新型コロナウイルスの変異株から国民を守るのに追加接種は効果的だと強調。混雑した場所ではマスクを着用することを推奨するとし、もし感染検査で陽性反応が出た場合は5日間隔離するよう呼びかけた。

保健省に報告があった新規感染者数は、12月3ー9日の1週間で前週(11月26日ー12月2日)の6,796人から倍増となる1万2,757人となった。大部分が軽症で、入院の必要はないという。ただ年末からの祝祭日と学校の休みが重なることから、感染者の今後の増加が予想されている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、ベルナマ通信、12月14日)

CIDB、東京の「建設DX展」でマレーシアのサービスを紹介

【クアラルンプール】 公共事業省傘下の建設産業開発局(CIDB)は14日、東京ビックサイトで13ー15日に開催される「建設DX(デジタルトランスフォーメーション)展」にマレーシアの建設関連企業から15人の代表団が参加し、製品やサービスを紹介すると発表した。

CIDBの声明によると、展示会参加はマレーシアで導入可能な最新デジタル技術に触れることが目的。また、2025年の大阪万博参加に向け、日本におけるマレーシア企業の市場性やビジネスチャンスについても調査する。代表団のメンバーには、建設業者、技術・プロジェクト管理コンサルタント会社、建築情報モデリングの専門家、鉄橋業者が含まれているという。

CIDBは、代表団は、日本の政府機関や業界団体との間で数回の会談も行うとし、今回の活動は建設関連サービス輸出支援の一環だと述べた。

建設DX展は2021年より年1回実施されている建設業界向けの展示会。BIM(建物情報構築)、CIM(建設情報モデル化)、CAD(コンピュータ支援設計)、ICT建機(情報通信技術を取り入れた重機)、次世代足場、現場管理、工程管理システム、測量機器、業務効率化システム、建設ロボットなど、建設業のDX技術が出展されている。
(ベルナマ通信、12月14日)

ジェトロKL、マレーシア進出日系企業の実態調査結果を発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は15日、ジェトロが11月28日に公表した「アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」結果からマレーシア含むASEAN(東南アジア諸国連合)6カ国(マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン)を抽出し、分析した結果を発表した。

ジェトロKL事務所によると、主要ポイントは6点。マレーシアはASEANで唯一、営業利益見込みが3年連続上昇した国となり、2023年度の見通しでは、改善(34.2%)と悪化(34.8%)が拮抗した。2024年は改善比率が上昇する見込みとなっている。

また、事業拡大を検討している企業は50.2%で、5年ぶりの5割超えとなった。拡大する機能として、販売のほか、高付加価値品生産や研究開発を挙げる割合が相対的に高くなった。マレーシアの投資環境上のメリットとしては、8割の企業が「言語・コミュニケーション上の障害の少なさ」を、次いで「駐在員の生活環境や安定した政治・社会情勢」を挙げた。一方、リスクは、人件費高騰、離職率の高さ、労働力不足・採用難など、人材関連に集中している。

人材不足に直面している企業はマレーシアでは63.5%と、ASEAN主要国で最も高くなった。専門職と工場作業員が特に不足している。対策としては、福利厚生の充実やコミュニケーション強化で、(削除)定着率上昇を図った例があり、生産ライン自動化への取り組み・関心度合いでもASEAN中首位に立った。
脱炭素への取り組みを行う企業は45.4%、実施予定も含むと80.5%となり、中小企業でも進展が見られた。人権問題を経営課題と認識する企業は85.7%に上り、ASEAN主要国で3年連続首位となった。

市場開拓では企業対企業(B2B)取引において、「現在のターゲットは進出日系企業だが、将来は地場企業となる」と回答した企業の割合が高くなった。一方、企業対個人(B2C)取引のターゲットは主に中間層だが、将来は富裕層を狙う企業の割合が増加し、両者は逆転する見込みとなっている。進出先における主な競争相手は日本企業で、市場開拓の課題としては、市場の小ささ、政府・産業界とのコネクション不足、多様な人種ゆえのマーケティングの難しさといったマレーシア特有の事情も挙げられている。