【クアラルンプール】 日本ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議が17日、東京で開催された。

同会議は日本ASEAN友好協力50周年記念活動の集大成となるもので、ASEANのうちミャンマーを除く9カ国、およびオブザーバーとして東ティモールの首脳が参加した。

アンワル・イブラヒム首相は同会議の場で、パレスチナ戦争に対するマレーシアの立場を表明し、イスラエルによるガザ破壊を改めて非難。マレーシアはASEAN諸国とともに、人道的停戦と人質の解放を求める国連総会決議が12日に採択されたことを歓迎すると述べた。また、サイバー空間における日本の専門知識を評価し、ASEAN地域と日本の間でのサイバーセキュリティ分野における協力促進を希望しているとした。

アンワル首相はさらに、ASEANのアジア太平洋・インド洋地域への関与の指針となる「インド太平洋に関するASEANアウトルック(AOIP)」や日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」を通じ、日ASEAN間で緊密な協力が行われていると言明。特にマラッカ海峡における船舶交通や国際法に関する訓練プログラムから、マレーシアは多大な恩恵を受けていると指摘した。マレーシアは、航海の安全性と航海計画改善に向け、さらなる取り組みを提案するとしている。ASEAN海域での中国との緊張が高まる中、安全保障での協力が強調されたもようだ。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、12月17日)