マレーシア航空の機内無料Wi-Fi、1日から全乗客に提供

【クアラルンプール】 マレーシア航空は11月1日付けで、一部のワイドボディ機に搭乗する全乗客にデータ通信量無制限の無料Wi-Fiサービスを提供すると発表した。

無料Wi-Fiは7月1日付けで導入されていたが、対象がビジネススイートおよびビジネスクラスの乗客とエンリッチ・プラチナ会員に限定されており、また、1区間あたりのデータ通信量上限が100メガバイト(MB)に制限されていた。

今回対象となった機材は、▽エアバス「A350-900」型機(6機)▽同「A330-300」型機(9機)▽同「A330-200」型機(5機)ーーの合計20機。ナローボディ機でも段階的に導入していく。

マレーシア航空の親会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)のアハマド・ルクマン最高経営責任者(CEO)は、すべての乗客に無料Wi-Fiサービスを提供できるようになったことを喜ばしく思うと言明。データ通信量無制限制を導入したことで、搭乗中いつでも便利にネット接続が利用できるようになったとし、今後も、機内体験を向上させる取り組みに引き続き投資していくと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ソヤチンチャウ、10月31日)

朝日印刷、マレーシアのキンタプレスを子会社化

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 朝日印刷(本社・富山県富山市)は10月31日、マレーシアの印刷会社キンタ・プレス・アンド・パッケージング(M)の株式65.0%を取得し、子会社化したと発表した。

取得株式数は160万9,400株で、取得額は7,670万リンギ。

キンタ・プレスはペラ州に所在し、高価格帯の化粧品、食品向け製品を中心に包装材、箱、ラベル、印刷などを一貫して手掛けている。従業員数は240人で、2022年度の売り上げは5,768万リンギ。

朝日印刷は、2022年に策定した2024年度までの目指す姿を示す中期経営計画において、「海外事業推進」を重要な事業戦略の 1 つとして掲げ、東南アジア諸国連合(ASEAN)での事業拡大に取り組んでいるとした上で、キンタ・プレス子会社化により、朝日印刷のマレーシア製造子会社のハーリー(マレーシア)およびシン・ニッポン・インダストリーズとの協業、朝日印刷と連携した営業提案活動等によるグループ全体でのシナジー創出を図るとしている。

ベルジャヤ、沖縄のホテル開発で3.3億米ドルの融資を獲得

【クアラルンプール】 コングロマリットのベルジャヤ・コーポレーション(Bコープ)の不動産部門ベルジャヤ・ランド(Bランド)は10月31日、東京スター銀行(本社・東京都港区)が主導し、日本国内外の22金融機関が参加するシンジケートローンから3億3,000万米ドル(15億8,000万リンギ)の融資を獲得したと発表した。Bランドが沖縄県恩納村で2020年から建設を進めている「フォーシーズンズ・リゾート・アンド・プライベート・レジデンス沖縄(仮称)」の開発に向けてのもの。

Bランドによると、シンジケートローンに参加しているのは、▽沖縄振興開発金融公庫(ODFC)▽琉球銀行▽大垣共立銀行▽愛知銀行ーーなどの金融機関。

「フォーシーズンズ・リゾート・アンド・プライベート・レジデンス沖縄」は、沖縄西海岸エリアの恩納村中心部に位置し、敷地面積は13万平方メートル。海に面したチャペルやレストラン、ホテル127室、コンドミニアム124室、ヴィラ28室を設ける。フォーシーズンズ・ブランドでは沖縄初進出となる。総開発額は11億2,000万米ドル(53億4,000万リンギ)で、完成後に3カ月間のプレオープン期間を設ける予定。正式オープンは2027年第2四半期を予定している。
(ザ・サン、ザ・スター、11月1日、エッジ、10月31日、東京スター銀行発表資料)

埼玉県の大野知事が来馬、県産品販路開拓で

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 埼玉県は10月31日、東南アジア諸国連合(ASEAN)地域における県内企業のビジネス支援体制強化に向け、大野元裕知事が経済訪問団とともにクアラルンプールとバンコクを訪問すると発表した。

訪問メンバーは埼玉県から知事をはじめとする計7名、経済訪問団は埼玉県経営者協会、埼玉経済同友会、埼玉りそな銀行、三井住友海上火災保険、武蔵野銀行からの計8人。クアラルンプールに11月7日到着し、在マレーシア日本国大使との懇談を行う。8日には会談のほか、県産品販路拡大イベントを開催する。9日には現地進出企業を訪問し、同日バンコクに移動する。日本帰国は11日の予定。

マレーシアは、国民の平均年齢が若く、市場の拡大が期待されているため、県産品のプロモーションイベントを開催し、 県内産の酒・食品・工芸品の販路開拓の足掛かりを作ることを目指すという。

プロトン、新型セダン「S70」を発表

【クアラルンプール】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは1日、新型Cセグメントセダン「S70」の生産を開始したと発表。ペラ州タンジョン・マリム工場から初出荷されたと明らかにした。同日より予約金500リンギで予約受付を開始。11月11日からは全国を巡回して主要な州都でキャンペーンを実施する。

「S70」は、2016年8月に「ペルソナ」が発表されて以来、プロトンが発表した初の新型のセダン。スポーツ多目的車(SUV)の「X50」、「X70」と同じく、プロトンに49%出資する吉利汽車をベースに開発したもので、2021年8月に中国で発売された4代目「エムグランド」がベース車となっている。

ボディサイズは全長4,638ミリメートル(mm)、全幅1,822mm、全高1,460mm、ホイールベース2,650mmとなっており、スペックは明らかにされていないが排気量1.5L ターボエンジン、デュアルクラッチトランスミッションが搭載されている。サイズ的にホンダ「シビック」を意識したものとみられる。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ポールタン、11月1日)

政府機関のキャッシュレス化、セランゴールとペナン州が90%超

【クアラルンプール】 銀行間決済システムを運営するペイメント・ネットワーク・マレーシア(ペイネット)によると、政府機関におけるキャッシュレス決済の導入率は、セランゴールとペナンの両州ですでに90%以上に達している。

一方、他州ではまだ導入率が低く、ケダ州が80%、ペルリス州が60%、ジョホール州が50%、ペラ州が49%にとどまっている。セランゴール州やケダ州では州首相自らがキャッシュレス決済の推進活動を行うなど、トップダウンでの導入推進が功を奏したという。公共部門全体のデジタル決済普及率は81.3%に達した。

政府機関のキャッシュレス化に協力しているペイネットのファルハン・アフマド最高経営責任者(CEO)は、キャッシュレス決済が拡大することで、2032年までに国内総生産(GDP)への貢献が2.6%増加し、雇用人数は9万2,000人増加、年間賃金上昇率0.16%、年間生産性向上率0.15%が見込まれると述べた。

100%のキャッシュレス決済導入を達成した8つの政府機関の一つである、出入国管理局のザカリア・シャアバン副局長は、キャッシュレス決済導入当初は、一般市民からの反発や地方におけるネットワーク・インフラの不足が問題となっていたが、新型コロナウイルス「Covid-19」の感染が急拡大した2020年より完全導入が進み、そのおかげで、これまで悩まされてきた、小切手の不渡り、不正決済、現金損失などの問題がすべて解消したと述べた。
(ザ・サン、ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、10月31日、マレーシアン・リザーブ、10月30日)

鶏肉の補助金が11月1日から廃止、鶏卵は維持

【クアラルンプール】 モハマド・サブ農業食糧安全相は、鶏肉への補助金及び価格統制が11月1日から廃止されるが、グレードA、B、Cの鶏卵については既存の仕組みに則って維持されると述べた。

モハマド・サブ氏は「鶏肉への補助金の打ち切りは、政府が段階的に補助金の対象を見直すというアプローチに沿ったもの」と説明。政府が今年2月までに鶏肉と卵のコストをカバーするために割り当てた補助金が、総額38億リンギに上ったと明らかにした上で、「鶏肉に対する補助金を一括で打ち切る理由は、外国人や高所得層も享受できるという補助金の抜け穴を塞ぐため」と説明した。

その上でモハマド・サブ氏は、補助金の打ち切りは鶏肉の生産コストが安定し始め、現在の市場価格が上限価格を下回っていることを念頭に置いたものだとし、現在の供給と価格の傾向も考慮していると言明。「10月22日の業界関係者との対話セッションを通じて、鶏肉価格の大幅上昇で消費者に負担をかけることがないようにする、との約束を取り付けた」と述べ、補助金撤廃後に鶏肉価格の大幅な値上げはないことを保証するとして、「パニック買い」をしないよう消費者に呼びかけた。

一方、鶏卵の補助金が維持されることについては、補助金が打ち切られた場合に鶏卵価格が1個当たり約10セン上昇すると予想されるためだと指摘。ただ養鶏業者が将来的に十分な量を提供すると保証しており、政府はその後の進展について随時発表すると述べた。

国内取引物価省のモハマド・サユティ・バカル事務次官は、国民に負担をかけない価格で鶏肉が販売されるよう、「2011年価格統制・反不法利得法」に基づき介入できると言明。ただ価格が再び上昇した場合、政府は価格統制を再度実施する可能性があるとし、今後も引き続き監視していく方針を示した。
(ザ・スター、ザ・サン、10月31日、ベルナマ通信、10月30日)

ジョホール・シンガポール経済特区、実現可能性調査を実施へ

【シンガポール】 シンガポールを訪問したマレーシアのアンワル・イブラヒム首相と、シンガポールのリー・シェンロン首相は10月30日、共同で会見を開催。ジョホール・シンガポール経済特区(SEZ)の設立に向けて合意したとした上で、両国間のエコシステムの改善を図るため実現可能性調査を実施し、調査が終わり次第、来年初めにも覚書を締結すると明らかにした。

共同声明によると、イスカンダル・マレーシア合同閣僚委員会(JMCIM)が実現可能性調査を実施する。SEZでは国境を越えた物品や投資、人々の流れを改善し、両国の補完的な強みを活用して、経済の連結性を促進する。

アンワル首相は、来年初めの覚書締結に向けて、可能な限りプロセスを迅速化するとした。

SEZの設立は9月に発表されたもので、SEZ設立に向けて、特別タスクフォースが設立されていた。
(ザ・スター、ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、10月31日、ベルナマ通信、マレー・メイル、マレーシアン・リザーブ、10月30日)

10月31日から日本に輸出促進ミッションを派遣、16社が参加

【クアラルンプール】 マレーシア外国貿易開発公社(MATRADE)は10月31日ー11月8日の日程で、起業家開発協同組合省、マレーシア中小企業開発銀行(SMEバンク)と、日本への輸出促進ミッションを共催する。

マレーシア中小企業の世界市場への進出を促進する活動の一環。11月3ー5日の日程で新宿中央公園水の広場で開催される「マレーシア・フェア2023」に合わせて実施するもので、マレーシア企業16社が参加し、東京と大阪を訪問する。

マレーシアのハラル(イスラムの戒律に則った)食品、飲料、ライフスタイル(ファッション)産業を紹介することに、主眼が置かれている。

MATRADEは、東京と大阪の事務所を通じて、「マレーシア・フェア2023」への参加、ビジネスセミナー、日本のバイヤーとの1対1のビジネスマッチングなど、マレーシアの参加企業向けの一連のプログラムをコーディネートする。またマレーシア企業が日本の市場や機会について学ぶために、日本アセアン・センターや大阪国際経済振興センター(IBPC)とも協力する。

MATRADEによると、日本はマレーシアにとって4番目に大きな貿易相手国であり、2022年の二国間貿易額は前年比21.2%増の1,815億1,000万リンギだった。マレーシアの対日輸出は前年比29.6%増の982億4,000万リンギとなった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、10月27日)

ブリッジ、マレーシアのデジタルマーケ支援会社を完全子会社化

【クアラルンプール】 インサイドセールスや研修などの法人営業改革支援サービスを提供するブリッジインターナショナル(本社・東京都世田谷区)は、発行済株式の10%を取得しているTKインターナショナルの残り90%分の株式を追加取得し、10月1日付で同社を完全子会社化したと発表した。TKインターナショナルは商号を「ブリッジ・インターナショナル・アジア」に変更する。

TKインターナショナルは、2014年の創業以来、マレーシアを拠点に 東南アジア諸国連合(ASEAN)地域に進出する日系企業の販路開拓支援に向け、マーケティング支援やITサービス事業を展開している。顧客企業のASEAN事業モデルの構築期から事業展開・拡大期までを網羅的にカバーし、延べ100社以上の事業進出と成長をサポートしてきた。

法人営業部門のDX(デジタルトランスフォーメーション)化の波は世界各国に波及しており、「インサイドセールス事業」および「デジタルマーケティング事業」を取り巻く市場は、近年ASEAN地域でも急速に拡大している。ブリッジインターナショナルは今後、日本からASEAN地域に進出する企業や現地からマレーシア国内およびアジア・ASEAN地域に事業展開する多国籍企業向けに、ブリッジ・インターナショナル・アジアをサービス拠点とし、各事業による価値提供を一段と強化していく方針だ。