大型量販のロータスズ、セランゴール州IJMリンバユに店舗開設

【クアラルンプール】 大型量販店「ロータスズ」は、セランゴール州の総合タウンシップ「IJMリンバユ」に2024年末に新店舗を開設する。12日に起工式が行われた。

開発費用は4,200万リンギで、敷地面積は4.48エーカー、延床面積は6万4,066平方フィート。185台分の平面駐車場も設置する。完成は2024年第4四半期の予定。リース期間は2024年末から30年間。タウンシップ住民1万5,930人および半径5キロメートル(km)内の3万人が販売対象となる。

ロータスズのサクシット・パヌラック最高経営責任者(CEO)は、IJMリンバユの住民にワンストップショッピングの価値や利便性、品質を提供し、ライフスタイル全体を向上させることができることを嬉しく思うとし、コミュニティが集い、家族でさまざまな楽しいアクティビティに参加できるスペースを作ることを目指していると述べた。

IJMリンバユを運営するIJMランドによると、IJMリンバユでは現時点で住宅5,472戸が販売され、そのうち3,980戸が完成済みで、引き渡しが完了している。ロータスズ以外にも2024ー2026年に各種商業施設が開設される見込みだという。
(ザ・サン、12月14日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、12月12日)

サイムダービーがUMWを子会社化、株式61%を取得

【クアラルンプール】 コングロマリットのサイム・ダービーは、間接子会社であるサイムダービー・エンタープライズを通じ、UMWホールディングスの株式61.18%を35.7億リンギで取得した。UMWホールディングスは、自動車のUMWトヨタ・モーター(UMWT)やダイハツ系プルサハアン・オトモビル・クドゥア(プロドゥア)の親会社。

サイム・ダービーが13日付けでブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)に宛てた声明によると、国営投資会社ペルモダラン・ナショナル(PNB)から7億1,481万3,100株を取得し、UMWを間接子会社とした。今後残りのUMW株も強制公開買付けにより取得し、上場廃止を目指す。

UMWの経営層も一新され、サイム・ダービーの最高財務責任者(CFO)だったムスタミール・モハマド氏がUMWの社長兼グループ最高経営責任者(CEO)に就任した。ムスタミール氏の後任には、2020ー2023年にサイム・ダービーの自動車部門のCFOを務めていたムハンマド・ノール氏が就任する。

ムスタミール氏は、サイム・ダービーとの統合局面でUMWを率いることを光栄に思うとし、UMWはマレーシアの自動車セクターの要として長年高い評価を得ており、その強固な基盤を土台とし、サイム・ダービーの確立された流通網や地域的影響力を活用することで、新たなビジネスチャンスを開拓することを目指すと述べた。
(ザ・サン、12月14日、ザ・スター電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、12月13日)

ジェトロ、マレーシアの高齢者介護市場に関するセミナーを開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は、来年1月11日、マレーシアにおける医療ビジネスに関心のある日本企業を対象に、「マレーシア医療ビジネス解説セミナーー注目が集まる高齢者介護市場」と題するセミナーを開催する。

AGECOPE(マレーシア高齢者介護住宅事業者協会)などから講師を招き、高齢化・高所得化に伴い注目が集まるマレーシアの高齢者介護市場やマレーシアにおける支援技術および関連サービスへの需要について解説する。

セミナーはZoomによるオンライン形式で実施され、参加料は無料。日本語もしくは日本語字幕付きの英語となる(通訳なし)。定員は200名で、申込締切は1月9日。メールでの問い合わせは、ジェトロKL事務所(MAK@jetro.go.jp)まで。

トクヤマ、マレーシアで韓OCIとシリコン事業で合弁

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 総合化学メーカーのトクヤマ(本社・山口県周南市)は13日、韓国OCIカンパニーとマレーシアにおける半導体用多結晶シリコンの半製品の共同生産に関する契約を締結し、合弁会社を設立すると発表した。

合弁会社の名称はサラワク・アドバンスト・マテリアルズで、資本金は1億6,800万米ドル。トクヤマとOCIが折半出資する。2024年4月の設立を予定しており、約3億米ドルをかけて建設する工場の生産能力は年間8,000トンで、将来的には1万トンに拡大する計画。製品化と販売については現状どおり両社が独自に行う予定だ。

トクヤマは声明の中で、将来の半導体市場拡大に伴う多結晶シリコンの需要増加を見据え、クリーンエネルギーを使用した半導体用多結晶シリコンの生産・供給体制の構築に向けたものだと説明。CO2 の排出量増加を抑えつつ電子分野の事業拡大の加速を推進していくとしている。

ホンダマレーシア、新型6代目「CR-V」を発表

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ホンダ・マレーシアは14日、フルモデルチェンジした6代目Cセグメント・スポーツ多目的車(SUV)、「CR-V」を発表した。

エンジンは、排気量1.5リットルのVTECターボエンジンと新世代の排気量2.0リットルe:HEVハイブリッドエンジンの2種で、今回発売したVTECエンジン搭載の「S」、「E」、「V」の3バリアントの価格は、それぞれ15万9,900リンギ、16万9,900リンギ、18万1,900リンギ。VTECターボは、最高出力 193PS、最大トルク 243Nmを発揮する。e:HEVハイブリッドエンジン搭載の「RS」は2024年初頭の発売を予定しており、価格は後日発表する。最大トルク335Nm、最高出力184PSを発揮する。

吉村宏信社長兼最高経営責任者(CEO)は、11月に受付を開始して以来、予約台数は2,000台に上っており、月間1,000台の販売を目標に掲げていると述べた。納車待ち期間は2ー3カ月となっている。

今年でホンダ創立75周年、マラッカにおける現地組立(CKD)開始20周年を迎えたのを記念して、「S」バリアントを750台限定で2,000リンギ割引価格で提供する。

マレーシア航空とファイアフライ、3月までに248便を増便

【クアラルンプール】 マレーシア航空の親会社であるマレーシア・アビエーション・グループ(MAG)は、旅行需要増加に対応するため、2024年3月までに国内線および国際線に248便を増便する計画だ。

増便するのは、クアラルンプール国際空港(KLIA)第1ターミナル(KUL)、スルタン・アブドル・アジズ・シャー空港(スバン空港)、ペナン国際空港から出発するマレーシア航空およびファイアフライの路線。

国内線では、マレーシア航空はKULからシブ行きを週10便から12便に、タワウ行きを週10便から16便に、クチン行きを週54便から57便に増便する。ファイアフライは、ペナン国際空港からコタキナバル行きを週14便から15便に、ランカウイ行きを週10便から11便に、スバン空港からランカウイ行きを週12便から13便とする。

国際線では、マレーシア航空はKULから成田行きを週12便から14便に、シドニー行きを週14便から18便に、メルボルン行きを週14便から週17便に、アムリトサル行きを週2便から4便に、コーチ行きを週6便から7便に増便する。
(ザ・サン、12月12日、ニュー・ストレーツ・タイムズ、ベルナマ通信、エッジ、12月11日)

民間から第2財務相起用、政治の影響を受けないため=首相

【クアラルンプール】 11日に発表された内閣改造人事において、民間から第2財務相を起用したことについて、アンワル首相は、財務省には経済問題に集中させ、政治的圧力の影響を受けないようにするためだと説明した。

第2財務相ポストには、従業員積立基金(EPF)のアミル・ハムザ・アジザン最高経営責任者(CEO)が起用された。アミル氏は経験豊富なテクノクラートであり、シラキュース大学で金融および金融管理サービスの学士号を取得し、その後スタンフォード大学で学んだ。アンワル首相はアミル氏の起用について、「彼は十分な能力を示し、満足のいく方法でEPFを管理してきた」と説明している。 アミル氏の起用については、アナリストらからはおおむね評価する声が上がっている。

バンク・ムアマラートのチーフエコノミスト、アフザニザム・アブドル・ラシド氏は、アミル氏は金融界における豊富な知識と経験があると指摘。財政赤字を削減し、債務水準を持続可能な軌道に維持するという強いコミットメントを示すことができるだろうと述べた。

マレーシア科学技術大学のジェフリー・ウィリアムズ経済学教授は、アミル氏は政治家ではないため、政策、財政管理、統治に集中するだろうとした上で、最大の機関投資家であるEPFで実績を上げたことで投資コミュニティで尊敬を集めており、投資家からの信頼を高めるだろうと述べた。

一方、パシフィック・リサーチ・センター・オブ・マレーシアのオー・エイスン首席アドバイザーは、政策や改革に関してはアンワルム首相が依然として主導権を握るだろうと指摘。「少なくともアンワル氏の負担が軽減されたことには市場全体は前向きに反応するだろう。ただアミル氏が新たな政策や改革を打ち出すとは思えない。改革を期待するのであれば現時点での評価は時期尚早だ」と述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、12月12日)

英投資会社、経営難のサラワクケーブルに2.5億リンギを投入

【クアラルンプール】 電力ケーブル製造のサラワク・ケーブル(SCB)は12日、同社の再編に向け、投資会社の英セレンディブ・キャピタルから2億5,000万リンギの投資を受けると発表した。SCBはブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)のメイン市場に上場しているが、早急な財務改善が求められる監視銘柄「PN17」に指定されている。

SCBの声明によると、セレンディブは英国を拠点とし、南アジアでの金融資産再編に20年以上の経験を持つ投資会社。セレンディブは5日付けでSCBの救済会社(ホワイトナイト)となる意向を表明した。輸送の電化、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域諸国間の送電網接続、大量の電力を必要とするデータセンターの急増、電気自動車(EV)の需要増加などにより、SCBの成長が見込まれると予想し、投資を決定したという。SCBは、投入された資金を未払い債権の返済およびインフラ網整備や高圧ケーブルの需要増大への対応に充てる。

セレンディブの顧問である平田竹男氏(早稲田大学教授)は、「マレーシア最大の電力ケーブルメーカーであり、地域でもトップメーカーであるSCBと提携し、投資できることを嬉しく思う」と言明。SCBの顧客基盤や製造の質は他に類を見ないものであるため、財務改善を果たし、地域の有力企業に育て上げたいと述べた。同氏は6日付けでSCBの社外取締役に就任している。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ボルネオポスト、12月12日、SCB発表資料)

KLーシンガ高速鉄道、来年1月に提案依頼書プロセスを開始

【クアラルンプール】 民間主導での復活を目指しているクアラルンプール(KL)ーシンガポール間の高速鉄道(HSR)建設計画は、来年1月15日以降に提案依頼書(RFP)提出プロセスを開始する見通しだ。

アンワル・イブラヒム首相が12日に行った内閣改造で副公共事業相に就任したアハマド・マスラン氏は同日、コンセプト提案書の提出期限が来年1月15日であるため、RFPプロセスはその後開始されると説明。RFPの締切日から1カ月以内に、建設を請け負う企業を決定すると述べた。HSRについては、国内企業以外にも、中国、日本、韓国、欧州企業合わせて30社以上が関心を示しているとし、早期の開始を望んでいると述べた。建設費については、以前は700億リンギ程度になると見込まれていたが、現時点では1,000億リンギまで膨れ上がっているという。

HSR建設計画は、HSR開発の権限を持つMyHSRコーポレーションが、国内外の業界関係者からの要請を受け、当初11月15日となっていたコンセプト提案書の提出期限を来年1月15日まで延長していた。
(エッジ、ベルナマ通信、12月12日)

三井不動産、KLの高層住宅プロジェクトに参画

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 三井不動産(本社・東京都中央区)は13日、クアラルンプール(KL)市バングサ地区における大規模複合開発「セティア・フェデラルヒル」(SFH)プロジェクトにおいて高層住宅2棟(計1,360戸)の開発への参画が決定したと発表した。

大手デベロッパーのSPセティアと共同で手掛けるSFHは、分譲住宅やオフィスビル、商業施設などの各種施設を一体整備する大規模複合開発事業。軽便鉄道(LRT)ケラナジャヤ線バングサ駅から徒歩6分、KLセントラル駅から徒歩9分の立地で、将来的にはSFH内に商業施設の開業も予定している。

マレーシア三井不動産が開発を手掛けるタワー1は、敷地面積が約4,800平方メートル、地上63階建、総戸数687戸で、タワー2は、敷地面積6,000平方メートル、地上62階建、総戸数673戸。2024年6月に着工し、2029年の完成を予定している。

SFHは、敷地面積に対して一定割合以上の緑を確保、またエネルギー効率の高いエレベーターや電気自動車(EV)の充電器の設置などにより、マレーシア国内で採用される環境性能認証「GreenRE Gold」格付を取得する予定だ。

SFHへの参画により、三井不動産のマレーシアにおける住宅分譲事業は計5事業、その他商業施設事業や賃貸住宅事業、物流事業を加えると計9事業となる。