【セパン=マレーシアBIZナビ】 キャピタルA(旧エアアジア・グループ)は8日、グループ合理化及び資金調達策の一環として航空会社部門を傘下のエアアジアX(AAX)に売却・統合する方針を明らかにした。再建を目指すキャピタルAは、デジタル部門などの非航空部門に注力する。
キャピタルAのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)によると、AAXはエアアジア・マレーシアおよびエアアジア・アビエーション・グループ(AAGL)と合併することになる。AAGL は、タイ、インドネシア、フィリピン、カンボジアのエアアジア子会社を傘下にもつ。キャピタルAは現在、ブルサ・マレーシア(マレーシア証券取引所)より早期の財務改善を求められる「PN17」指定を受けており、資金調達が困難な状況にある。航空事業売却は、グループ内の航空事業の強化と共に非航空部門の成長を目論むキャピタルAが資金調達を目的として行うもの。
フェルナンデスCEOは、売買契約は2週間以内に取り交わされる見通しだとした上で、売却額を含む買収提案の詳細は近く発表されると言明。航空事業売却完了後、6月30日までにブルサ・マレーシアに対し「PN17」指定解除に向けた再建計画を提出すると述べた。
航空事業売却後、キャピタルAは▽テレポート(物流)▽エアアジア・デジタル・エンジニアリング(ADE)(航空機保守、修理、オーバーホール=MRO及び機内食サービス)▽エアアジア・ムーブ(旧エアアジア・スーパー・アプリ)(デジタルサービス)▽サンタン(外食)――の4部門に注力。本社をクアラルンプール(KL)のダマンサラ・ハイツに移転する。
一方AAXは、本社をクアラルンプール新国際空港(KLIA)ターミナル2に残したまま、エアアジア・アビエーション・グループ(AAG)に改称する。AAGは今後、カンボジアへの進出、保有機材とネットワークの拡大、貨物輸送能力の拡大に向けた戦略的取り組みを進める。保有機材については、2024年3月までに破綻したMYエアラインの機材を含めて206機に、2028年までに333機に増強する。またエアアジア・フィリピン(PAA)とエアアジア・インドネシア(IAA)の持株比率を100%に引き上げる計画だ。