イスラム開発局、ハラル申請プロセス簡素化に向けAIシステム開発

【クアラルンプール】 マレーシア・イスラム開発局 (JAKIM) は、ハラル(イスラムの戒律に則った)認証申請の承認プロセスを簡素化するための人工知能 (AI)システム開発を進めていることを明らかにした。

ハラル管理部門のモハマド・ザムリ・モハメド部門長は、AI技術は特に食品の成分分析において役立つと期待されていると言明。承認作業で最も複雑な点は、製品に含まれる成分の確認だとし、「たとえば、ホテルのハラル食品認証の申請では、チェックする必要があるメニューは数百種類あり、食材は数千種類ある。手作業ではかなりの労力が必要となるため、AI の活用は大きな助けとなるだけでなく、承認のスピードアップにもつながる」と述べた。

ザムリ氏は、マレーシアのハラル認証は世界的に認知されており、10年連続で81カ国の中でトップの座を確保していると指摘。高い信頼性や基準の厳格な順守を維持することが、マレーシアのハラル認証が全世界で尊重されるために重要であると強調した。
(ザ・サン電子版、ボルネオ・ポスト、ベルナマ通信、1月18日)

アラスカ航空の破損側壁、米メーカーがマレーシア工場で生産

【クアラルンプール/ワシントン】 アラスカ航空が運航していたボーイングB737MAX9型旅客機の側壁の一部が飛行中に吹き飛んだ事故について、米国家運輸安全委員会(NSTB)は、側壁は米国の航空機部品メーカー、スピリット・エアロシステムズのマレーシア工場で生産されたことを確認した。ワシントン・ポスト、ロイターが報じた。

ジェニファー・ホーメンディー委員長によると、側壁はカンザス州ウィチタの本社工場に輸送され、その後ワシントン州のボーイング組立工場に送られた。

ホーメンディー氏は、問題点は特定できておらず、NSTBは製造工程だけでなく、マレーシアからカンザス州への輸送、ボーイング施設への輸送、ボーイング社の品質管理についても調査しているという。この問題については米連邦航空局(FAA)とNSTBが上院商務委員会でブリーフィングを行っている。

同型機を使用しているのはアラスカ航空とユナイテッド航空で、両社は既に数千便の運航を取り止めている。

事故では、同機はオレゴン州ポートランド国際空港を離陸し、上昇中に側壁が吹き飛んだ。同機は空港に引き返し、乗客乗員177人は無事だった。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月19日、マレー・メイル、フリー・マレーシア・トゥデー、1月18日)

芝浦工大、パハン大との学術交流協定に調印

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 芝浦工業大学は18日、マレーシア・パハン大学との間の学術交流協定調印式をオンライン開催したと明らかにした。芝浦工大は、これにより学生の交換留学等を含めたさらなる両大学の交流に発展していくことが期待されるとしている。

芝浦工大とパハン大は、マレーシアで実施されたATU-Net(アジア技術系大学ネットワーク)の活動を通じて関係があり、昨年10月にはパハン大の教員5人が来日するなどの交流があった。ATU-Netはマレーシア工科大学 (UTM) が中心となって設立した国際ネットワークで、日本からは芝浦工大がメンバーとなっている。

調印式には、パハン大よりユセリー・ザイヌディン副学長、アハマド・ジアド・スライマン副学長代理(学術・国際担当)ら5人の教職員がオンラインで出席し、芝浦工大からは山田純学長、木村昌臣国際交流センター長らが出席した。

イオンビッグ、今年の設備投資額は2500万リンギ

【クアラルンプール】 イオンビッグ(M)は、今年の設備投資額として2,500万リンギを計上したと明らかにした。

シェイク・ファルーク社長は英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、主に既存店の改装・メンテナンスを行うとし、半島部全21店舗の設備を強化すると言明。新店舗開設の計画もあるとした。

イオンビッグではセルフレジも導入しており、導入当初は顧客の抵抗もあったが、徐々に利用率が向上しており、現時点でレジ利用のうち30%をセルフレジが占めているという。年内に利用率50%を目指す。

シェイク・ファルーク社長はまた、今年は様々な産業との提携を行っていくとし、スポーツやベビー用品、食品・飲料(F&B)などの企業との提携を計画しているとした。テナントに関しては、飲食、エンターテイメント、スポーツ、アパレル、サービスなどの店舗の入居を促進したいとし、顧客に喜ばれるモールになるために、バランスの取れた構成にしたいとしている。

一方、商品価格については、コスト上昇圧力を抱えているものの、安易に値上げするのではなく、サプライヤーとの交渉により、現行の価格体系を維持していくとした。
持続可能性への取り組みに関しては、クアラルンプールのワンサ・マジュ店がモデル店舗となっており、屋上ソーラーパネルや電気自動車(EV)充電設備、ドライブスルー・リサイクルセンターを設置しているが、同様の取り組みを全店舗に拡大する予定だと述べた。年央までに電力会社テナガ・ナショナル(TNB)の太陽光発電部門であるGSPARXと提携し、15店舗へのソーラーパネル設置により15ー20%の省エネを目指す。

今年の見通しについては、経済回復により来場者数とテナント数がともに大幅に増加すると予想しているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月19日)

第4四半期のGDP成長速報値は+3.4% 通年は+3.8%=統計局

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 統計局は19日、2023年第4四半期(10ー12月期)のマレーシア国内総生産(GDP)成長率の速報値を発表。前期(7ー9月期)の+3.3%を上回る+3.4%と予測した。正式発表は2月16日を予定している。
セクター別では、牽引役のサービス業は、前期の+5.0%から下がったものの+4.7%を維持。卸売・小売業、輸送・倉庫、ビジネスサービスのサブセクターが貢献した。

前期に0.1%のマイナス成長に転落した製造業は、電気・電子・光学製品、石油、化学、ゴム・プラスチック製品が減少したものの、植物性・動物性油脂、食品加工、非金属鉱物製品、卑金属・金属加工品の増加が貢献して0.1%のプラス成長にやや回復した。

農業はアブラヤシ、その他の農業、畜産、天然ゴムが貢献して、前期の+0.8%から+1.2%に回復した。 鉱業・採石業は天然ガスや原油・コンデンセートの生産増に下支えされて前期の+0.1%から+3.7%に回復した。

一方、建設業は土木や住宅建設が緩やかに成長したものの、特殊建設と非住宅建設の減少により前期の+7.2%から+2.5%に減速した。

2023年通年のGDP成長率速報値は+3.8%で、セクター別ではサービスが+5.4%、建設が+5.8%、製造業が+0.8%、鉱業・砕石業が+1.0%、農業が+0.5%と、いずれもプラス成長となった。