イケアマレーシア、クアラトレンガヌに商品受け取り拠点を設置

【クアラ・トレンガヌ】 スウェーデン系家具メーカー、イケア・マレーシアは26日付けで、トレンガヌ州クアラ・トレンガヌにイケア商品の受け取り拠点を開設した。

従来は店舗に出向くか、オンラインショッピングで宅配を選択して送料を支払う必要があったが、拠点を受け取り場所として指定することで、宅配よりも安く受け取れるようになった。

イケアはマレーシア国内で受け取り拠点を合計7カ所運営しており、クアラ・トレンガヌは、クアンタンに次いでマレー半島東海岸で2番目の拠点となる。マレー半島では他にイポー、マラッカ、東マレーシアではコタキナバル、ミリ、クチンに受け取り拠点を設置している。

ペナン州バトゥカワン店の村井武志ストアマネジャーは、クアラ・トレンガヌに受け取り拠点を設置することで、イケアの機能的で手頃な価格の商品を東海岸の人々に届ける手段が増え、新規顧客の開拓にもつながると述べた。
(ザ・サン、2月27日)

ペナン空港拡張計画に認可、近く着工へ=運輸相

【ランカウイ】 ペナン国際空港の拡張プロジェクト(総事業費10億リンギ)に対し、内閣から認可が下りたため、空港運営のマレーシア・エアポーツ(MAHB)は、第2四半期もしくは第3四半期に事業を開始する予定だ。MAHBとマレーシア政府観光局が主催するイベントに出席したアンソニー・ローク運輸相が明らかにした。

総事業費の一部はMAHBが負担し、残りは空港開発基金(ADF)から賄われる見通し。近く入札プロセスが開始されるが、完成までに約3ー5年かかる見通しだという。ペナン国際空港は現在、年間650万人の旅客取扱能力を持っているが、拡張によりこれが1,200万人に拡大される。

政府とMAHBが締結した新たな運営協定には、空港利用料などから構成されるADF設置が盛り込まれており、必要な際にはペナン空港の拡張プロジェクトにも利用できることになっている。MAHBが負担する経費は投資回収モデルを通じて回収されることになるという。

ローク運輸相は昨年10月、ペナン国際空港拡張のための土地取得とインフラ整備資金として9,300万リンギの資金提供を政府が承認したと発表。アンワル・イブラヒム首相は先ごろ、空港拡張のための資金承認を迅速化するよう求めていた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・サン、2月28日)

3月のSST税率引き上げ、水道・電気代が対象外になる可能性も

【クアラルンプール】 3月1日付けで売上・サービス税(SST)が6%から8%に引き上げられることに関連し、アルミザン・アリ国内取引物価相は27日の下院議会質疑の中で、水道代と電気代については引き上げ対象から外される可能性があると述べた。

アルミザン氏によると、同省はSST引き上げの影響に関する特別調査を完了しており、2週間前の省内会議ですでに発表された。調査結果は近く検討のため国家生活費行動評議会(NACCOL)に提出される予定で、NACCOLとの間で予定されている会議で議題に上る予定だという。

これに先立ちウィー・カション議員(国民戦線=BN)は、「通信、駐車場、飲食料品を引き上げの対象から除外できるのなら、なぜ水や電気などの生活必需品を免除できないのか」、「電気料金は値上がりし、水道料金も21%値上がりした。3月には増税で国民の負担はさらに大きくなるだろう」と述べた。

3月1日からは海外拠点のデジタルサービスを含むほとんどのサービスのおけるSST課税率が8%に引き上げられ、カラオケ店、配達、仲介、保険引受サービスなど、これまで非課税だったサービスにも適用されることになっている。
(ザ・スター、2月28日)

愛知のブランド牛「下村牛」、マレーシアへ輸出開始

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 黒毛和牛の繁殖から肥育、流通までを一手に行っている下村畜産食肉(本社・愛知県大府市)は、黒毛和牛「下村牛(しもむらぎゅう)」の海外出荷を開始すると発表した。

「下村牛」は愛知県内外の下村グループ牧場10カ所で繁殖から肥育までを一貫して行っているブランド牛で、成長期に合わせた独自配合の飼料、血統の管理、科学的根拠に基づく母牛管理など、独自の技術で育てている。通常の和牛と比べてうまみ成分であるグルタミン酸の量が30倍もあること、オレイン酸が多いため脂が人肌で溶けるほどの口溶けが特徴となっている。

同社によると、愛知県初の試みとして、28日にハラル(イスラムの戒律に則った)認証を受けた黒毛和牛2頭をマレーシアに出荷する。初年度は年間60頭の出荷を予定している。

マレーシアでは高級レストラン「天牛おまかせ」や和牛焼肉の「天真」を運営するキュイジーン・デライトが「下村牛」を取り扱う。下村畜産食肉とキュイジーン・デライトは1月31日に、「下村牛」のプロモーションをクアラルンプール(KL)市内で行っていた。

下村畜産食肉は今後、マレーシアのみならず、他のASEAN(東南アジア諸国連合)地域など、さらなるエリア拡大、出荷数量の増大を図っていく。また、今後の需要拡大に対応するため、今期中に牛舎増築を行い、飼養頭数も500頭ほど増やす計画だ。

化粧品OEMの日進化学、マレーシア企業を完全子会社化

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 化粧品・医薬部外品の相手先ブランド製造(OEM)メーカーである日進化学(本社・大阪市中央区)は、1月18日付けで、化粧品の相手先ブランド設計・製造(ODM)・OEM会社であるマレーシア企業ボディベーシックス・マニュファクチャリング(BSX)の株式100%を取得し、完全子会社化したと発表した。

BSXは1995年に創業。セランゴール州クランに拠点を構え、ボディケアおよびパーソナルケア製品の受託製造を行っている。従業員数は280人。品質・安全性に関する国際規格ISO9001やISO22716(化粧品GMP)、マレーシア・イスラム開発局 (JAKIM)およびインドネシア・ウラマー評議会(MUI)のハラル(イスラムの戒律に則った)認証を取得しており、同社製品は中国、ロシア、中東など世界30カ国以上に輸出されている。

フードパンダマレーシアは国内営業を継続、近くイベントも開催

【クアラルンプール】 事業売却が噂されている、食品配送サービスのフードパンダ・マレーシアは、国内営業を継続し、近く政府と連携してイベントを行うと明らかにした。

フードパンダを運営する独デリバリー・ヒーローは、東南アジア(マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、カンボジア、ミャンマー、ラオス)事業の売却を検討していたが、21日付で主な交渉相手との交渉を打ち切ったと発表している。

フードパンダ・マレーシアの暫定最高経営責任者(CEO)であるピチャヤ・ソンスア氏は、メディア向け昼食会での記者団からの質問に対し、売却についてのコメントは控えた一方、最近のミーティングで社員と戦略や今年の方向性について議論し、全社の方向性が一致していることが確認できたと強調した。

ピチャヤ氏は、フードパンダ・マレーシアでは、3-4月に政府と協力し、社会貢献イベントを行う予定だとし、詳細は後日発表されると述べた。国内食品・飲料業界は昨年横ばいの状態だったが、今年は安定成長すると予想しているという。
(ザ・サン電子版、2月27日)

テスラ、ペナンの2カ所に充電施設を設置

【ジョージタウン】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは26日、ペナン州に2カ所充電施設を設置したと発表した。

設置されたのは、バトゥカワン工業団地内のミーティング、報奨旅行、国際会議、展示会(MICE)施設「ザ・シップ・キャンパス」およびアイルイタムのショッピングモール「オールシーズンズ・プレイス」。

いずれもテスラ車所有者が無料で利用できる「デスティネーション・チャージング・ステーション」を設置しており、「ザ・シップ・キャンパス」には8基、「オールシーズンズ・プレイス」には4基となっている。

ペナンでの2カ所の新設により、「デスティネーション・チャージング・ステーション」が設置されている国内充電施設は合計8カ所となった。有料の急速充電器「スーパーチャージャー」が設置されている充電施設は、▽パビリオン・クアラルンプール(KL)▽パビリオン・ブキジャリル(KL)▽テスラ本社(セランゴール州サイバージャヤ)▽サンウェイ・ピラミッド(セランゴール州)▽イスカンダル・プテリ(ジョホール州)▽フリーポート・アファモサ(マラッカ州)ーーの6カ所となっている。稼働している充電器数は、交流(AC)充電器が37基、直流(DC)の「スーパーチャージャー」が30基。

テスラは、今後もペナンでの充電インフラ整備を継続し、国内での充電範囲を拡大していくとしている。
(ポールタン、エッジ、ベルナマ通信、2月26日)

オンライン証券の香港系ムームー、マレーシア市場に参入

【クアラルンプール】 香港系フィンテック(革新的金融技術)企業の富途が展開するオンライン証券サービス「ムームー」が27日付でマレーシア市場に参入した。

ムームー・マレーシアのデニス・ジー最高執行責任者(COO)によると、同社は証券委員会から資本市場サービスライセンスを取得し、マレーシアで証券およびデリバティブの取引および決済業務に従事できるようになった。同社は米国、シンガポール、オーストラリア、日本、カナダでもサービスを展開している。

ジーCOOは、シンガポールでは20ー70歳の25%がムームーを投資プラットフォームとして選んでおり、トレード・アプリの中でダウンロード数第1位となっているとし、マレーシアでも最高の投資プラットフォームになることを目指すと述べた。

オンライン証券会社の競争が激化する中、ムームーは独自サービスを提供することで差別化を図っている。具体的にはマレーシア市場と米国市場の投資管理、銘柄リサーチ、投資家仲間とのコミュニケーション、投資教育などの機能を提供している。株式スクリーナー、マーケット・モニター、機関投資家追跡、リアルタイム・データ、ニュース速報など、人工知能(AI)関連機能もユーザーから好評を得ているという。

ムームーは研究開発に力を入れており、昨年度には1億5,600万米ドルを投資。従業員の60%が研究開発に取り組んでいるとしている。
(ザ・スター、2月27日)

整備・修理サービスもサービス税の対象に、26日から適用

【クアラルンプール】 司法長官会議は23日、ホームページに官報を掲載。ほぼすべての整備・修理サービスもサービス税の適用対象になると明らかにした。施行日は26日。

サービス税の現在の税率は6%で、3月1日から8%になる。しかし物流サービスについては、同日以降も6%の率が適用される。ほかに6%が適用されるのは、飲食品提供、通信、駐車、クレジットカード・チャージカードのサービス。

法務サービスを提供するTRATAXのテネシュ・カンナー取締役によると、整備・修理サービスのうち、住宅の整備・修理サービスと、共同住宅など区分所有権の建物を管理する組織が提供するサービスはサービス税の適用を受けない。しかしエアコンなどの整備サービスにはサービス税がかかるという。

整備・修理サービスの適用に先立ち、証券仲買、証券引き受け、カラオケなども適用対象に含められた。
(エッジ、2月26日)

 

CCS共同スタディに中国電力と日本ガスラインが参加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 石油資源開発(本社・東京都千代田区、JAPEX)、日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)、川崎汽船(本社・東京都千代田区)、JFEスチール(本社・東京都千代田区)の4社は26日、マレーシアにおける二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)の事業化に向けた、日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討において、中国電力(本社・広島県広島市)と日本ガスライン(本社・愛媛県松山市、NGL)が新たに参加することに合意し、計6社による覚書を同日付けで締結したと発表した。

2022年より国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)と検討を進めてきたJAPEX、日揮、川崎汽船は2023年9月、ペトロナス子会社のペトロナスCCSベンチャーズとの間で、マレーシアにおけるCCS事業化の検討に係る基本契約を締結。2023年6月にJFEスチールも検討に参加した。今回、発電事業におけるCO2排出量のさらなる削減手法を検討する中国電力、日本国内での液化CO2の内航船輸送を進めているNGLとも方向性が一致し、6社間での共同検討実施の合意に至った。

6社は、事業化検討と連携し、JFEスチールおよび中国電力グループが保有する日本国内の製鉄所や発電所で排出されるCO2の分離・回収、液化CO2のマレーシアまでの海上輸送(瀬戸内エリアでの内航輸送を含む)と受け入れ、貯留までの一連のバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどに係る検討を行っていく。事業化検討では、マレーシア国内のCO2を収集する陸上設備からのCO2輸送パイプラインの敷設や液化CO2の海上輸送、ならびに同国内での受入設備・海洋圧入設備など、必要な設備の仕様や費用の積算、事業スキームの詳細について検討を進めており、マレーシア国内で排出されるCO2に加えて、日本などマレーシア国外で回収されたCO2を海上輸送し、2028年末に海底下への圧入・貯留を開始することを目指す。