3月からの物流向けサービス税導入、業界が延期を要請

【クアラルンプール】 マレーシア製造業者連盟(FMM)は、2024年3月1日に予定されている物流サービスに対する6%のサービス税導入について、物流チェーン全体のサービスに影響を及ぼし、国内で販売される商品のコストを上昇させる懸念があるとして政府に延期を求めている。

FMMは声明の中で、会員企業からのフィードバックによると、物流サービスを税対象に含めることにより、国内販売商品、特に動きの速い消費財(FMCG)や輸出市場向け最終製品のコストが上昇し、マレーシアの輸出が競争力を失うことになると指摘。「物流サービスに対する6%の税金は、サプライチェーン全体で商品を動かすために発生する物流コストを押し上げる。すでに売上税の対象となっている製造業者に減免が適用されない限り、企業は国内消費財価格および輸出価格を上げることで消費者に税負担を転嫁するしかない」と述べた。

その上でFMMは、財務省(MOF)が、企業間で税金を課さないようにする「B2B免税」を検討していることに言及。「統合物流サービス(ILS)企業にとっては有利となるが、製造業者にとっては有利ではない。物流サービスの最終顧客である製造業者は、サービス提供者がILSか個々の国内物流会社かに関係なく、税を負担しなければならない」とした。

FMM によると、物流コストはメーカーの営業コストの8―15%を占めているが、低価格消費財の場合にはそのコストが高くなり、東マレーシアの企業では最大25%とさらに高くなるという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、1月31日、エッジ、1月30日)

イブラヒム・イスカンダル第17代国王が即位

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 イブラヒム・イスカンダル第17代国王(ジョホール州スルタン)の即位式が1月31日に開催された。任期は5年。

ジョホール州では同日、セナイ国際空港からクアラルンプール(KL)に向かう新国王を見送るために、約3万人のジョホール州民が沿道に集まった。新国王は特別機でスバン空軍基地に到着後、KLのイスタナ・ネガラに向かい、就任宣言書に署名を行った。

イブラヒム新国王は1958年11月22日生まれ。職業軍人としての軍事訓練を積み、米タフツ大学フレッチャー法律外交大学院でも東南アジア戦略学、国際海洋法について学んでいる。2015年3月にジョホール州スルタンに即位した。息子5人、娘1人、孫6人に恵まれている。趣味はスポーツと車のコレクション。機関車運転免許(クラス26)を取得した最初のスルタンとして「マレーシア・ブック・オブ・レコード」に掲載されている。

マレーシアの王位は任期5年で、9人の州君主(統治者、スルタンあるいはラジャ)による互選となっているが、実質的には9人による輪番制となっている。

外国人の住宅購入に全国共通指針を、不動産ラヒムが要望

【クアラルンプール】  不動産コンサルタント会社ラヒム・アンド・カンパニーは、外国人による住宅購入に関して、全国共通の指針を全州政府が採用するよう、住宅・地方行政省に求めた。

今年の不動産市場見通しに関するフォーラムでアブドル・ラヒム会長は、土地は州が所有しているため州により指針が異なっているのが現状だと指摘。指針が統一されれば、外国人の長期滞在を奨励する「マレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)」プログラムの利用が増えると述べた。

昨年12月、政府はMM2Hを改定し、シルバー、ゴールド、プラチナの3カテゴリーを導入すると発表。マレーシア国内の定期預金必要額は、シルバーは50万リンギ、ゴールドは250万リンギ、プラチナは500万リンギとなっている。

ラヒムの調査責任者であるスライマン・サヘ氏は、シンガポール、タイ、フィリピンもMM2Hと同様のプログラムを導入しており、マレーシアとしてMM2Hをより魅力あるものにする必要があると述べた。一貫した方針も重要だという。

マレーシアは2022年9月、富裕層誘致を目的とした、長期滞在ビザ「プレミアム・ビザ・プログラム(PVIP)」も導入しているが、スレイマン氏は申請者の間に混乱を招いているとし、MM2Hとの違いを明確にするよう求めた。

(フリー・マレーシア・トゥデー、1月30日)

マツダ、クロスオーバーSUV「CX-5」の2024年版を投入

【クアラルンプール】 マツダ車販売のベルマツ・オートは、クロスオーバーSUV「CX-5」の2024年モデルの発売を開始した。

今回はマイナーチェンジとなり、フロントマスクがより立体的となったほか、グリルとフロントバンパーが変更され、中央のエアインテークが小型化された。5種のバリアントを用意する。保険なし価格は、2.0Lガソリンエンジンを搭載した「2.0G 2WDミッド」が14万4,469.2リンギ、「2.0G 2WDハイ」が16万1,169.2リンギ。

2.5Lガソリンエンジンを搭載した「2.5G 2WDハイ」が17万4,960.4リンギ。ターボチャージャー付きディーゼル車の「2.2D 2WDハイ」が18万322.8リンギ、ターボチャージャー付きガソリン車の「2.5G AWDハイ」が18万8,760.4リンギ。

ボディカラーは全7色で、5年間(10万キロメートルまで)のメーカー保証および無料定期メンテナンスが付属する。
(ポールタン、1月29日)

愛知のブランド牛「下村牛」のプロモ、KLで開催

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 黒毛和牛の繁殖から肥育、流通まで一手に行っている下村畜産食肉(本社・愛知県大府市)は1月31日、マレーシアの飲食店グループのキュイジーン・デライトと提携し、下村牧場で生産する「下村牛」のプロモーションをクアラルンプール(KL)市内で行った。

「下村牛」は愛知県内外の下村グループ牧場10カ所で繁殖から肥育までを一貫して行っているブランド牛で、成長期に合わせた独自配合の飼料、血統の管理、科学的根拠に基づく母牛管理など、独自の技術で育てている。通常の和牛と比べてうまみ成分であるグルタミン酸の量が30倍もあること、オレイン酸が多いため脂が人肌で溶けるほどの口溶けが特徴となっている。

今回のプロモーションは、「下村牛」の初の海外輸出先であるキュイジーン・デライト傘下の和牛をテーマとした高級レストラン「天牛おまかせ」で行われ、下村畜産の下村知士社長が自ら、「下村牛」の特徴を説明しながら牛肉の捌き方や部位の特徴を説明。部位ごとに適した調理法と食べ方を参加者に紹介しながら試食を提供した。

下村グループの飼育頭数は4,050頭で、年間出荷頭数は2,000頭。今後はマレーシア以外にも販路を拡大したい考え。一方、キュイジーン・デライトは、「下村牛」を活用し、「天牛おまかせ」と和牛焼肉の「天真」の2ブランドの出店を加速させたい考えだ。