今年の医療観光収入目標額は24億リンギ=医療観光協会

【クアラルンプール】 マレーシア医療観光協会(MHTC)は今年の医療観光収入について24億リンギという目標を掲げており、他産業に約96億リンギの経済波及効果をもたらすことが期待されている。

モハメド・アリ最高責任者(CEO)は、昨年1ー11月の11カ月間で年間目標以上の19億2,000万リンギを達成したと言明。昨年通年の収入額も、新型コロナ・パンデミック前の最高値である17億リンギを上回り、「ヘルスケア旅行業界・青写真2021-2025」の目標である20億リンギを2年早く達成できたと述べた。

モハメド・アリCEOはまた、昨年12月に中国とインドからの旅行者に対して最長30日間のビザなし滞在が認められたことで、ビザ申請費用が削減できるとともに、治療計画・手続きも容易になり、追跡調査や追加治療のための再入国もしやすくなるとし、医療観光客の増加が望めると述べた。

同氏によると、2023年の医療観光客数は100万人以上となり、前年の85万人から17.6%増加した。インドネシアからの医療観光客が最も多く、全体の70ー80%を占めた。他にも、日本、バングラデシュ、豪州、香港、フィリピン、シンガポール、韓国、米国、英国などから医療観光客がマレーシアに訪れているという。
(エッジ、2月1日)

電気料金体系、Myパワーが見直し作業に着手

【クアラルンプール】 電力分野の改革推進に当たる特別目的機関のMyパワー・コープは、電気料金体系の見直し作業を行っており、電力供給に実際にかかる経費を反映させたものにする。ファディラ・ユソフ副首相(エネルギー移行・公益事業相兼任)が明らかにした。

電気料金体系の変更はエネルギー移行・公益事業省がMyパワーを通じ施行するため、電力供給法の改正は不要だ。2025年内の新たな料金体系の施行を目指す。

ファディラ氏は国内発電業の進展状況について、1990年代から行われてきた自由化は競争と効率の向上をもたらし、電気料金を下げる要因になったが、料金は需給に左右されるため、消費者を不安定な料金にさらすことになったと説明した。

ファディラ氏は「電力市場自由化の最大の課題は、電力安全保障、料金の手頃さ、電力供給の持続性のバランスをとることだ」と語った。このため電力供給改革、電力市場自由化は、消費者、特に低所得層への影響を考慮しなければならないという。

またファディラ氏は、現在、発電会社は従来型および再生可能エネルギー方式を含め2,500社を数えており、政府系テナガ・ナショナルが独占しているという受け止め方は間違っていると述べた。
(ザ・スター、2月2日、エッジ、2月1日)

プロトン、既存販売店の改修で3S・4Sセンターを増設へ

【ジョージタウン】 国民車メーカー、プロトン・ホールディングスは、今後数年間で既存の1S(販売)や2S(サービス、部品交換)センターを、3S(販売、サービス、部品交換)または4S(販売、サービス、部品交換、板金塗装)に改修する方針を明らかにした。

現状、プロトンの1Sセンターは43カ所、2Sセンターは78カ所。改修費用は1カ所あたり700ー2000万リンギを見込んでいる。

ロスラン・アブドラ副最高経営責任者(CEO)は、年内にセランゴール州バンティン、ペナン州バトゥカワン、パハン州ジェラントゥート、サラワク州クチン、トレンガヌ州クアラ・ネルスの合計5カ所のセンターを3S・4Sセンターに改修するとし、これによりプロトンが有する3S・4Sセンターは160カ所になると述べた。
(ザ・サン電子版、エッジ、ベルナマ通信、2月1日)

KLーシンガポール高速鉄道計画の再開、「年内実現はない」運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は、華字紙「東方日報」のインタビューの中で、再開に向けた動きが進んでいるクアラルンプール(KL)ーシンガポール間高速鉄道(HSR)プロジェクトについて、その再開の道のりはまだ遠く、年内の実現はないとの見方を示した。

ローク運輸相は、HSRプロジェクトの詳細についてはまだ多くのことが確定していないとした上で、プロジェクトを進めるための適切なモデルを見つける必要があると強調。「アンワル・イブラヒム首相は国家債務の増加を避けるため、政府が建設資金を提供するのではなく、民間セクターがプロジェクトを主導するよう指示した」とし、「我が国としては高速鉄道計画を再開する用意があるが、それをどのように実行するかはまだ議論の余地がある」と指摘した。

国内外の7つの企業連合が1月15日の期限までにコンセプト提案書をHSR開発の権限を持つMyHSRコーポレーションに提出しており、今後検討が進められることになるが、ローク運輸相は「我が国がプロジェクト実施に向けた最適なモデルを見つけたとしても、それについてシンガポールと協議して同意を得る必要がある」と指摘。「これを踏まえると、HSRは現時点ではまだ非常に遠いプロジェクトだ」と述べた。
(東方日報、2月1日)

高速バスのウィラー、ナディコープとMaaS合弁を設立

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 高速バス・夜行バスのウィラー(本社・大阪府大阪市)は1日、コングロマリットのナディコープ・ホールディングスとの間で、MaaSプラットフォームを提供する合弁会社(JV)を設立したと発表した。

JV名は「ナディ・ウィラー」。1月18日に設立し、2月1日に事業を開始した。ウィラーが有するテクノロジーやデジタルマーケティングを活用した移動ソリューション、ナディコープが有する運輸事業におけるネットワークやマレーシアにおける事業拡大経験という両社の強みを活かし、MaaSプラットフォームを開発・提供する。

具体的には、▽安全・安心かつ気軽に利用できる新たなワンマイル公共交通サービス▽新たなモビリティサービスと既存の公共交通サービスのシームレスな連携▽環境に優しいモビリティサービス▽コスト効率に優れたソリューションーーに取り組む。MaaSプラットフォームの提供を通じて、マレーシアの公共交通を「すべての人が自由に移動できる、利便性の高いモビリティサービス」に進化させ、新しい価値観の創造や持続可能な社会の構築を目指す。