マレーシア、ITUの情報通信技術開発指数で世界15位に

【プトラジャヤ】 国際電気通信連合(ITU)による世界の情報通信環境に関する年次報告書「2023年度情報通信技術開発指数(IDI2023)」において、マレーシアは世界15位、ASEAN(東南アジア諸国連合)地域では3位となった。

IDI 2023は、通信網の普及状況やインターネット利用率・情報量、携帯電話所有率などの10の指標から100点満点で各国・地域の通信環境を評価したもので、マレーシアは94.5点を獲得した。

ASEANで首位となったのはシンガポール(97.4点)、2位はブルネイ(94.8点)だった。世界トップはクウェート(98.2点)。日本は92.0点、世界平均は72.8点だった。

マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)は声明で、関係者の協力を得て、5Gや衛星通信の普及を加速させ、地方におけるネット接続の問題にも対処できたとし、今後も国内通信環境の強化に向けた取り組みを継続すると述べた。
(マレー・メイル、ボルネオポスト、ベルナマ通信、2月7日、ITU発表資料)

クチンにロキシーインピアナホテルが開業、廃墟ビルを再生

【クアラルンプール】 サラワク州クチン中心部に、廃墟ビルを再生したブティックホテル「ロキシー・インピアナ・ホテル」が新しくオープンした。

1967年に開業し、フィリピン・バンドの伴奏によるカラオケ・サービスなどから地元の人々に人気を博していた「カントリー・ビュー・ホテル」の建物を改装した。同ホテルは1980年代後半に経営者が代わり、「インピアナ・ホテル」と改名されたが、その後廃業。2000年代前半から放置され、廃墟となっていたが、地元の不動産開発会社テクトニック&サンズ・ホールディングスが買収し、新しいブティックホテルとして生まれ変わらせた。

開業式には、サラワク州のアマル・アワン・テンガ副首相も出席。同氏は、「廃墟の修復は、経済発展のみではなく、持続可能で包括的な成長も目指す取り組みだ」とし、ゼロから新しい建物を建てるのではなく、既存の資産を再利用することで、建築的・歴史的遺産を保護でき、資源も節約できると述べた。

テクトニック&サンズ・ホールディングスのリー・チンテック社長は、改装費用は1,200ー1,500万リンギ程度だったとし、デベロッパーの仕事は新しいアパートやショップハウスを建てることだけではないと強調。クチン市内で廃墟となった建物を見るのはしのびないとし、幽霊が出るという噂もあった建物を近代的なホテルに生まれ変わらせることは有意義な仕事だと述べた。同社は他にも廃墟を修復の上再利用してきた実績を有しているため、今後も州政府と協力していくとしている。
(ボルネオポスト、2月7日)

サバ州政府系スリアキャピタル、2カ所で商業不動産開発

【クアラルンプール/コタキナバル】 サバ州で港湾運営、不動産開発を手掛けるスリア・キャピタル・ホールディングスは、同州の不動産開発会社BEDIデベロップメントと合弁会社を2社設け、コタキナバル港周辺地域で複合商業施設を開発する。

スリア・キャピタルはサバ州政府が筆頭株主の会社で、100%子会社のサバ・ポーツは州の主要港湾8カ所を運営している。BEDIはクアラルンプールに本社があるEXSIMデベロップメントの子会社。高層住宅や商工業ビルの開発に携わっている。
スリア・キャピタルとBEDIはジェセルトン・ドックランズ1とジェセルトン・ドックランズ2を対等出資で設立し、それぞれ2.5ヘクタールと11.7ヘクタールの土地で開発事業を行う。開発後の資産価値は42億リンギになるという。

着工は来年で、工期は12年を予定している。開発事業は、観光地のジェセルトン埠頭、サバ国際コンベンション・センター、コタキナバル・コンベンションシティーと合わせ「ジェセルトン・ウオーターフロント・シティー」と呼称される予定。
(ボルネオポスト、2月8日、エッジ、2月7日)

カールスバーグ、昨年は減収も純利益は過去最高に

【シャアラム】 大手ビール会社カールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアは7日、2023年通期(2023年1-12月)決算を発表。売上高は前年比6.3%減の22億6,000万リンギとなったが、純利益は5.1%増の3億3,324万リンギとなり、過去最高を記録した。

カールスバーグは、売上高の減少は、インフレ圧力による消費者心理の低迷や旧正月の休暇期間が短かったことが理由だとし、純利益の増加は、2022年度予算で課された富裕税が2023年に廃止されたことや関連会社からの利益分配が増加したこと、新しい瓶詰めラインの再投資引当金に関連する繰延税金が計上されたことによるものだとしている。

ステファノ・クリニ社長は、2023年度は醸造所の改良など、1億800万リンギの設備投資を行ったが、2024年度は新缶詰ラインやビール濾過工場設立に向け、9,200万リンギの設備投資を計画していると述べた。

今後の見通しについては、高金利、インフレ圧力、為替変動などの影響による経済情勢の不透明さに留意しており、投入コストは上昇するものの、上昇率は緩やかになると予想している。一方、今年後半に実施される売上・サービス税(SST)の2%引き上げについては、物流コストを中心としたコスト増につながるとしている。
クリニ社長は、コスト管理を行いつつ、売上高や市場シェアの拡大に向け、マーケティング投資を増加させると述べた。
(ザ・スター電子版、エッジ、2月7日)

国道の制限速度を時速80kmに引き下げ、春節で13日まで

【クアラルンプール】 春節前後の帰省・Uターンラッシュなどで交通事故の増加が予想されることから、公共事業省(KKR)は8日から13日まで、すべての国道の制限速度を暫定的に時速90キロメートル(km)から80kmに引き下げると発表した。

公共事業省は声明で、制限速度の一時的な引き下げは、安全性を強化し、ホリデーシーズンによく発生する交通事故のリスクを軽減するために政府が講じた安全監視措置の一環だと説明。春節休みに合わせて交通取り締まりと交通安全キャンペーンを実施すると述べた。

同省によると、期間中は交通の流れを乱さないため、緊急工事を除き重要ではない道路建設工事や保守工事は中止される。

これに先立ちアレキサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、自家用車を対象に、8、9日について高速道路料金を無料にすると発表していた。
(ザ・サン、ベルナマ、フリー・マレーシア・トゥデー、2月7日)