乗換案内アプリ「PULSE」からエアアジアライドの予約が可能に

【クアラルンプール】 公共輸送機関を管轄するプラサラナ・マレーシアは、子会社PRIDEが運営する乗換案内アプリ「PULSE」上で配車サービス「エアアジア・ライド」の乗車予約が可能になったと発表した。

PRIDEのファイザー・カイルディン最高経営責任者(CEO)は、PULSEアプリ経由で軽便鉄道(LRT)の主要24駅でエアアジア・ライドを予約できるようになったと説明。自宅から目的地までをシームレスに接続することで公共交通機関の利用促進や二酸化炭素排出量の削減につながると述べた。

エアアジア・ライドでは、提携開始を記念して、2025年1月末までLRTケラナジャヤ線およびアンパン線・スリ・ペタリン線の全24駅までの往復について、乗車1回あたり2リンギを割引するキャンペーンを実施する。通勤などでの利用を想定しており、1日2回まで利用可能。詳細はhttps://www.airasia.com/aa/pulseapp/で確認できる。
(マレーシアン・リザーブ、テックネイブ、2月22日)

23年通年の投資額は3295億リンギ、過去最高を記録

【クアラルンプール】 アンワル・イブラヒム首相は、2023年通年の投資額(認可ベース)が過去最高となる3,295億リンギを記録したと明らかにした。前年の2,646億リンギから23%の大幅増となった。

22日に開催された国家投資委員会(NIC)会合で発表されたもので、外国直接投資(FDI)が全体の57.2%を占め、国内直接投資(DDI)は42.8%を占めた。増加率では外国直接投資が15.3%だったのに対して、国内投資は35.1%の大幅増加となった。NICはアンワル首相が議長を務めている。

投資案件は5,101件で、12万7,000人以上の雇用創出が見込まれる。セクター別ではサービス業が1,684億リンギで全体の51.1%を占めた。これに製造業が1,520億リンギ(46.1%)、一次産業が91億リンギ(2.8%)で続いた。

アンワル首相は声明の中で、投資環境における目覚ましい業績は、国家ビジョン「マレーシア・マダニ」を掲げる現政権の下でマレーシア経済が復活したことを反映していると言明。「政府の投資促進政策と企業促進政策が間接的に投資家の信頼を高めるという成果を上げ始めていることを示している」と述べた。

同日のNIC会合では、デジタル投資に関する国の方向性についても議論された。アンワル首相によると、マレーシアのデジタル経済は2021年に国内総生産に23.2%貢献したが、2025年までに25.5%に増加すると予想されている。2021年から2023年にかけて、NICを通じて承認されたプロジェクトを含む396件のデジタル関連プロジェクトが承認され、投資額は1,289億リンギに達し、3万6,553人の雇用創出が見込まれている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、2月23日、フリー・マレーシア・トゥデー、マレーシアン・リザーブ、ベルナマ通信、2月22日)

 

ネット専業イオン銀行、近く営業を開始

【クアラルンプール】 インターネット専業銀行のイオン銀行(M)は近く営業を開始する見通しで、フェイスブックの公式サイトで、ユーザー登録を開始した。

フェイスブックページにはQRコードが掲載されており、ユーザーはこれをスキャンし、登録サイトで氏名と電子メールアドレスを記入すれば、最新情報がイオン銀行(M)から送られてくる。

デジタル銀行の第1号となったGXバンク同様、イオン銀行(M)も専用アプリを利用するが、まだ一般客には提供されていない。イオン銀行(M)はイスラム教に対応したイスラム銀行で、しかもフルバンクのため、あらゆる銀行サービスを提供できる。

親会社イオンフィナンシャルサービスによれば、年度内をめどに開業し、預金、保険、少額ローンなどを扱う。技術面で金融技術の米マネーライオンと協力し、人工知能(AI)を使った分析で家計管理支援も提供する。

デジタル銀行は支店を持たないネット銀行で、マレーシアではシンガポールの配車サービス大手のグラブなど計5陣営が認可を得ている。
(ソヤチンチャウ、2月22日)

アーノッツグループとセブンイレブン(M)が即席食品で提携

【プチョン】 豪州系食品メーカーのアーノッツ (TAG)は、セブンイレブン・マレーシアと提携し、即席食品「プレゴ・インスタント・パスタ・ボウル」を6月から全国で発売すると発表した。

TAGは今回の提携によりインスタント食品市場に参入し、2026年までに国内インスタント食品市場で60%以上のシェアを獲得することを目指す。「プレゴ・インスタント・パスタ・ボウル」は若い社会人、大学生、忙しい母親などをターゲットにしており、5分で完成するのが特徴。

TAGのジョージ・ゾグビ最高経営責任者(CEO)は、今回の提携は長期的な成長に向けてのものであり、他社とも提携し取扱店舗を増やしていくと言明。消費者は、おいしくて栄養価が高く、外出先でも食べられる便利な製品を求めており、本製品はこの3点すべてを満たしているため、将来性を楽観視していると述べた。

TAGは「プレゴ」、「キンボール」などといったパスタソースなどのブランドを有しており、クアラルンプール(KL)工場で製造を行っている。「プレゴ」ブランドは、国内パスタソース市場で92%のシェアを占めており、乾燥パスタでも市場をリードしているという。

TAGのアジア事業の売上高は全世界売上高の4分の1に相当する10億リンギ超で、10年後には25億リンギに達すると見込まれている。シンガポールに惣菜を輸出しており、将来的には他国へも輸出する計画があるという。
(ザ・サン、2月23日、ザ・スター電子版、ベルナマ通信、2月22日)

ハラル開発公社が日本で2件の覚書を締結、ハラル貿易促進で

【大阪】 マレーシアと日本の間で、ハラル(イスラムの戒律に則った)関連の覚書(MoU)が2件締結された。アハマド・ザヒド副首相の日本公式訪問に合わせたもの。

1件目はハラル開発公社(HDC)とイオン・マレーシア間のもので、両者は日本におけるマレーシアのハラル製品販売で協力する。HDCはイオンの協力を得て、日本市場への参入を希望するマレーシアのハラル業界関係者にビジネス指導を行い、HDCのハラル統合プラットフォームの利用促進を図るとともに、ハラル製品の販促セミナーなども実施する。日本のハラル業界関係者を対象としたハラル・トレーニング・プログラムも提供し、日本のレストランにおけるハラル認証プロセスの合理化に向け、人材育成や専門知識の共有も行っていく。

2件目は、HDCと日本ハラール協会(JHA)間のもので、日本におけるインフラやハラル認証の強化を目指す。整合性のとれたハラル認証を世界的に推進し、日本企業のハラル貿易参入を促進する。

覚書締結式にはザヒド副首相やHDCのカイルル・アズワン・ハルン会長も立ち会った。ザヒド副首相は、マレーシア・ハラル委員会の委員長も務めている。

ザヒド副首相は、ハラル製品・サービスに対する世界的な需要の増加に対応するため、日本とマレーシアの両国が協力することが重要だとし、日本のムスリム人口は少ないものの、日本のハラル市場の成長の余地は大きいと述べた。マレーシアの2022年輸出額は595億リンギだったが、そのうち日本へのハラル関連輸出額は36億リンギに過ぎなかったとしている。
(フリー・マレーシア・トゥデー、ベルナマ通信、2月22日)