フードパンダマレーシアは国内営業を継続、近くイベントも開催

【クアラルンプール】 事業売却が噂されている、食品配送サービスのフードパンダ・マレーシアは、国内営業を継続し、近く政府と連携してイベントを行うと明らかにした。

フードパンダを運営する独デリバリー・ヒーローは、東南アジア(マレーシア、シンガポール、フィリピン、タイ、カンボジア、ミャンマー、ラオス)事業の売却を検討していたが、21日付で主な交渉相手との交渉を打ち切ったと発表している。

フードパンダ・マレーシアの暫定最高経営責任者(CEO)であるピチャヤ・ソンスア氏は、メディア向け昼食会での記者団からの質問に対し、売却についてのコメントは控えた一方、最近のミーティングで社員と戦略や今年の方向性について議論し、全社の方向性が一致していることが確認できたと強調した。

ピチャヤ氏は、フードパンダ・マレーシアでは、3-4月に政府と協力し、社会貢献イベントを行う予定だとし、詳細は後日発表されると述べた。国内食品・飲料業界は昨年横ばいの状態だったが、今年は安定成長すると予想しているという。
(ザ・サン電子版、2月27日)

テスラ、ペナンの2カ所に充電施設を設置

【ジョージタウン】 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは26日、ペナン州に2カ所充電施設を設置したと発表した。

設置されたのは、バトゥカワン工業団地内のミーティング、報奨旅行、国際会議、展示会(MICE)施設「ザ・シップ・キャンパス」およびアイルイタムのショッピングモール「オールシーズンズ・プレイス」。

いずれもテスラ車所有者が無料で利用できる「デスティネーション・チャージング・ステーション」を設置しており、「ザ・シップ・キャンパス」には8基、「オールシーズンズ・プレイス」には4基となっている。

ペナンでの2カ所の新設により、「デスティネーション・チャージング・ステーション」が設置されている国内充電施設は合計8カ所となった。有料の急速充電器「スーパーチャージャー」が設置されている充電施設は、▽パビリオン・クアラルンプール(KL)▽パビリオン・ブキジャリル(KL)▽テスラ本社(セランゴール州サイバージャヤ)▽サンウェイ・ピラミッド(セランゴール州)▽イスカンダル・プテリ(ジョホール州)▽フリーポート・アファモサ(マラッカ州)ーーの6カ所となっている。稼働している充電器数は、交流(AC)充電器が37基、直流(DC)の「スーパーチャージャー」が30基。

テスラは、今後もペナンでの充電インフラ整備を継続し、国内での充電範囲を拡大していくとしている。
(ポールタン、エッジ、ベルナマ通信、2月26日)

オンライン証券の香港系ムームー、マレーシア市場に参入

【クアラルンプール】 香港系フィンテック(革新的金融技術)企業の富途が展開するオンライン証券サービス「ムームー」が27日付でマレーシア市場に参入した。

ムームー・マレーシアのデニス・ジー最高執行責任者(COO)によると、同社は証券委員会から資本市場サービスライセンスを取得し、マレーシアで証券およびデリバティブの取引および決済業務に従事できるようになった。同社は米国、シンガポール、オーストラリア、日本、カナダでもサービスを展開している。

ジーCOOは、シンガポールでは20ー70歳の25%がムームーを投資プラットフォームとして選んでおり、トレード・アプリの中でダウンロード数第1位となっているとし、マレーシアでも最高の投資プラットフォームになることを目指すと述べた。

オンライン証券会社の競争が激化する中、ムームーは独自サービスを提供することで差別化を図っている。具体的にはマレーシア市場と米国市場の投資管理、銘柄リサーチ、投資家仲間とのコミュニケーション、投資教育などの機能を提供している。株式スクリーナー、マーケット・モニター、機関投資家追跡、リアルタイム・データ、ニュース速報など、人工知能(AI)関連機能もユーザーから好評を得ているという。

ムームーは研究開発に力を入れており、昨年度には1億5,600万米ドルを投資。従業員の60%が研究開発に取り組んでいるとしている。
(ザ・スター、2月27日)

整備・修理サービスもサービス税の対象に、26日から適用

【クアラルンプール】 司法長官会議は23日、ホームページに官報を掲載。ほぼすべての整備・修理サービスもサービス税の適用対象になると明らかにした。施行日は26日。

サービス税の現在の税率は6%で、3月1日から8%になる。しかし物流サービスについては、同日以降も6%の率が適用される。ほかに6%が適用されるのは、飲食品提供、通信、駐車、クレジットカード・チャージカードのサービス。

法務サービスを提供するTRATAXのテネシュ・カンナー取締役によると、整備・修理サービスのうち、住宅の整備・修理サービスと、共同住宅など区分所有権の建物を管理する組織が提供するサービスはサービス税の適用を受けない。しかしエアコンなどの整備サービスにはサービス税がかかるという。

整備・修理サービスの適用に先立ち、証券仲買、証券引き受け、カラオケなども適用対象に含められた。
(エッジ、2月26日)

 

CCS共同スタディに中国電力と日本ガスラインが参加

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 石油資源開発(本社・東京都千代田区、JAPEX)、日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)、川崎汽船(本社・東京都千代田区)、JFEスチール(本社・東京都千代田区)の4社は26日、マレーシアにおける二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)の事業化に向けた、日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討において、中国電力(本社・広島県広島市)と日本ガスライン(本社・愛媛県松山市、NGL)が新たに参加することに合意し、計6社による覚書を同日付けで締結したと発表した。

2022年より国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)と検討を進めてきたJAPEX、日揮、川崎汽船は2023年9月、ペトロナス子会社のペトロナスCCSベンチャーズとの間で、マレーシアにおけるCCS事業化の検討に係る基本契約を締結。2023年6月にJFEスチールも検討に参加した。今回、発電事業におけるCO2排出量のさらなる削減手法を検討する中国電力、日本国内での液化CO2の内航船輸送を進めているNGLとも方向性が一致し、6社間での共同検討実施の合意に至った。

6社は、事業化検討と連携し、JFEスチールおよび中国電力グループが保有する日本国内の製鉄所や発電所で排出されるCO2の分離・回収、液化CO2のマレーシアまでの海上輸送(瀬戸内エリアでの内航輸送を含む)と受け入れ、貯留までの一連のバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどに係る検討を行っていく。事業化検討では、マレーシア国内のCO2を収集する陸上設備からのCO2輸送パイプラインの敷設や液化CO2の海上輸送、ならびに同国内での受入設備・海洋圧入設備など、必要な設備の仕様や費用の積算、事業スキームの詳細について検討を進めており、マレーシア国内で排出されるCO2に加えて、日本などマレーシア国外で回収されたCO2を海上輸送し、2028年末に海底下への圧入・貯留を開始することを目指す。