【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 石油資源開発(本社・東京都千代田区、JAPEX)、日揮ホールディングス(本社・神奈川県横浜市)、川崎汽船(本社・東京都千代田区)、JFEスチール(本社・東京都千代田区)の4社は26日、マレーシアにおける二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)の事業化に向けた、日本を起点とするCCSバリューチェーン構築を目指す共同検討において、中国電力(本社・広島県広島市)と日本ガスライン(本社・愛媛県松山市、NGL)が新たに参加することに合意し、計6社による覚書を同日付けで締結したと発表した。
2022年より国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)と検討を進めてきたJAPEX、日揮、川崎汽船は2023年9月、ペトロナス子会社のペトロナスCCSベンチャーズとの間で、マレーシアにおけるCCS事業化の検討に係る基本契約を締結。2023年6月にJFEスチールも検討に参加した。今回、発電事業におけるCO2排出量のさらなる削減手法を検討する中国電力、日本国内での液化CO2の内航船輸送を進めているNGLとも方向性が一致し、6社間での共同検討実施の合意に至った。
6社は、事業化検討と連携し、JFEスチールおよび中国電力グループが保有する日本国内の製鉄所や発電所で排出されるCO2の分離・回収、液化CO2のマレーシアまでの海上輸送(瀬戸内エリアでの内航輸送を含む)と受け入れ、貯留までの一連のバリューチェーン構築について、必要な設備やコストなどに係る検討を行っていく。事業化検討では、マレーシア国内のCO2を収集する陸上設備からのCO2輸送パイプラインの敷設や液化CO2の海上輸送、ならびに同国内での受入設備・海洋圧入設備など、必要な設備の仕様や費用の積算、事業スキームの詳細について検討を進めており、マレーシア国内で排出されるCO2に加えて、日本などマレーシア国外で回収されたCO2を海上輸送し、2028年末に海底下への圧入・貯留を開始することを目指す。