【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 黒毛和牛の繁殖から肥育、流通までを一手に行っている下村畜産食肉(本社・愛知県大府市)は、黒毛和牛「下村牛(しもむらぎゅう)」の海外出荷を開始すると発表した。
「下村牛」は愛知県内外の下村グループ牧場10カ所で繁殖から肥育までを一貫して行っているブランド牛で、成長期に合わせた独自配合の飼料、血統の管理、科学的根拠に基づく母牛管理など、独自の技術で育てている。通常の和牛と比べてうまみ成分であるグルタミン酸の量が30倍もあること、オレイン酸が多いため脂が人肌で溶けるほどの口溶けが特徴となっている。
同社によると、愛知県初の試みとして、28日にハラル(イスラムの戒律に則った)認証を受けた黒毛和牛2頭をマレーシアに出荷する。初年度は年間60頭の出荷を予定している。
マレーシアでは高級レストラン「天牛おまかせ」や和牛焼肉の「天真」を運営するキュイジーン・デライトが「下村牛」を取り扱う。下村畜産食肉とキュイジーン・デライトは1月31日に、「下村牛」のプロモーションをクアラルンプール(KL)市内で行っていた。
下村畜産食肉は今後、マレーシアのみならず、他のASEAN(東南アジア諸国連合)地域など、さらなるエリア拡大、出荷数量の増大を図っていく。また、今後の需要拡大に対応するため、今期中に牛舎増築を行い、飼養頭数も500頭ほど増やす計画だ。