2023年の不動産販売額は過去最高の1968億リンギ

【カジャン】  財務省傘下の国家不動産情報センター(NAPIC)は6日、2023年の不動産取引額は前年比9.9%増の1,968億3,000万リンギに達し、過去最高となったと発表した。

そのうち51.3%(1,009億3,000万リンギ)を住宅が占め、商業(19.5%)、工業(12.2%)、農業(9.5%)、開発用地その他(7.5%)が続いた。全部門が前年から増加した。増加率は、住宅は7.1%、商業は17.5%、工業は13.1%、農業は4.6%、開発用地その他は13.8%となった。

2023年の取引件数は、同2.5%増の39万9,008件となった。新規住宅発売戸数は4.4%増の5万6,526戸、販売率は40.4%(前年は36%)。完成済み売れ残り住宅物件は、前年の2万8,000戸(184億1,000万リンギ相当)から2万6,000戸(177億リンギ相当)に減少した。 専用ビルオフィスの平均稼働率は78.5%で安定し、ビジネス・複合ビルの稼働率は前年の75.4%から77.4%に上昇した。

マレーシア住宅価格指数(MHPI)は、2023年には216.5ポイント(1戸当たり46万7,144リンギ)となり、前年比3.2%増となった。州・地域別では、ジョホール州(6.2%)、ペナン州(3.8%)、セランゴール州(2.9%)、クアラルンプール(1.8%)など、全州・地域でプラスとなった。

NAPICは今後の見通しについて、2024年の国内経済は4ー5%成長が見込まれているため、不動産市場に対しても慎重ながらも楽観的に見ているとした。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、3月6日)

公共バスにオープン決済システムを導入へ=運輸相

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は6日、クレジットカードやデビットカードで運賃を支払うことができるオープン決済システムを公共バスに導入する計画を明らかにした。現状ではバス乗車にはタッチ・アンド・ゴー(TnG)カードが必須となっている。

ドイツの観光客が「TnGカードを所持していなかったため、ラピッドKLバスから乗車拒否された」とティックトックに投稿し話題になったことを受けてのもの。ローク運輸相は、バスへのオープン決済システム導入は以前から計画されており、当初は鉄道と同時に導入されるはずだったと説明。鉄道にオープン決済システムを導入するのは複雑な要素が絡むため時間がかかるが、バスでは、車両にカードリーダーを取り付けるだけで済むため、先行して実施すると述べた。すでに入札段階にあり、年内にラピッドKLバスに導入する見込みだとしている。

ローク運輸相はまた、公共交通インフラ整備の一環として、バス停を344カ所増やすことを検討しているとし、セランゴール州とクアラルンプールでは4,860万リンギを割り当て、7地区で総延長7,445メートル(m)の屋根付き歩道を建設中だと述べた。
(マレー・メイル、エッジ、3月6日)

ニトリがNUセントラル店をオープン、国内11カ所目

【クアラルンプール=マレーシアBIZナビ】 ニトリホールディングス(本社・北海道札幌市)は7日、マレーシア11号店をクアラルンプール(KL)セントラルにあるショッピングモール「NUセントラル」内にオープンした。ニトリグループとしては980店舗目となる。

店舗名は「ニトリ・ヌーセントラル店」。レベル2に位置し、売り場面積は約700坪。営業時間は午前10時から午後10時。

同社はこれまでにクアラルンプール(KL)に3店舗、セランゴール州に2店舗、ジョホール州に2店舗、ペナン州に2店舗、ネグリ・センビラン州に1店舗を出店している。2023年12月にはベトナム、2024年3月にはフィリピンに初出店するなど、東南アジアをはじめとする海外への出店を加速しており、インドネシアへの出店も計画しているという。

ニトリは、「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」という同社のロマンを実現するため、今後も積極的に海外展開を進めていく方針だ。

TCIE、ユーロ5対応UDトラックス車の現地組立を開始

【クアラルンプール】 タンチョン・インダストリアル・イクイプメント(TCIE)は、マレーシアで4月より施行されるEU(欧州連合)の排ガス規制「ユーロ5」に準拠した、UDトラックス(本社・埼玉県上尾市)のトラックの現地組立を開始した。

UDトラックスは、いすゞ自動車の完全子会社で、商用車製造を手がけている。TCIEはUDトラックスのマレーシアにおける販売代理店で、全国にUD販売拠点26カ所を構えるほか、UDの大型トラック「クエスター」を2016年から、中型トラック「クローナー」を2018年から現地組立している。

クアラルンプールのセガンブットにあるタンチョン・モーター・アセンブリーズの工場で、ユーロ5対応の「クエスター」と「クローナー」の組み立てを行う。有害な窒素酸化物や二酸化炭素の排出量を削減し、燃費も大幅に向上させる選択触媒還元(SCR)技術を採用した。ユーロ5への対応はマレーシアで販売される日系トラックとしては初となる。

TCIEのセイ・テックミン最高執行責任者(COO)は、TCIEの長年の顧客企業の多くが、環境に配慮したトラックを導入する意思を表明しているとし、UDトラックスとTCIEは、顧客企業に対し、クリーンな車両に移行するための支援や知識を提供していくと述べた。
(モタオート、カーシフ、3月6日)

住商出資のサクラフェロアロイズ、今年下期に新焼結工場を稼働

【ビントゥル】 サクラ・フェロアロイズは、サラワク州サマラジュ工業団地に3億米ドル(14億2,200万リンギ)をかけて建設した新焼結工場を2024年下半期に稼働開始する計画だ。ティアン・ファン・アスウェーゲン会長が10周年記念祝賀会で明らかにした。

新しい焼結工場は既存の敷地内に建設中で、プラント効率のさらなる向上とコスト削減に貢献すると見込まれている。アスウェーゲン会長は、同社が高付加価値の精製フェロマンガン製品を製造するための実現可能性調査も実施中であり、今年半ばまでに完了する予定だと言明。「調査結果が良好であれば、約1億米ドル(4億7,400万リンギ)の追加投資が必要になる」と述べた。同社はまた、環境負荷を減らすためにスラグ、フューム(微粒子)、ガスなどの廃棄物からの副産物の生成も研究しているという。

サクラ・フェロアロイズは、南アフリカの鉱山会社、アスマンが54.36%、住友商事が26.64%、台湾の中国鋼鉄が19%を出資して設立した合弁会社。環境に優しい高品質のマンガン製品の世界有数のメーカーで、年間約24万トンのフェロマンガンを生産している。
(ボルネオポスト、3月6日)