【ベルリン】 訪独中のアンワル・イブラヒム首相は14日、ロベルト・ハーベック副首相(経済・気候保護大臣兼務)と会談し、マレーシア・欧州連合(EU)自由貿易協定(FTA)の交渉再開への意欲を表明した。
交渉は2010年10月に開始され、2012年9月まで8回の会議が持たれたが、その後行き詰まり、新たな必要性などが認識された場合に交渉を再開することが合意された。アンワル首相は「専門官による交渉分野の模索が好ましい成果を上げ、近く交渉再開に至ることを期待している」と述べた。
アンワル首相はまた、EUの森林伐採に関する法令など気候変動に関する政策が非関税障壁になっているとの懸念を表明。より公正な貿易慣行を求めた。アンワル首相が問題にしたのは、森林が伐採された後のプランテーションで採取された油を原料とするバイオ燃料の禁止措置で、実質的なパーム油締め出しとなっている。世界貿易機関(WTO)のパネルは、パーム油バイオ燃料を制限したEU法令はマレーシアを差別するものとの判断を示している。
訪独中にアンワル氏は多数の有力企業の首脳と会談し、合計で8億6,800万ユーロの投資の約束を取り付けた。アンワル氏はまた、世界の気候変動対策に関する新たな取り組みのための政府間フォーラム、気候クラブへの参加希望を伝えた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月15日)