マレーシア、ECRLをタイ国境まで延長することを検討

【クアラルンプール】 アンソニー・ローク運輸相は、27日の上院質疑で、 東海岸鉄道線(ECRL)をタイ国境まで延長することを検討していると明らかにした。

ECRLは、クランタン州コタバルとセランゴール州クラン港を結ぶ全長665キロメートル(km)の電化複線化路線で、2027年までの完成を予定している。現時点で終点とされているコタバルはタイ国境から40km離れている。

タイは、マラッカ海峡とシンガポールを迂回する貿易ルートであるランドブリッジ構想を推進しているが、ローク運輸相は、お互いをライバル国と見なすのではなく両国が協力していくべきだとし、貨物・旅客輸送網の両国間の接続性を強化していくと述べた。ラオスを経由して中国と鉄道網を結ぶ協力についても検討中であり、地域の経済統合を後押しする可能性があると述べた。
(フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、3月27日、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、ベルナマ通信、3月25日)

KLの「ホリデイインエクスプレス」、ウィンボンドが売り出し

【クアラルンプール】 不動産会社コリアーズ・ホテルズ&レジャーによると、クアラルンプール(KL)市中心部にある「ホリデイ・イン・エクスプレス・ホテル」が現所有者のウィボンド・グループにより売りに出されている。現在はインターコンチネンタル・ホテル・グループ(IHG)の「ホリデイ・イン・エクスプレス」ブランドで運営されている。

売り出されているのは、全384室ある15の客室フロアを含む21階建ての本館と4階建ての別館。本館と別館にはオフィスや店舗スペースがあり、賃貸可能面積は1万7,957平方メートル。現在、その一部が専門レストラン経営者に貸し出されている。

コリアーズは最低提示価格を明らかにしていないが、購入希望者は4月26日までに機密保持契約に署名し、関心表明(EOI)を出す必要があるとしている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月28日、エッジ、3月27日)

宅配のニンジャバン、小売業向け在庫補充サービスを開始

【クアラルンプール】 シンガポール系宅配サービスのニンジャ・バン・マレーシアは27日、創業9周年に合わせ、小売業向け在庫補充サービス「ニンジャ・リストック」を開始したと発表した。

同社が有するEコマース配送の知識を応用したもので、B2B(企業対企業)向けサービスでは従来導入されていなかった、リアルタイムでの在庫・配送追跡などのデジタル機能を組み込み、全国配送にも対応する。独系筆記具ブランド「ファーバーカステル」が「ニンジャ・リストック」をすでに導入しており、ジャストインタイムでの在庫補充を可能にし、在庫保有を最小限に抑えているという。

B2B部門責任者のクラレンス・フェルナンデス氏は、ニンジャ・リストックは、頻繁な小口注文に対応でき、厳しい納品スケジュールも守れるとし、企業の運営コストの10ー15%を占める物流の効率性、柔軟性、透明性を高めるものだと述べた。
(ザ・サン、3月28日、ビジネス・トゥデー、3月27日、ニンジャ・バン発表資料)

個人消費は衰える、製造業連盟は経済の先行きを警戒

【クアラルンプール】 マレーシア製造業者連盟(FMM)のソー・ティエンライ会長は26日、今年の経済について慎重な見方をとっているとの声明を発表した。サービス税の引き上げと補助金削減が物価、生活費の上昇圧力となり、個人消費は抑制される可能性が高いという。このため今年の経済成長率は政府予想(4-5%)のうち4%に近い数値になるとした。

明るい材料は製造業の購買担当者指数(PMI)が示すように生産活動が底を打ったとみられることで、中間財輸入が増加しており、輸出の回復が期待できる。観光客と投資の増加も経済成長を支える。世界的な金融緩和を背景に、下半期は景気が上向く見通しだという。

経済成長に障害となる可能性のある事柄としてFMMは、中国経済が完全な回復基調に入っていないこと、日本経済が景気後退になりかけたこと、不動産融資の焦げ付きが米国の銀行に深刻な影響を与える恐れがあること、米国大統領選挙を控え反中の発言が予想されることなどを挙げた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月28日、エッジ、フリー・マレーシア・トゥデー、3月27日)

電子たばこの英系エアスクリーム、マレーシアに1億リンギを投資

【クアラルンプール】 英国を拠点とする電子たばこ企業、エアスクリームUKは、マレーシアでの事業展開のため今後5年間に1億リンギを投資すると発表した。

同社は声明の中で、流通網の拡大、管理部門と現場スタッフの増強、研究開発施設へのさらなる投資を表明。マレーシアが近い将来、同社のグローバル拠点になることを見込んでいると述べた。

エアスクリームは現在、セランゴール州シャアラムにショールームを設置し、管理、販売、マーケティング業務を行っている。マレーシア国内では約40人、世界全体では約100人の従業員を抱える。

エアスクリームはマレーシア電子たばこ商工会議所の報告書「2021年マレーシアの電子たばこ産業に関する研究」を引用し、同国の電子たばこ産業が過去10年間で30億リンギを超えるまでに成長し、3万人以上のマレーシア人の雇用を創出していることから、マレーシアが理想の投資先と判断したとしている。

エアスクリームの共同設立者で最高経営責任者(CEO)のサム・オン氏は、マレーシアの電子たばこ業界のエコシステムは十分に確立されており、市場はさらなる成長が期待でき、外国直接投資の拡大や高収入の雇用創出を加速する可能性があると述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、3月27日)