ペナンLRTが閣議決定、2030年に完成予定

【プトラジャヤ】 アンソニー・ローク運輸相は3月29日、ペナン州政府から連邦政府が引き継いだ、ペナン軽便鉄道(LRT)の建設について、閣議決定が行われたと発表した。政府系MRTコープが開発運用を担当し、2030年までの運行開始を目指す。

ペナンLRTは3期に分け開発され、第1期は埋め立て工事中のシリコン島からジョージタウンのコムターまでの区間で、建設・エンジニアリング大手のガムダが60%所有するSRSコンソーシアムが工事を担当する。SRSは2015年8月に州政府が実施した公開入札で工事業者として指名されており、すでに環境影響・社会影響評価、予備技術調査や設計を自前の資金で実施している。今後MRTとSRSとの間で交渉を進め、半年程度で契約内容を確定させ、工事を開始するという。

ローク運輸相は、第2ー3期については別途公開入札を行うと言明。LRTの車両基地についてはスンガイ・ニボンのタパック・ペスタ統合型交通開発と共に建設するとし、運賃以外の追加収入を得ることを目指すと述べた。

ペナン州のチョウ・コンヨウ首相は、ローク運輸相の発表を歓迎するとし、州政府はスンガイ・ニボンの車両基地に加え、シリコン島内にもう1カ所車両基地を建設することを提案していると述べた。

ペナンLRTは全長29キロメートルで、ジョージタウンの市街地やペナン国際空港、埋め立て中のシリコン島を結ぶ。北の終点をコムターからタンジュンブンガまで延伸することも検討されている。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、マレー・メイル、3月29日)

サービス税免除の対象を拡大、自由区・指定区間の輸送も

【クアラルンプール】 財務省は物流業と建物保守に対するサービス税免除の内容を改めた。国民生活への影響を考慮したという。アミル・ハムザ第2財務相が3月31日、発表した。

財務省は3月11日にサービス税免除対象の拡大を発表したが、今回さらに対象を拡大した。企業間物流サービスでは、混載業者、海運・空運業者、コールドチェーン業者など1(a)項目に分類される物流業者は、1(b)項目に属するデリバリー、配布、運送サービスの入手に対しサービス税を負担する必要がない。以前は1(a)と1(b)のサービスは別個の課税対象だった。

また自由商業区や自由工業区など特別区と指定区間の物流サービスもサービス税を免除される。ポート・クラン自由区、ウエスト・ポート、ジョホール州のパシル・グダン港などが適用を受ける。ただし、通関業者が提供するサービスは引き続き課税対象。

海上貨物輸送運賃では、マレー半島とサバ州、サラワク州、ラブアン間の輸送、およびサバ州、サラワク州、ラブアン間の輸送が免除対象。

住宅建築物の保守では、デベロッパー、共同管理組合・住民組合が行う建物自体、およびエレベーター、空調機器、湯沸かし器など建物に付随している設備の保守・修理サービスが免除対象。
(ザ・スター、4月1日、フリー・マレーシア・トゥデー、エッジ、3月31日)

ジェトロKL、日系企業の脱炭素化への取り組みカタログを発表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール(KL)事務所は3月29日、マレーシアの脱炭素化に貢献する日系企業の取り組みをまとめたカタログ「マレーシアの脱炭素化に貢献する日系企業の製品・サービスカタログ」を公開した。

カタログでは、マレーシア政府が2023年7月に発表した「国家エネルギー移行ロードマップ(NETR)」で指定された重要6分野10基幹事業に沿った取り組みを行っているスタートアップ8社を含む17社を掲載している。所在地別内訳はマレーシアが5社、日本が9社、シンガポールが2社、インドネシアが1社。規模別では非上場企業が5社、スタートアップ企業が8社、上場企業が4社となっている。

マレーシア政府は2050年までにカーボンニュートラルを達成することを宣言、脱炭素制作の柱であるNETRを発表し、エネルギー移行に向けた取り組みを本格化させている。ジェトロKLは、脱炭素化がマレーシアにおいて日系企業がビジネス展開する上で把握しておくべき重要なトレンドとなる中、日系企業による、マレーシアでの事業活動における脱炭素化・排出削減に貢献できるビジネスを紹介するものとして本カタログを作成したと説明している。

改称のお知らせ:マレーシアBIZナビから日刊アジアインフォネットへ!

「マレーシアBIZナビ」も前身の「パナニュース」創刊号の1999年を出発点に今や6,000号を超え、
この7月で25周年を迎えることとなりました。

このたび弊社ビジネスニュース「マレーシアBIZナビ」は創刊25周年を機に2024年4月1日よりマレーシアBIZナビを日刊アジアインフォネット」改称をさせていただくこととなりました。

またこれを機に、ウィークリーニュースが、メール配信から弊社ホームページ(https://www.asiainfonet.com/category/weekly-column/)への掲載へと変更となります由、お知らせ申し上げます。

長年のご愛顧に感謝致しますとともに、より皆様のお役に立つ情報の配信に最善の努力を尽くす所存でございますので 、今後とも一層のご支援、ご厚情、ご愛読を賜りますよう、お願い申し上げます。

2024年4月1日
ASIA INFONET (M) SDN BHD
Managing Director 田辺 太嘉昭

ペナンで水上タクシーを2026年に導入予定

【ジョージタウン】 英字紙「ザ・スター」が入手したプロジェクト文書によると、2026年5月までにペナン島に水上タクシーが導入される。料金は1.3ー15.9リンギの範囲に収まる見込み。

ストレーツキー、ウェルドキー、パンタイ・ジェレジャック、バトゥ・マウンの埠頭を結ぶ6つのルートを、15ー45分間隔で運行する。乗客20人、乗組員2人が乗れるボートを使用し、合計14隻のボートと2隻の救助ボートを配備する。

資料によると、プロジェクトの事前開発費は690万リンギ、開発費は5,310万リンギ。既存の4つの桟橋の整備に加え、イベントスペースや水上マーケットも設置する。開発は2期に分け実施され、第1期では、来年7月までにストレーツキーとパンタイ・ジェレジャックの桟橋を公共交通向けに改良する。第2期ではウェルドキーとバトゥ・マウンの桟橋を整備し、2026年第1四半期の完成を目指す。

ペナン州都市計画委員会のジェイソン・フン委員長は、本プロジェクトの入札に向け、5月中に正式なオファーレターを関係企業に送るとし、落札者には、プロジェクト実施のための意向表明書(LOI)が送られると述べた。企業が開発を担当するため、ペナン州政府の財政負担はないとしている。

フン委員長は、ペナン島の人口が増加し、都市化が進む中、効率的で持続可能な交通手段の必要性がこれまで以上に高まっているとし、水上タクシーサービスは、道路混雑を緩和し、主要観光スポットをシームレスにつなぐことができると述べた。
(ザ・スター、3月29日)

 

ハイネケンとカールスバーグの卸売価格、4月1日より5%値上げ

【ペタリンジャヤ】 ビールのカールスバーグとハイネケンの卸売価格が4月1日から5%値上げされる。華字紙「星州日報」が3月28日に報じた。

ペタリンジャヤ・コーヒーショップ協会のクー・コックメン会長は、3週間前に「運営費、原材料費の高騰により値上げを実施する」旨の通知を両ビールの製造元である、ハイネケン・マレーシアとカールスバーグ・ブリュワリー・マレーシアから受け取ったと説明。ビール卸売価格の値上げは、コーヒーや紅茶、電気代や水道代、砂糖などの値上げよりもコーヒーショップに重い負担を強いることになるため、値上げ分を消費者に転嫁するしかないと述べた。前回のビール価格値上げは2022年7月で、その際は6%値上げされたという。

ハイネケン・マレーシアの広報担当者は英字紙「ニュー・ストレーツ・タイムズ」の取材に対し、星州日報の報道が事実であると認め、原材料や操業コストの上昇、通貨安により4月1日より値上げを行うと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、フリー・マレーシア・トゥデー、星州日報、3月28日)

ハリラヤ直前の4月8ー9日、全高速道路の通行料が無料に

【クアラルンプール】 運輸省は3月28日、ハリラヤ(断食月明け大祭)の直前である4月8ー9日に、自家用車(クラス1)の高速道路通行料を無料にすると発表した。

無料となる期間は、4月8日午前12時1分から9日午後11時59分まで。全国の全高速道路が対象となるが、国境にあたるジョホール州バングナン・スルタン・イスカンダル(BSI)とタンジュン・クパンは例外となる。2日間で3,760万リンギの経済効果がもたらされる見込みだという。

アレキサンダー・ナンタ・リンギ公共事業相は、通行料が無料になることにより1日あたり246万台の車両が増加すると予想されているとし、期間中の混雑を緩和するため、ピーク時に緊急車線を全車両に使えるようにする「スマートレーン」を高速道路18カ所で稼働させると説明。二輪車が緊急車線を利用する際には、時間帯によって自動車もその車線を利用している可能性があると注意を促した。
(ザ・スター電子版、ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、マレー・メイル、ベルナマ通信、3月28日)

新たな輸出額目標は1.7兆リンギ、MATRADEは達成に自信

【クアラルンプール】 輸出額が3年連続して1兆リンギを大幅に上回ったことから、政府は1兆7,000億リンギを新たな目標に掲げた。2025年までの達成を目指す。マレーシア貿易開発公社(MATRADE)のリーザル・メリカン長官が3月27日、ラマダン(断食月)の行事で明らかにした。

輸出額は2022年が1兆5,000億リンギ、2023年が1兆4,600億リンギだった。リーザル氏は、目標達成を確信していると述べた。

ラマダン行事は病気治療などで困窮している公社職員や孤児を招いてのもので、MATRADEが集めた資金を与えた。
(ベルナマ通信、エッジ、3月27日)

高額物品税の導入が延期に、業界と適用範囲巡って隔たり

【クアラルンプール】 一部の高額商品を対象とした高額物品税(HVGT、贅沢税)について、当初予定されていた5月1日付けの実施が延期された。財務省から関連法案が提出されないまま、国会が3月28日で閉会になったためで、実施は早くても次回国会(6月24日ー7月18日)での法案可決後になる。

リム・フイイン副財務相は、英字紙「ザ・スター」に対して「法律が慎重に策定されるためには業界との対話を続ける必要がある」と実施延期を認めた上で、「HVGTの新たな実施日については後日発表する」と回答。観光セクターに影響を与えないようにするため、観光客向けに空港における税還付制度を導入するとした上で、ラブアン、ランカウイ、パンコール、ティオマンなどの免税区ではHVGTは適用されないと述べた。

延期の理由について経済紙「ザ・エッジ」は情報筋の話として、法案策定に向けて小売業界関係者と協議が進められていたが、「高額商品」の定義や課税対象品目の価格帯をめぐる意見の相違によるものだと伝えた。マレーシア金協会(MGA)は先ごろ、金宝飾品に対するHVGTについて、5万リンギ以上という高い基準値と税率5%を提案していた。

HVGT法案は、昨年2月に再提出された2023年予算で初めて発表された。 税率については5ー10%の範囲になると予想されている。政府はHVGTの導入により年間7億リンギの税収を目指している。ただ適用範囲については、予算案で宝飾品と高級時計だけが言及されただけで、内容は一切明かされていない。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、ザ・スター、3月29日、エッジ、3月28日)