ファイバークレーズ、マラヤ大学と感染症対策共同研究で合意

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 高機能性素材を開発する岐阜大学発ベンチャー企業のファイバークレーズ(本社・岐阜県岐阜市)は、マラヤ大学傘下の感染症研究センターである熱帯感染症研究教育センター (TIDREC)との間で、感染症対策技術に関する共同研究の実施を目的とした基本合意書(MoA)を締結した。

今回のMoAにより、ファイバーグレーズは、独自の世界初の繊維・フィルム素材への多孔化技術を利用した先端素材「クレーズテックス」を利用して、デング熱やマラリアなどの感染症の予防を目的とする防虫成分を閉じ込めた高機能性素材の開発を進める。TIDRECとの共同研究により、これらの感染症が大きな社会問題となっているマレーシアにて実証実験を行うことで、現地の感染症対策に貢献することを目指す。

カードゲームのブシロード、印刷の五輪テクニカルを連結子会社化

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 カードゲームのブシロード(本社・東京都中野区)は3日、印刷製造やパッキング部材の製造に携わる日系企業の五輪テクニカル・インダストリー(マレーシア)の株式を取得し、連結子会社化したと発表した。

シンガポール子会社であるブシロード・インターナショナルを通じ、五輪テクニカルの株式75%を取得した。

ブシロード・グループは IP(知的財産)を軸にアニメ、ゲーム、音楽、イベント、マーチャンダイジング(MD)など、様々な事業展開を行うIPデベロッパーを基本戦略としている。昨今のグローバル市場において同社の祖業であるトレーディングカードゲーム(TCG)はますますの盛り上がりを見せており、国内・海外とも市場規模は年々拡大してきている。そのため、同社TCGの「ヴァイスシュヴァルツ」英語版や「カードファイト!!ヴァンガード」英語版などの製造を長年行っている五輪テクニカルの株式を取得し、連結子会社化することを決定した。

ブシロードは、五輪テクニカルの連結子会社化により、TCGの製造において安定的な体制を強固なものとするとともに、同社TCGを全世界へより広めてゆくための重要な拠点としての機能を果たすことを期待しているとした。

「シェイクシャック」1号店、TRXで10日オープン

【クアラルンプール】 米国のハンバーガーチェーン「シェイクシャック」のマレーシア1号店が10日、クアラルンプール(KL)の国際金融地区「トゥン・ラザク・エクスチェンジ(TRX)」のショッピングモール「エクスチェンジTRX」の屋上公園「TRXシティパーク」にオープンする。

「シェイクシャック」のマレーシア進出計画については2022年1月に、「エクスチェンジTRX」への出店に関しては2023年10月に発表されていた。

オープンは10日の午後7時。11日以降の営業時間は午前10時ー午後10時。「シェイクシャック」は、クラシックなハンバーガーをモダンにアレンジして提供するのが特徴で、高級食材を使用し、作り置きせずに注文を受けてから調理する。

看板メニューのオーソドックスな「シャックバーガー」は23リンギで提供する。ハイビスカスゼリーやドラゴンフルーツ、パームシュガーなどを使用したマレーシア限定ドリンクの「ブンガ・ラヤ・シェイク」は23リンギ。その他、肉を使わないシュルームバーガーやホットドッグ、波型のクリンクルカットのポテトフライ、デザートなども提供する。
(セイズ、マレー・メイル、ソヤチンチャウ、4月3日)

ペナン初の「ウェスティンホテル」、マリオットが26年開業へ

【ペナン】 米ホテル・チェーンのマリオット・インターナショナルは、ペナン島で初となる5つ星の「ウェスティン」ブランドのホテルを2026年に開業する。


 マリオットは1日、地元不動産会社のウエストフィールド・グローバルとホテル管理契約を締結した。開業予定地はストリートフードで有名なガーニードライブ沿いで、ホーカーセンターのほか、ガーニー・プラザやガーニー・パラゴンなどの人気ショッピングモールといった人気の観光スポットが近くにある。


 客室数は全217室で、24時間営業のダイニング、スペシャリティ・レストラン、ロビー・ラウンジ、プール・バー、屋外スイミングプール、フィットネス、スパなどを設置する予定。


 「ウェスティン」ブランドのホテルは、マレーシアでは▽ウェスティン・クアラルンプール▽ウェスティン・デサルコーストリゾート▽ウェスティン・ランカウイ・リゾート&スパ――に次ぐ4軒目となる。
(ザ・サン、4月3日、ホスピタリティ・ネット、4月2日)

マレーシア航空、インドのインディゴとコードシェアを開始へ

【クアラルンプール】 マレーシア航空(MAB)は3日、インド最大の航空会社インターグローブ・アビエーション(インディゴ)との間で、コードシェア(共同運航便)運航に向けての覚書(MoU)を締結した。

インディゴはMABにとりインド初のコードシェア・パートナーとなり、MABもインディゴにとり東南アジア初のコードシェア・パートナーとなる。MABは現在、インド9都市▽ニューデリー▽ムンバイ▽ベンガルール(バンガロール)▽チェンナイ▽ハイデラバード▽コチ▽アーメダバード▽アムリトサル▽トリバンドラムーーに週71便を運航している。

MABの親会社であるマレーシア・アビエーション・グループのイザム・イスマイル最高経営責任者(CEO)は声明で、インドは同社にとり最大の国際市場であり、インド国内で現在運航している9つのハブ空港を越えてさらに広い範囲にサービスを広げるために、インディゴとMoUを締結したと述べた。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ電子版、エッジ、ベルナマ通信、4月3日、マレーシア航空発表資料)

ジェトロKL、健康食品ビジネスの規制・手続き調査報告書を公開

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレーシアにおける健康食品ビジネス関連規制および手続きに関する調査報告書を公開した。

マレーシアにおける健康食品ビジネスに着目し、最新の関連規則および手続きについてまとめたもの。糖尿病の罹患率や肥満率の高まりなどからマレーシアでは健康意識が高まっているため、そこに着目してビジネス展開を考える企業が増えているが、マレーシアでの健康食品の輸入・生産・流通には各種の複雑な規制があり、事業展開上の課題と見なされている。

例えば、健康食品でも成分によって所轄官庁は変わる。飲食物は、一般的には保健省の食品安全品質プログラム(FSQP)により管理されるが、成分構成によっては医薬品として分類され、マレーシア国家医薬品規制庁(NRPA)に登録が必要なものもある。

同調査報告書は、企業が事業展開前にどのような準備が必要かを予見するため、食品もしくは医薬品に分類された場合それぞれにつき、登録や輸入に関する手続きや留意点、関連法・規則、所轄官庁・関係機関を全89ページにまとめている。食品輸入者・販売者・製造者などに必要な許認可や食品のラベル表示、サンプルの持ち込み、食品製造者に対する優遇措置などの詳細についても記載されている。

同報告書はジェトロWebサイトで公開している。(https://www.jetro.go.jp/world/reports/2024/02/a6b4dfcf0a7191e3.html

ジェトロ、東南アジア4カ国のハラル認証制度の比較調査結果を公表

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本貿易振興機構(ジェトロ)クアラルンプール事務所は、マレーシアと東南アジア諸国連合(ASEAN)3カ国(インドネシア、タイ、シンガポール)のハラル(イスラムの戒律に則った)認証制度の比較をまとめたリポートを公開した。

同調査リポートは、ハラル認証の取得を目指す日本企業、関係者の参考にしてもらうために作成したもの。マレーシアについては認証件数が年々増加傾向にあるとした上で、認証機関であるイスラム開発局(JAKIM)による認証承認件数が2019年には2015年比で62.6%、3,404件増加し8,844件となったとし、直近の認証企業数は2022年12月末の7,742社から2023年9月には8,272社に増加していると指摘している。

同リポートによると、JAKIMは海外48カ国に86の相互承認機関を有し、日本では6機関を承認している。ハラル認証は任意だが、日本からの輸出が年々増加している「輸入食肉」は認証取得が必須だとしている。

同リポートではまた、マレーシア政府が「ハラル産業マスタープラン2030」を掲げてハラル産業振興を図っていることを紹介。マレーシアで行われている、ハラル認証を既に取得している企業、ハラル工業団地運営企業、ハラル産業従事者、ハラル物流業者に対する投資に対する税控除や法人税減免などの優遇政策について解説している。
同リポートはジェトロWebサイトで公開している。(https://www.jetro.go.jp/world/reports/2024/02/d5fea7ae44f7eadc.html

イオンビッグ、HSBCから1.5億リンギのイスラム融資

【クアラルンプール】 小売りのイオン・ビッグ(マレーシア)は、HSBCのイスラム金融部門、HSBCアマナから1億5,000万リンギの融資を得た。運転資本に充当する。

共同声明でイオン・ビッグのシェイク・ファローク代表は「わが社の目的に合致した融資手法であり、会社としての成長、店舗拡大・改装を加速し、顧客にこれまで以上の価値を提供する」と述べた。イオン・ビッグはマレーシアで21店舗を展開しており、5日にはネグリ・センビラン州セレンバンで新店舗を開業する。

HSBCマレーシアのグローバル金融担当クリスティナ・チア氏は、「イオン・ビッグに対する初のイスラム式融資で、イオン・ビッグは業務に欠かせない運転資本にかかわる業務から解放され、マレーシア小売業界を変革するとの大望達成に注力できる」とした。

HSBCアマナのアミル・シャー最高経営責任者(CEO)によると、斬新なイスラム金融手法による資金調達意欲は内外顧客の間で高まっているという。
(ニュー・ストレーツ・タイムズ、エッジ、4月3日)

レゾナック、三井物産とCCS共同検討に関する覚書を締結

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 化学素材・機能材料のレゾナック・ホールディングス(本社・東京都港区)は2日、三井物産(本社・東京都千代田区)との間で、レゾナックの大分コンビナートで排出される二酸化炭素(CO2)を回収してマレーシア沖の地下へ貯留するCCS(CO2回収・貯留)に関する共同検討の実施について、覚書を締結したと発表した。

三井物産は、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)などとマレーシア沖でのCCSプロジェクトを共同で進めており、本覚書の締結は、同プロジェクトを貯留地として想定し検討するもの。レゾナックにおけるCCSおよび輸送などを含むバリューチェーンの構築を目指す。

三井物産のマレーシア沖でのCCS事業は、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の先進的CCSに採択されており、早期実現性が高く、今後の効果が期待できると判断し、本共同検討に合意したという。レゾナックは大分コンビナートで排出されるCO2の分離・回収と液化・貯蔵、輸送事業者への引き渡しを、三井物産はマレーシアまでの液化CO2の海上輸送とマレーシア沖での地下貯留を担い、それぞれで必要な技術的要件の検証およびコストの概算などの検討を進めていく。

レゾナックは、「2050年カーボンニュートラル」に向け2021年に、2030年時点での温室効果ガス(GHG)排出量削減目標を、「2013年比30%削減」と設定している。本共同検討を通じたCCSの早期導入検討をはじめ、脱炭素化に向けてあらゆる選択肢を検討することで、2050年カーボンニュートラル社会の実現への貢献を目指す。

火力発電のジェラ、ペトロナスとCCS事業化を共同検討へ

【クアラルンプール=アジアインフォネット】 火力発電・ガス事業に携わるジェラ(JERA、本社・東京都中央区)は2日、国営石油会社ペトロリアム・ナショナル(ペトロナス)の子会社であるペトロナスCCSソリューションズ(PCCSS) との間で、JERAが日本国内で排出する二酸化炭素(CO2)の分離・回収およびマレーシアへの輸送・貯留の事業可能性調査について、初期的な共同検討の実施に関する合意書を締結したと発表した。

合意に基づき、同社が日本国内で排出するCO2の分離・回収、輸送方式や出荷・受入条件等の両国間輸送に関する検討、さらにマレーシアのガス田への貯留に至るまでのバリューチェーン全体を対象に、事業の実現可能性について共同で検討していく。

JERAは東京電力フュエル&パワーと中部電力との合弁会社。「JERAゼロエミッション2050」を掲げ、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロに挑戦しており、CO2回収・貯留(CCS)事業の推進に向けて、CCS技術の評価、経済性等の検討を加速していく方針だ。