【クアラルンプール=アジアインフォネット】 日本産農林水産物・食品の輸出に取り組む輸出事業者を包括的・専門的・継続的に支援する「農林水産物・食品輸出支援プラットフォーム」がマレーシアに設置され、2日、関係者らをクアラルンプール(KL)の大使公邸に招いて立ち上げ式が開催された。

同プラットフォームは農林水産省、在外公館、日本貿易振興機構(ジェトロ)海外事務所、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が共同で開設しているもので、マレーシアは9カ国・地域目。イスラム圏では初めてとなる。まずは6月をめどにポータル・サイトを立ち上げる。

▽事業者や地方公共団体からの様々な相談対応および現地発の情報発信▽オールジャパンでのプロモーション活動への支援▽新たな商流の開拓▽現地事業者との連携の強化――が主な活動で、▽ローカルスタッフによる長期的な取り組みや人脈構築の実施(継続性の確保)▽専門人材の登用促進や人材育成の強化(専門性の確保)▽関係部局が共同して輸出拡大に向けた調査を実施(連携の確保)▽地域の実態に即した活動を積極的に実施(地域の主体性の確保)――を図る。

今後の活動についてジェトロKL事務所の高野光一所長は、▽高所得者層だけでなく中間層にもアプローチ。市場調査やハラル(イスラムの戒律に則った)を含む規制などの調査を行う▽商流拡大をめざし、地方・東マレーシアにも範囲を広げる。高級食材を扱う日系以外の飲食店・バイヤーへのアプローチを強化する▽マレーシアの関係者の日本への招聘。生産現場を視察してもらう――といった3点を中心に行っていく考えを表明。また在マレーシア日本大使館と連携して、関係者を集めて不定期に会合を開いて情報交換を行う考えを示した。

同プラットフォームはこれまでに▽米国(ロサンゼルス、ニューヨーク、ヒューストン)▽タイ(バンコク)▽シンガポール▽欧州連合(パリ)▽ベトナム(ホーチミン)▽香港▽中国(上海、北京、広州、成都)▽台湾(台北)ーーの8カ国・地域に設立されている。